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15年目の理学療法士が考える、理学療法士(医療従事者)のキャリアの可能性

「理学療法士は、社会人のキャリアの1つとして生かせますか?」
理学療法士2年目(社会人2年目)から、聞かれたことです。

理学療法士が社会的に認知され、ドラマ・映画になるようになってきました。
その影響もあり、少子化なのに、理学療法士国家試験の合格人数は減らず、毎年1万人が合格しています。
しかし、業界や給与が思っていたのとは異なる現実を見てしまい、上記の質問が出てきたようです。

医療介護・リハビリ・療法士のお役立ち情報 セラピストプラス
https://co-medical.mynavi.jp/contents/therapistplus/kokushi/sokuho/8303/

「キャリアの1つになるよ」
と私は答えました。
他業界で働いている友達の話、書籍から
以下の3点が、理学療法士で培われ社会人キャリアに役立つ能力と考えたからです。
①問題解決
②他の職種と関わる
③利害関係が複雑



①問題解決


理学療法士が日々実践している臨床は、患者さんの身体的な問題の原因を見つけ、適切な解決手段(運動療法・徒手療法など)を提示し、実践することです。
これは、まさに社会で求められている問題解決のプロセスと一緒です。
理学療法士は、このプロセスをひたすら繰り返し、精度を上げています。
これは、社会課題・問題が発生または見つけ、その原因を抽出・分析し、最適な解決策を探しだし、実行する問題解決能力を養っているのと変わりないのです。
たまに臨床を馬鹿にする人がいますが、どんな仕事も臨床のプロセスとほとんど同じことをして、対価を得ているのです。
それぞれの過程の確実性を上げていくこと、方法は職業によって異なるかもしれませんが、考え方や方向性は大きく変わらないと思います。

②他の職種と関わる


理学療法士1人で、仕事のすべてが完遂することは少ないです。まず、医師の指示が必要です。入院患者さんであれば、看護師より日々の様子を聞く必要があります。物を使うのであれば、業者とのやり取りも必要になります。
複数の職種でのカンファレンスに毎週参加します。
介護業界でもケアマネージャーへの情報提供が必要になります。
これは、一般の会社であれば、他部署と一緒にプロジェクトを実行することに近く、1人の患者さんを退院や回復へ導くプロジェクトです。
専門分野が異なる人たちへ自分の考えを伝えること、相手の意図していることをくみ取ること、自分の欲しい情報を引き出すことが必要となります。
これは、経済産業省が打ち出している社会人基礎力の「チームで働く力」ではないでしょうか。
そう、病院・クリニック・介護施設で働けているということは、自ずと「チームで働く力」がついているのです。

③利害関係が複雑


理学療法士だけでなく、リハ職・医療従事者は、家族と関わります。
また、医療収支について、経営者や管理職から、伝えられます。
この2つからの意見は、真逆なことが多くあります。
その中で、最適な解を見つけ出すことが必要になります。
家族に寄り添いすぎてしまうと、採算度外視な働き方や、サービス提供をすることになります。
収支ばかり考えていては、問題を解決せずに、終わってしまい、患者さん・家族から不満が出てきてしまうことになります。
その、ちょうど良い所を見つけ出し、実践する必要があります。

上記の関係性は1例です。多くの利害関係が異なる関係者の、全員から「それならいいでしょう」という言葉を引き出すことが、日々求められています。

これは、自分が動くことによって、影響を受ける人(ステークホルダー)を意識して、会社を運営する、プロジェクトを回していくこと同じではないでしょうか。

自分がリハビリをしたため、死期を早めてしまったのでないかと、悩んだことがあります。

それくらい、理学療法士は影響を及ぼす可能性があり、周囲には、望んでいることが異なる人がいるのです。


理学療法士だけでなく、医療従事者は、日々の業務を実施することで、社会人に必要な能力をみにつけ、磨くことでキャリアの1つになっていくはずです。

今後、医療従事者が、他分野で活躍していくことが増えることを切に願っています。
私も負けないように、頑張り続けます。

本日は、理学療法士は、キャリアになるのかについて、書いてみました。

最後まで、読んでくださり、ありがとうございました。

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