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令和のラーメン激戦区。世界に拡がる「ラーメン」の発信源はここだ。

「カレーの激戦区と言ったら、どこですか?」

そんな質問を都内でされたら、多くの人が、神保町と答えるのではないだろうか。あるいは、高円寺なんて答える人もいるかもしれない。

同様に、コーヒーの激戦区と言われたら、清澄白河だったり、代々木だったり、意見にばらつきこそあれど、ある程度イメージが湧くのではないだろうか。


ーーーでは、日本の国民食「ラーメン」の激戦区は?

広く括れば、東京は熾烈すぎる超激戦区だろう。都外を見渡せば、言わずもがなの博多や京都、千葉県松戸なんかも強豪ひしめく激戦区と言えるだろう。

しかし、これといって「ラーメンの街」と呼べるような場所は、まだ都内には無いのではないだろうか。



ーーーそんな中、ラーメン業界にとんでもないビッグニュースが流れてきた。

あの、みんな大好き「一風堂」が、26年ぶりに"本舗"という名を冠した店舗を都内にオープンしたのだ。

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36年に渡る一風堂の歴史において、福岡市にある「一風堂 塩原本舗」に次ぐ2店舗目の"本舗"。今や世界15カ国290店舗も展開している一風堂の、言わば旗艦店がこの"本舗"なのである。通常の店舗と異なり、スープやチャーシューを店仕込みにこだわった東京版の“拉麺発信所”として、大切な意味合いが込められた場所なのだとか。

一ラーメン好きとして、楽しみで楽しみで仕方がない。

そして今回伝えたいのは、この歓喜のニュースをきっかけに、「ラーメン激戦区論争」が遂に決着の時を迎えるのではないかということだ。

地方に住んでいるラーメンフリークたちが、日帰り東京旅行でどこに行こうか迷った時の道標に。海外からの旅行者に、ジャパニーズラーメンの多様さを伝えたい時のガイドブックに。ここでお伝えする場所が、1つの答えになってくれたら嬉しい。


では、新たなラーメン激戦区とはどこなのか。タイトルでフライングしてしまった感は否めないが、


その場所とは、浅草橋だ。

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ーー東京の東側。秋葉原や日本橋、浅草に囲まれている、問屋の多い下町情緒溢れる場所である。聞いたことはあるけれど、意外とピンと来ない人も多いエリアではないだろうか。

しかし浅草橋には今、行列のできる有名ラーメンから、世界初の意外なラーメンまで、ラーメンの歴史を刻んでいくようなお店が続々と集結しているのだ。そこへ今回の「一風堂浅草橋本舗」の誕生もあり、遂に浅草橋がラーメンの激戦区と呼ばれる時が来たのではないか、と僕は思っている。世界中に拡がる「ラーメン」の発信源が、今、浅草橋にあるといういわけだ。

そんな、「令和のラーメン激戦区」に集うラーメン屋さんたちは、どんな一杯をつくりあげているのか。大好きなお店をいくつか紹介していくので、気になるお店があったらぜひ足を運んでみてくださいね。


【一風堂浅草橋本舗】 世界の「一風堂」が26年ぶりに"本舗"をオープン!

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看板メニューの「白丸」や「赤丸」が店仕込みの本舗限定版というだけでなく、「博多もんじゃそば」「江戸式醤油ラーメン」など、ここでしか食べられないオリジナルメニューが盛りだくさん。東京下町と博多、2つの名物の掛け合わせが楽しめるのだ。

そしてこの本舗の何がすごいって、創業者・河原成美さん自らが厨房に立つこともあるんだとか・・!それを聞くだけでも、この場所への本気度合いを感じずにはいられない。

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【青島食堂】 王道を極めた一杯!新潟長岡の生姜醤油ラーメンの超名店。

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連日行列が絶えない人気を誇る、新潟長岡の生姜醤油ラーメン。油多め塩味強めで生姜が効いたラーメンは、シンプルなのにパンチが効いていて、病みつきになる美味しさ。肉肉しさと脂身の旨味どちらも堪能できるチャーシューも、王道にして絶妙。

何より、いかにも美味いラーメンを作りそうな大将による目の前での麺切りライブは、卓越した美技に何度見ても感動してしまうのだ。他では味わえない、モチモチ食感の中細麺がもう最高すぎて・・・

毎日通いたくなってしまう、王道を極めた一杯だ

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【ろく月】 上品なコクと旨味にハマる人続出。"豚白湯"ラーメンとは?!

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鶏ガラを強火で煮込んだ濃厚な白濁スープと言えば、みんな大好き鶏白湯ラーメンが頭に浮かんでくるだろう。

では、こちらの看板メニューである「豚白湯ラーメン」とは何なのか。濃厚な豚骨ラーメンと何が違うのか。

店員さんによると、豚骨でありながら、臭みを消して、「コクと旨味」だけを抽出し、クリーミーに仕上げたラーメンだと言う。たしかに、ジャンクな濃厚豚骨ラーメンとは一味違い、女性にもおすすめしたくなるような上品なコクと旨味がたまらなかった。鶏白湯の時のように、豚白湯ブームはやってくるのか・・・今後が楽しみで仕方ない。

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【饗 くろ㐂】 ミシュラン掲載!旬の魅力を一杯に表現した、絶品ラーメン。

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店主の黒木さんは、一流イタリアンや和食で腕をふるい、あの人気焼肉店「金舌」までも手がけているお方。そんな黒木さんが、これまでの経験全てを一杯の丼ぶりにまとめ上げたのが「くろ㐂」のラーメンだ。

ラーメン好きの間で知らぬ人はいない季節限定ラーメンの数々は、四季折々の食材が丼ぶりの中で色鮮やかに表現されていて、その美味しさと美しさへのこだわりに、何度訪れても惚れ惚れしてしまう。

ラーメンという表現方法において、間違いなく歴史の1ページを刻んでいるお店なのだ。

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【ANTCICADA】 2種のコオロギで出汁をとった「コオロギラーメン」とは?!

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昆虫食の魅力を伝える「ANTCICADA(アントシカダ)」で食べることができるのが、世界で初めてコオロギで出汁をとった「コオロギラーメン」だ。

2種の国産コオロギをブレンドした「コオロギ出汁」に、「コオロギ醤油」を使用したタレ、丸山製麺と共同開発した「コオロギ練り込み麺」、そして特製の「コオロギ香味油」と、食材としてのコオロギの魅力を最大限に楽しめるラーメンとなっている(トッピングのコオロギの有無は選択可能)。

まだまだゲテモノというイメージが強い虫たちだが、実はそれぞれ個性的で魅力に溢れた食材である。そんな食材としてのコオロギの魅力を、浅草橋の店舗を発信拠点に、日本、そして世界中に届けていくつもりだ。

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【熊公】 病みつきになる甘辛さ!ツンデレなオバちゃんがつくる、極上ジャージャー麺。

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続いて紹介するのは、ジャージャー麺。下町企業のオフィスと間違えてしまいそうな外観をくぐると、中には軽快に動き回るオバちゃんとその娘さん?が。ちょっとサバサバ気味に提供される一杯は、ボリュームたっぷりなちぢれ麺に、パンチの効いた濃いめの甘辛タレ、シャキシャキの野菜たちで、お腹がはちきれるほど大満足

口の中はヒリヒリ、お腹はパンパンな食後には、自家製の無糖コーヒーゼリーを出してくれるのだけど、これがまた美味しくて、オバちゃんの優しさをしんみり感じる。

都内でジャージャー麺を食べたくなったら絶対ここに行ってほしい。

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【福龍】 老舗「すみれ」で修行した店主が繰り出す、熱々の本格派札幌味噌ラーメン。

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札幌の名店「すみれ」出身の店主がつくる、本格的な札幌味噌ラーメン。黄土色の濃厚味噌に、ラードが厚く膜を張っていて、熱々でコクのあるスープが特徴的。麺は「浅草開化楼」の特製中太ちぢれ麺を使用していて、ゴワゴワな食感が、濃いめのスープと絡みあってかなり美味しい。

食べ終わる最後の最後まで冷めない、とにかく熱々なこのラーメンは、寒くなるこれからの季節にはぴったりだ。

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【麺処 ほん田】 行列必至。ラーメンの天才がつくる、日本一の醤油ラーメン?!

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ラーメン通で知らぬ人はいない「麺処 ほん田」の名。若くしてラーメン界のトップに躍り出た「ラーメンの天才」が、本店を東十条から秋葉原(浅草橋側)に移転させた。

本田さんは、5種類の醤油をブレンドしたタレや、ハマグリ等でとった出汁を駆使した至高の一杯で、日本一の醤油ラーメンを作りたいと言う。豚肩ロースと豚ロース、鶏モモと、3種類のお肉を異なる調理法で仕上げたチャーシューも、それぞれ違った味わいが楽しめて、本当に本当に美味しい。

ラーメン業界では昔から1000円の壁が存在するが、本田さんは「ラーメン=安い」という価値観を変えたいと、日々挑戦を続けている。これからのラーメンを語る上では、この人の名前は欠かせないのだ。

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【新福菜館秋葉原店】 京都ラーメンの超老舗。味わい深いブラック醤油ラーメンを都内で。

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冬の京都に行った際、「新福菜館」を目指す大行列の中でブルブル凍え震えていたのをよく覚えている。昭和13年に創業し、京都ラーメンの礎を築いたこのお店は、今なお圧倒的な人気を誇っている超老舗だ。

真っ黒な醤油ベースのスープに、京都の九条ネギがたっぷり入った、これぞ京都ラーメンという堂々ぶり。食べてみると意外とあっさり、けどしっかり深いコクもあって、なかなかクセになる味わい。

京の味を都内で食べられる、貴重なお店である。

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ちなみに、
この他にも浅草橋エリアから徒歩圏内の場所には、

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カラシビブームの立役者【鬼金棒神田本店】や、

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貝塩ラーメンの道を切り開いた【らーめん改】なども集結している。ラーメン店主たちから絶大な支持を得る「浅草開化楼」もご近所さんだ。

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いかがでしたか。

実は個性派揃いの浅草橋エリア。ここが「令和のラーメン激戦区」だということは納得してもらえたのではないだろうか。(物凄いお店たちの中に、自分のお店を並べてしまい恐れ多すぎますが、「浅草橋エリアを盛り上げるお店の1つになるんだ!」という覚悟も兼ねて、大変恐縮ながら紹介させていただきました・・・)

こうして見てみると、あらためて「世界のラーメン文化の発信源が浅草橋だ」というのは、あながち過言ではなさそうだ。

世界で大人気の「ラーメン」という料理。今後も時が経つほどに、世界中の人々のラーメンに対する理解や探究心はどんどん増していくだろう。海外でもあらゆるジャンルのラーメンにありつける日が来るのだろう。

ラーメンというジャパニーズフードでしかなかった時代から、喜多方ラーメン派や札幌味噌ラーメン派、ジロリアンが東南アジアにも当たり前に現れてくる時代に変わっていく。

そんな世界のラーメン文化をつくっていく発信源が、浅草橋のラーメン屋さんたちなのだ。「くろ㐂」の風光明媚なラーメンや「鬼金棒」のカラシビラーメンが、あるいは「ANTCICADA」のコオロギラーメンが、将来世界のスタンダードになっている日もそう遠くはないのかもしれない。

世界の中心は、ここにあったのだ。

天気がぽかぽかな日には、川沿いをお散歩するのも気持ち良い浅草橋。お休みの日なんかに、朝から晩まで浅草橋ラーメン食いだおれ旅なんかも楽しそうだな〜。


<出典>
・「一風堂」オープン告知画像:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000341.000015834.html
・浅草橋画像:
https://photohito.com/photo/7056620/?cid=icotto_presses
・「饗 くろ㐂」ラーメン画像:
https://motenashi-kuroki.info/item-detail/456507
・「熊公」ジャージャー麺画像:
https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131103/13022350/
・「麺処 ほん田」ラーメン画像:
http://www.nacord.com/magazine/20200715_honda.html
・「新福菜館」ラーメン画像:
http://blog.livedoor.jp/oze_6/archives/47056015.html
・「ラーメン改」ラーメン画像:
https://kosetan-ramen.hatenablog.com/entry/2018/03/27/170047

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