フラミンゴと混浴@ケニア

温泉めぐりも10カ国目。そろそろ別府の温泉が待ち遠しくなってくるなぁ、、、と思いつつ、もはや引き返せないとこまで来ちゃってるので先へ。

今回、紹介するのは、東アフリカの中心国、ゴスペルと、フライドチキンと、マサイの国。ケニアですね。

これは首都ナイロビの宿からみたマチの景色。なんだか雑多ですよね?写真の奥にみえるのが、東京でいうと新宿の副都心のような場所。ケニアは東アフリカの金融の中心地でもあって、世界の有名な金融機関が社屋を構えてます。僕がイメージしてた「ケニア」とはだいぶ違う!都会!!

あくまで首都のナイロビに限った話なんやけど、でっかいスーパーマーケットもあるし、おしゃれなカフェもたくさんある。実際に言ってみないとわかんないことってやっぱりあるよね。

こんな風にナイロビの中にはスーパーマーケットやショッピングモールもたくさんあって、日用品・電化製品までてんこもり。モノも溢れています。

とはいえ、少し裏道にはいると

こんな感じで、道路脇のテントみたいなところで、コーヒー飲んだりしてくつろいでいるおじちゃん・おばちゃんたちの日常が広がります。

■ケニアへの行き方

はてされ、ケニアにはどうやっていくのか?もちろん、日本からなら飛行機のって向かってください。笑

今回、ぼくは前回のエチオピアから陸路でケニアに向かいました。
エチオピアとケニアの国境モヤレという小さなマチから入国。
ケニア側のイミグレ(入国管理)の事務所がこんな感じ、、

成田空港とかから比べると、だいぶ違うでしょ?
実際手続きもゆるい感じで、職員のおっちゃんと談笑してたら、知らないうちにパスポートにハンコ押してもらってました。

で、無事イミグレを通過し、ケニア側にでてみると、町の様子がこんな感じ、、、



たった一つ国境を越えただけで、急に町の雰囲気がかわります。
僕が入国してしばらくするむと、急に「わーっ」と客引きらしいお兄さんたちが20人位に取り囲まれました。みんな口々に叫びながら
「おまえナイロビに行くんだろ?」
「車ならオレがさがしてやる!」
「いや、おれが探してやる!」
「うるせーおれだ!」
「とりあえず、お前の荷物はおれがもっていってやる!」
「このやろ、それはオレのだ!ボカッ!」
「イタ!やりやがったなこのやろう!!」

と、いきなり壮絶な客(ボク)争奪戦が開始!
スキをみて、僕のカバンを持っていこうとする輩もいて、もう、こっちもパニック!
「ちょ、ちょっとまって!オレの荷物勝手にもっていくな!!」
と叫んでみるも、争奪戦は加熱していきます。とそこで、
「OK!オレが助けてやるよ!」
と颯爽と横から赤白のストライプシャツを来たお兄さんが、客引き達と僕の間に割って叫びました。
「おい、お前たちいい加減にしろ!この人はオレに任せてくれることになった、もう終わりだ!散れ!!」
と一喝。アレだけいた客引きたちがすっと消えていきました。
「助かったなミスター、もう大丈夫だ!」
素敵な笑顔で声をかけてくれるた彼に苦笑いで答えつつ、心の中では
「とりあえず助かった、、、けど、、こいつも怪しい!笑」
警戒心マックスでついていきます。

じつは、ここ国境の町モヤレから首都ナイロビまで、旅人は物資を運ぶ貨物車に便乗させてもらうのが一般的。(公共バス的なものもあるが3日位かかるらしい)つーことでモヤレの町には、旅人とドライバーの仲介をすることで、外貨を手にするというマグロの一本釣りみたいな仕事が成り立っているわけです。僕はマグロで、客引きのみなさんは漁師。
で、見事、わけのわからないうちに釣り上げられた僕は、お兄さんに言われるがまま、翌朝7時前に貨物車たちが集まるという広場に行くことに。

この夜は宿をきめたら、そのまま宿に引きこもっておりました。で、翌朝言われたとおり広場に行くと、お兄さんがすでに交渉をすませておいてくれたらしく
「おまえの乗るのはこれだ!」

「おぉ!ちゃんと仕事してくれたんやね!ありがとう!(なんか疑ってごめん)」
と一安心、あれ?でも、なんかちょっとおかしいな。
荷台の上に人がのってる。
「あれは何?」
「あぁ荷台には牛が乗るから人は上」
「え?あの上に乗るの?ナイロビまでどれくらいかかるんだっけ?」
「丸一日ってとこだね」
「ちなみに、あの人なんで銃もってんの?」
「あぁ、国境からしばらくはゲリラが出るから、彼らはガードマンだよ。何かあったら、アレ(サブマシンガン)で追っ払ってくれるから安心だろ。」
「いや、むしろ、こえーよ。笑」
「ちなみにあの荷台がいやなら、助手席に乗れるようにもできるけど、どうする?荷台なら40ドル、助手席なら80ドルだ」
「く、、、ここで80ドル出費は痛い、、痛いが、、ぜひ!助手席で!!」

こうして助手席に三菱ふそうのトラックの快適な(?)助手席に乗り込みいざ、ナイロビへむけて出発

道はず~っとこんな感じ、笑。当然舗装なんてされてないっすね。このデコボコ道を、アクセル全開でぶっ飛ばします。何度も、そう思うほど、激しい縦揺れ。オフロード車のレースに出るってきっとこんな感じ。「荷台にのってたオジちゃん、、、絶対落ちちょんやろな、、」と、途中なんどもそう思いました。

ーーー

ちなみに道中驚いたことに24時間のうち休憩は3回だけ。あとはずっと一人のドライバーさんが高速でぶっとばし続ける。
「そろそろ寝たほうがいいんじゃないの?」
と僕がドライバーさんに聞くと、ニヤニヤしながら
「大丈夫これ噛んでるから」
とビニール袋に入った大量の緑の葉っぱを見せてくれる。
「なにそれ?」
「これを噛んでると目がさめるんだよ!」
おそらく、チャット、とよばれる軽い覚醒作用のある葉っぱ。
「あぁ、だから、アンタ軽くハイになってるのね、、、。」
若干の生命の危険を感じつつも、あまりの眠さと疲れにそれどころではなく、次第にウトウト、、、、

と、ふと気がつくと、すでに明け方、しかも舗装された道を走っている!

「お!もうすぐ!?ナイロビ!?」

「もうすぐだよ」

「やった!」

つーことで、ジャスト24時間でナイロビへ到着。

この間、荷台にずーっと捕まっていたお客さんたちは、、、

無事ナイロビに全員ついたらしく、みな何事もなかったかのように、ナイロビの街へ消えていきました。つーことで、エチオピア~ケニアのこの陸路移動は、この世界温泉めぐりの旅で、最も過酷な移動となりました。

■ケニア国内の移動
ナイロビからは公共交通としての小型・大型の路線バス、もしくはチャーターした車でどうぞ。乗合バス型なので、行き先とか、何回も確かめないと、ぜんぜん違うとこ言っちゃうことになるので、お気をつけ遊ばせ。

■ケニアの温泉と入浴施設

で、本題、ケニアの温泉ですね。(やっと温泉、ふぅーっ。)

前回訪れたエチオピアと違い、ケニアには、あまり温泉入浴の文化がないらしいです。なので温泉を探すまでがかなり大変でした。ナイロビで泊まった安宿のマイケル(40歳位?)に

「おれ、温泉に行きたいんだよね。」
「温泉って?」
「温かいお湯につかるんだよ。お風呂」
「なんで浸かるんだ?」
「なんで?う~ん趣味だよ」
「でも、温泉なんてねぇ~よ、それよりサファリに行かないか?」
「いや、サファリはいいんだよ。温泉に行くためにきたんだから」
「いや、だから温泉なんてねぇって」
「いやいや、レイク・ボゴリアには温泉があるって聞いたんだよ」
「無ぇよ」
「いや、あるんだって。」
「いや、ねぇから、第一、レイク・ボゴリアなんて片道5時間ぐらいかかるよ。悪いこといわねぇから、サファリ行こ!」
「いやいや、、、、」

みたいなやりとりを経て、嫌がるマイケルを無理矢理なんとか説得し、車をチャーター。ナイロビから北に5時間レイク・ボゴリア(ボゴリア湖)へと向かうことになりました。

移動中も、マイケルは、ずっと
「温泉なんってねぇのに、、、」
と、ブツブツ。
「いいから、行って!」
と励ましつつ、たどり着いたのがこちら

「あるじゃん!!」
「あるね、けど、こんなん入らんだろ。」
「いやいや、入るよ。そのために来たんだから」
「え?入るの?」
と僕はさっそく車のなかで水着に着替えて、いざ入浴。
で、足をつけてみると、、、灼熱。とてもこれでは浸かれん。

「ほら、入れないじゃん」
「いやいや、入るんだよ。別府の人間は入るの!熱いお湯なんてへっちゃらなの!」

そう自分自身に言い聞かせつつ、なんとか入れそうな温度の場所をもとめて、流れの先へ、、すると!

そこに広がるのは、広大なボゴリア湖。(しかも、いろいろ浮いている)
そして、遠くにはフラミンゴの群れ。

「いやいや、これは浸かれないでしょ?」

的な、嘲ける笑いを浮かべるマイケル。

「(以下、心の中の葛藤)たしかに正直コレは怖い。深さもわからんし、だいたいなんだあの怪しい泡は?けど(別府人として)ここで心折れるわけにはいかん!なんのために、はるばる、こんなところまで来たんや!オレだって本当はサファリに行きたかったよ!けど、もう温泉めぐるしかねぇんだよ!ずっと温泉入ってきちゃったんだよ。これは、もう止められねェんだよ!!」

ということで、、、

入ってみました。

このボゴリア湖、火山が近いらしく、周辺から無数に温泉が湧き出てる。それぞれが流れ込んで作られている超巨大な温泉湖なんす。(たぶん、アイスランドのブルーラグーンよりも大きいと思う。)

で、さらに感動なのが、この写真の奥のうすい桜いろ。これ全部フラミンゴなんす。つーことで人生初めてとなる(そしておそらく最後となる)フラミンゴとの混浴を果たしました。笑

どんな温泉も、一度、浸かってみたら、こっちのもの。

あやしい藻をかきわけながら、悠々自適に泳ぐ僕を、遠く岸辺から

「クレイジーなやつ、、、」

という眼差し見つめながら、マイケルはカメラに納めてくれました。

これに調子づいた、ぼくは、もう一湯、はしご湯を決意!

つーことで、ナイロビへの帰路、もう一つの、かすかな情報をもとに、エレメンタイタ湖へ立ち寄ってもらうことにしました。

マイケル曰く
「いやいや、ここに温泉は本当にないって」
「いや、あるから、さっきもあったじゃん」
「いや、ないよ。おれエレメンタイタ湖はたまに行くもん。」
「いやいや、探すだけ探してみようよ」
「わかったよ、行けばいいんだろ!」

と、渋々エレメンタイタ湖へ。

湖の周りを、地元民に「温泉はないか?」と訪ねながら、探し回ること、1時間、、、ついに、みつけた人だかり!

「あるじゃん」

「あるね。」

ということで、ふたたび水着に着替えて足をつけてみる。
おぉ!これも温かい!しかも今度は適温!

いざ入浴!
と思ったら、とんでもなく浅い!!

ので、、

こんな感じになりました。笑

目の前は湖!空を見上げながら身体が温まっていくこの経験は、まるで、別府の砂湯温泉みたい!懐かしい!!この温泉は普段から地元の人が、傷や疲れを癒やすために浸かっているらしいです。(写真の奥で「何だアイツ?」と若干引いてるのが地元のみなさんです。)

マイケルも「無い、無い。」と言い続けた温泉が結局2つも見つかったことで、ついに、

記念の一枚。笑
「お前のお陰で、新しいツアーを思いついた。今度日本人がきたら、この温泉ツアーを勧めて見るよ!」

そう誇らしげに語るマイケル。

そんな彼に僕は冷静に、

「いいね!だけど、他の日本人はみんなサファリに行きたがると思うよ。」

と返しておきました。

つーことで、これが大自然に身を委ねる壮大なケニアの温泉たち!
温泉道を行くみなさんには、ぜひ経験してもらいたい!!

■湯めぐり、この一皿!

ナイロビの風呂上がりに頂きたいのは、なんと言っても、街なかに溢れているファーストフード。一番目につくのは、フライドチキンとフライドポテトのお店ですが、他にも下記の牛肉と米の炒めものとか。

牛すじとジャガイモのトマトスープとか

ちょっと荒々しい食べ物が多いですが、これもケニアならではの食のスタイルかと思います!

■ケニア湯めぐりの宿

こちらはナイロビの宿のテラスからみた夜景

ナイロビ市内にはいろんな宿があり、値段も手頃。宿探しには困りません。そのうえで、僕のおすすめは、ムスリムの方がやっている宿。ナイロビ市内にはクリスチャンの方がやっている宿と、ムスリムの方がやっている宿があります。どちらも居心地は良いのですが、個人的にはムスリムの方がやっている宿の方が好き。理由はより清潔だから、そして猫がいるから。笑

残念ながら写真が獲り忘れちゃったんですが、ナイロビに行くときは、ムスリム宿を探してみることをオススメいたします。

ちなみに、下記はサファリツアーに行った際に泊まった国立公園内の宿。

ちょっとしたグランピングでして、これも快適かつ、楽しい!

■ケニアの湯めぐりの楽しみ方

温泉めぐりを終えたあと、結局、僕はサファリに行くことにしました。笑
で、実際行ってみて本当に良かったなと、笑。ということで、ケニアに行くならやっぱり、サファリツアーっしょ。

チャーターした4WDの車でサファリ内を移動するんですが、こんな感じでライオンとか普通に寄ってきてくれます。

感動したのは、この麒麟の群れと出会ったこと。

サファリツアーの拠点の直ぐ側にはマサイ族の村も。訪れてみると、みんな携帯で送金するわ、「ダンス一回いくら」みたいなお金の要求してくるわ、とかく資本主義の影響を感じさせられた場所でもありました。笑

サファリツアーの宿からみた、サバンナの夕焼け

やっぱりアフリカ、スケールが違うので、サファリツアーも人生で一回は行って損はないと思います。

■おなじような体験ができる(はずの)べっぷの温泉

さて、ケニアの大自然に包まれるような温泉体験ができる別府の温泉は?
さきほども、チラッと触れた「別府海浜砂湯」

その様子がこちら!

画像は別府市の温泉紹介サイトからhttps://www.city.beppu.oita.jp/sangyou/onsen/detail32.html

わかりますか?

ここは元来自然に砂浜から温泉が出ている場所。そこで、その砂浜に寝そべって、その砂を身体にかけ包まれて、蒸される。という特殊な温泉体験ができるんです。これが砂湯です。
そして「海浜」とあるように文字通り、ここは海の直ぐ側にある温泉。だから、寝そべりながら、別府湾とそこに広がる空に抱かれます。まさしく、僕が体験したエレメンタイタ湖の温泉と同じ大自然との一体感!

みなさんも、わざわざ訪れて、遠くアフリカに思いを馳せてみてください!

■ケニア・エレメンタイタ湖温泉の基礎データ

・湯ノ質、良
・景観、極上
・設備、無し。
・人情、普通(遠目で引かれる)
・料金、0
・営業時間、24時間、絶対明るいうちに。誰かと!

■別府、ひょうたん温泉の基礎データ
・水質 良
・景観 極上
・設備 充実!(ちゃんと砂を洗い流す浴室とかもありますよ)
・人情 良(砂をかけてくれるお姉さま方の別府流のおもてなし)
・料金 大人1030円、子供320円
・営業時間 9:00~17:00(夏はもうちょい長め)


■そのほかの世界✕別府の湯めぐり
https://sites.google.com/view/sekai-onsen/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?