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Barbour、本当に正しいサイズ選び。

 お久しぶりです。なかなか更新出来なくてすみません。前回の記事ではマーチンについて書いたので、今回は同じ英国ブランドのBarbour(バブアー)について書いてみます。昨年の冬に手に入れた最強のアウターですが、巷に出回っている情報のなんといい加減な事か。是非ともこの記事を読んで皆さんが購入する際の参考にして頂きたいと思います。

鉄壁のビューフォート

 以前から知ってはいたものの“オイルドジャケット”という特殊性からなんとなく敬遠してしまっていたブランド、バブアー。しかし巷での流行に加えて、同僚が代表的なモデルのBedale(ビデイル)を着ていた事に触発され「いよいよ手を出してみるか」となったのが丁度昨年の秋頃でした。

 バブアーには色々なモデルがある為「どれが自分に合うんだろう」と下調べから始めました。街中でお洒落な女性が着こなしていて目を奪われた短丈のSpey(スペイ)やロング丈のBorder(ボーダー)など、モデル毎に仕事の用途に根差した仕様の違いがあるので調べているだけでも面白かったです。

ただ最終的に私が選んだのは前述のBedaleと人気の双璧を成すBeaufort(ビューフォート)でした。普段強気にエッヂの効いたアヴァンギャルドな風体をしていても実の所は堅実派(チキン)なので、一着目には人気の定番モデルを選んでしまいました。しかしこの堅実な選択が大正解だったので選んだ理由を簡単にお話しします。

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天気の良い日に撮影したので色味がグレーに見えてしまいます。
参考にしづらくてすみません...(汗)

このモデルを選んだ理由

1. 絶妙な着丈

 冬場はどうしてもロング丈のコートが多くなるので、秋口から着る事が出来るミドル丈のものを探していました。人気モデルのBedaleは元々乗馬用のジャケットなのでBeaufortよりも丈が短くスッキリまとまっている印象、一方Borderは丈が長くオーバーコートの様になってしまい、肩もセットインスリーブになるので少しカッチリする感じがして、今回の選択肢からは外れました。

Beaufortはそれ単体で着ることは勿論の事、元々狩猟用に開発されたものなのでツイードジャケットやスーツの上から羽織っても裾を隠してくれる丁度いい丈感になっています。その為、あまり細かい事を気にする事なく、いい意味で適当に羽織れそうなところが良いなと思いました。

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その辺にあったジャケットと合わせてみました。いい感じの丈感です!

2. ポケットの多さ

 Beaufortの最大の特徴はゲームポケットと呼ばれる背面に付いた大きめのポケットです。元々は狩りで仕留めた獲物を入れておく為のものとの事。背面がポケットになっているモデルは私が調べた限りこのBeaufortだけでしたので、これが決め手といってもいいかもしれません。

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左右両方にジップがついているので、どちらからでもアクセス出来ます!

更に前立ての裏には小さなジップポケットが付いていて、これがちょっとした小物を入れておくのにとても便利です。私はよく目薬やハンドクリーム、アトマイザーなどを入れています。

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bedaleにはついていないみたいです。

ボディ前面についたボタンスナップのポケットも大きく、ハンドウォームポケットは裏地が起毛した生地になっているので冬場は手を温めることが出来てありがたいです。

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BedaleやBorderには裏地部分にBeaufortにはないポケットが付いていますが、別売りのライナーを取り付けると隠れてしまう位置にあります。冬場の防寒用にライナーを取り付けたいなと考えていた私には気になるポイントでした。
ライナー自体にもジップポケットが付いているので、Beaufortに取り付けた場合にはポケットの数が更にもう一つ増えるという点からしてもやっぱりBeaufortに軍配が上がりました。

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大抵の用事はバッグを持たずともこのジャケットだけでコンビニやスーパーでの買い物も収まってしまうのでかなり重宝しています。

3. フルライニング

 地味に気になったのはライニングの長さです。Bedaleは裾がベンツになっているのでハーフライニング仕様、Borderもロング丈の為か途中までしかついていません。Beaufortは裾までしっかりフルライニングなのでそこがグッときました。あまり見えない部分ではありますが大事なポイントです。

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 他にもモデル毎に似ているようで細かく仕様が違っているのですが、私の決め手は主にこのあたりでした。

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サイズ選び

  私が購入に至るまでの経緯や前置きはさておき、ここからが本題のサイズ選びについてです。冒頭でも述べたように、巷で調べて出てくるサイジング情報はあまり信用してはいけないと思ったのが、この記事を書こうと思ったきっかけなんです。

 あるショップのブログでは、身長170cm / 体重60kgくらいの体型の方が38(M)サイズを購入して着ていたところ、友人から「野暮ったい」、「野球観戦のおじさんみたい」と言われてサイズ感について相談する経緯が書かれていました。
ショップはよりスタイリッシュにするならば36(S)サイズが正解だとオススメしていましたが、ここは敢えてハッキリ言います。

「「「その野暮ったいのがいいんじゃないですか?」」」

もちろん公式からもスリムフィットモデルが販売されていますし、スーツやシャツなどにBedaleを合わせるスタイルの人気も高いですが、何となく一昔前のトレンドのように感じてしまいます。
最近ではむしろオーバーサイズモデルが出ていたりするくらいなので、個人的には定番のクラシックモデルを少し大きめで野暮ったく羽織るくらいが無骨でラギットなバブアーの良さをトレンドに左右されずに長く楽しめるんじゃないかと思います。

 また、私がサイズを下げてまで身体のラインを出す事をオススメしない一番の理由は袖丈です。バブアーのジャケットの多くは二重袖になっていて、オイルドコットン生地の内側にリブやマジックテープ(もしくはスナップボタン)留めの袖がついています。これは雨風の侵入を防ぐ為の仕様ですが、外側からはほとんど見えずに少し短く隠れる形になっているんです。

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これがポイントで、私が初めてバブアーを試着した際には鏡で外側の袖丈を確認し、身幅にも適度な余裕があったので38(M)サイズを購入しました。しかし実際に着ていると内側の袖をしっかり留めた際に生地が突っ張ってしまう事に気づきました。もともと私は英国で着られているようなガバッと適当に羽織るスタイルが好みだったという事もあったので、すぐにワンサイズ上の40(L)サイズを購入し直す事にしました。

身長173cm / 体重57kgの私に対してはほんの少し身体周りが大きい気もするのですが、私にとってはこちらの方が合っているように感じます。私より背の低いバブアーの店員さんも大きめに着たいという事で40(L)サイズを着ているとのことでしたので、一つ大きめに着るのはよくある選択のようです。

私は他人より腕が長めという事もあってそれでも袖丈は心許ないですが、サイズを42(XL) にすると全体的に着られているようなサイズ感になってしまい、特にBeaufortの場合は背中に荷物を入れた際にその重みでジャケット全体が後ろに引っ張られてしまうので、40(L)がベストかなと思います。

 ちなみにヴィンテージのバブアーと現行のバブアーではサイズ感が異なります。年代による違いや個体差、生地の縮みもあるとは思いますが、比べてみると同じサイズ表記でもヴィンテージの方が袖丈や着丈が短めで横に広がったような形なっています。作業着として何かの上に羽織る事を目的にしていた為でしょうか。
その事を踏まえて考えれば、現行品をサイズアップして身幅が膨らんだりすることは然程気にしなくてもいいのではないでしょうか。

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現行40サイズ(下)とヴィンテージ44サイズ(上)。
ヴィンテージを同じサイズ感で買うなら42か44くらいが良さそう。

 私がみた記事以外にも昔のトレンドの影響を受けたレコメンドは案外多く、スタイリッシュさを意識してサイズ自体を下げてしまうと身幅はスリムなっても袖丈が足りなくなってどこか窮屈な印象が強まります。そしてなりより着心地が悪い筈です。スリムなスタイルが好みな方は購入される際に少し気をつけてみて欲しいです。

私のオススメはあくまでも“野暮ったく”です!笑

オイル臭くないのか

 定番のジャケットはコットンにオイルを染み込ませた生地を使用しているで撥水性があり、雨や雪の日にはもってこいのジャケットです。しかしその機能性の反面、「独特な臭いがする」、「自宅での管理が大変そう」などとよく言われ、昔の私を含めてどうしても敬遠してしまいがちなのですが、

「「「それは昔のバブアーに限った話です!」」」

店員さんによりますと昔のバブアーに使われていたオイルは今とは全く別物で、酸化した際に独特な臭いを放っていたとの事。現行の物ではかなり改善されているので前述のような懸念はしなくてよくなっています。

私も一年間使用してみましたが臭いは全く気になりませんでした。新品の時こそ生地はオイルでぬらっと光っていますが、数回着るだけで余計な油分は無くなり、しっとりとした状態に落ち着きます。保管方法もクローゼットなどの密閉した空間にしまいこまず、室内のラックや壁に掛けて適当に置いておくだけで大丈夫です。

最近はゴアテックスなど現代技術を駆使した撥水生地や、抵抗感がある人の為にオイルレスのコットンなどで作られることも多いですが、折角バブアーを買うなら他社製品にはあまりない、バブアーらしいオイルドジャケットを私はオススメしたいです。

着込んで油分が抜けたジャケットにオイルをリプルーフするのは手間が掛かる面倒な作業のようにも思えますが、革靴を磨くのと同じようにそれ自体を楽しみながら、一緒育てていく感覚で付き合えるのがこのジャケットの魅力の一つではないでしょうか。

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飾っておくだけでも可愛いオイル缶。

お値段について

 さてここまであれこれと良さをお伝えしてきましたが、皆さん一様に「でもお高いんでしょう?」と思われたかもしれません。確かに国内でのビューフォートの定価は2021年現在で60,500円と割高ですが、海外通販を上手く利用すれば凡そ3万円程で手に入れることが出来ます。私は海外のECサイトのEND.さんのセールの時期を狙ってお得に買うことが出来ました。

勿論、取り扱いが定番モデルのみであったり、サイズ感を知っていないといけなかったり、日本ほど検品がしっかりしていないのでB品に当たるリスクがあったりしますが、コロナ渦でネットショッピングに慣れた人にとっては然程難しい事はないと思います。購入するのにお値段がネックとなっている方は是非挑戦してみて下さい。

最後に

 バブアーの良さはとても機能的な一方で物凄くクラシックであるという点です。機能性だけを考えれば現代には便利なテックウェアは数多くありますが、カントリースタイルにハマるのは創業した1894年から多くの人達に支持されてきたという127年の重みがあってこそでしょう。英国王室御用達の証、ロイヤルワラントを複数与えられている事にも納得です。

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 是非この機会に皆さんもバブアーデビューして一緒に油まみれになりましょう。購入報告待ってますよ!

それでは皆さん良いお年を!


 





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