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ひと目で分かる、米国株の2018年の年間株価パフォーマンスのまとめ。

GAFAやSaaS、各セクター主要株などの株価パフォーマンスをパッとひと目で分かるようにしました。

世界大恐慌以来の相場において2番目に長かった強気相場、記録的な投資家の強気度合い(慢心)、ボラティリティ復活の1月末、そこからのFAANGの早期高値奪還と時価総額1兆ドル突破、テック株へのマネー流入、そして一時は月間-10%を叩き出す10月と、アノマリー崩しの12月の狼狽売り。

こんな感じで各セクターごとに見ていきますが(1日ずれているのは気にしない)、その前に全体像を。

このように8月末時点でNYダウ平均株価指数(米国を代表する企業30社の平均)とテック株比率の高いNASDAQとの乖離が大きかったのが、年末には差が大幅に縮小。

NASDAQとラッセル2000(米国小型株指数)が先行してピークアウトし、その後ダウとS&P500(米国の主要500社の株価指数)が追随し下落。

各セクターの年間パフォーマンスの視覚化。プラスの緑に対し、マイナスの赤色が目立つ。これだけピークから下げてもプラスだったMicrosoftとAmazonはさすがクラウドインフラでTOP2

ADR(米国以外の国で設立された企業が発行した株式を裏づけとして米国で発行される有価証券、つまり米国市場で売買できる中国株など)を見るとこれもけっこうボロボロ。バドワイザーで知られる世界最大のビール会社ABインベブが-41%なのか。さすが減配するだけある…

さて、その他よく話題にあがる企業を見てみよう。

炭鉱のカナリアNetflixはピークからかなり下げたがそれでも年初来ではプラスだった。NVIDIAはかなり個人投資家でも人気株だったように思えるが10月にピークアウトしている。むしろ半導体関連はわりと先に崩れている企業が多かったので耐えた方か。

決済周辺でみると人気の高い株であるVISAやMastercardは二桁パフォーマンスを維持。Twitterのジャック・ドーシーCEOがTwitterを追い出されていた時に創業したPOS・決済でマイクロカンパニー達をエンパワーメントしてきたSquareがさすがに連日BUYレーティングが続き買い煽られ疲れ(筆者体感)があったところでピークアウト。

PaypalもP2P送金アプリのVenmoが伸びていて面白いのだが、Venmo競合のSquareのCash Appも伸びているようで、ウォッチし続けたい。VISAもブロックチェーン周辺の動きに注目したい。

さて、その他テック企業のグロース株を見ていく

レッドハットはIBMに買収された。全体的に崩れたままあまり戻ってない。

というわけで、主要SaaS企業を見ていこう。

さすがこのあたりのSaaSはしっかりしている。時価総額でいえばAdobeとSalesforceの2強

つづいて他のSaaSを見ていこう。

2018年にIPOしたZuoraとDocusignは崩れたまま。同様に昨年上場のファイル共有サービスのDropboxは同業のBoxと共に下落トレンド。

もうちょっとだけSaaSを見ていこう。このnoteでは今後もSaaSは重点的にウォッチしていく。

Apptio(IT支出最適化SaaS)とMindbody(ヨガサロン向けバーティカルSaaS)は時価総額的な手頃感もあってか共にVista Equity Partnersに買収されている。メール配信SaaSのSendGridTwilio(電話やSMS機能をサービスに簡単に組み込むことができるSaaS)に買収された。

さて、生活必需品セクターを見ていこう。

金利高もあり5月はP&Gなど日用品など生活必需品企業の株価が下げた。が、その後反転。一方、マコーミックなどスパイスはともかくクラフトやハーゲンダッツでおなじみのゼネラル・ミルズなど食品大手企業の株価は下落したままだ。

ディフェンシブセクターつながりで公益事業セクターもチェックする。

カリフォルニアの山火事で株価が大変なことになっている電力会社PG&Eは除外した。右下2社は水道株だがアクアアメリカが下落しているのは民間水道会社だったのに同地域のガス会社を買収して下落。一方で電力会社だったのに水道会社を買収したエバーソースエナジーの株価はいい感じになっている。再生可能エネルギー大手のネクステラエナジーなど基本的には安定している。が、この下落相場で不安になった人たちのマネーが流入し、割安感はなくなって12月は下落した。

こういった不安定な相場では比較的安定していたタバコ株のはずだったが崩れたままだ。

そもそも業界として不透明感があり、IQOS(フィリップモリス/アルトリア)やglo(BAT)などの加熱式タバコへのターンアラウンドの中で、電子タバコでJUULという新興勢力がまさかの巨大化し、アルトリアやBATの電子タバコを駆逐し、白旗をあげたアルトリアが自社プロダクトの販売をやめてまでJUULに出資している。

小売セクターを見ていこう。

Amazonに対抗してインドEC大手Flipkartを買収しインドでもAmazonと正面衝突しているウォルマートは積極的にIT投資、ECをガンガン買収している。ターゲットもギグ・エコノミータイプの宅配代行サービスのShiptを買収し、Amazonパントリーのパクりのようなサービスや、無料配送でAmazonにキャッチアップしようとしている。小売セクターも本noteでは幅広くカバーしていく予定なのでこの辺で。

軍需など防衛関連企業はあまり細かいこというとおっと誰か来たようだになりそうなので自重。

トランプが大統領になる前の発言をたどるとヒントがあると思う。

製薬企業はやはりジョンソン・エンド・ジョンソンの動きが興味深かった。

ファイザーやメルク、イーラリリリーは2018年は良いパフォーマンスだった。

医療機器などその他ヘルスケアセクターを見ていこう。

遺伝子解析大手イルミナや手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」のインテュイティヴ・サージカルなどウォッチ対象として面白い企業が多い。

金融セクターは大手はともかく米銀の多くがトランプ相場全戻しだった。

ダウ構成企業でもあるゴールドマン・サックスが色々アレで崩れたり。

鉄道・トラック企業も10月から崩れている。

だんだんざっくりになってきて申し訳ない。いずれ全部カバーするし。その時に細かいことはふれていく。

その他ダウ構成企業の一部をチェック。

バフェットがぶん投げたIBMだが、その後レッドハットを買収したことが話題に。株価は下げている。シクリカルのキャタピラーも戻してない。

最後に中国ADRをみていこう。

だいたいひどいことになってる。中国のNetflixことiQIYIの株価チャートのタワー感ひどい。

というわけで中旬から決算シーズンが本格化していきます。市場の興味深い動きや世界の経済動向、ビジネスでも役に立ちそうな情報、決算をベースとした企業動向など2019年もよくばりボディで頑張っていきますのでよろしくお願いします。

——— ✂ ——— おわり ——— ✂ ———

Oisixのミールキット(レシピ付き食材キット)試してるんですが、いいですね。米国だとミールキット専業企業減速してるけど、日本はスーパーからの圧が米国ほどじゃないから今後のスーパーの動きが興味深いですね。

<筆者の詳細>
ミニマム連続起業家・投資家の「決算マン」

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