黒田悟

アメリカの四年制の大学を卒業後、普通に日本で働いている、少し考えすぎることのある普通の…

黒田悟

アメリカの四年制の大学を卒業後、普通に日本で働いている、少し考えすぎることのある普通の日本人です。とりあえずアメリカで過ごした日々について書いてます

最近の記事

価値観の違いで消耗した時の為の確認書

購入前に前書き  こんにちは。黒田 悟です。普段はアメリカ留学中に体験したエピソードをエッセイにして投稿しています。今回、有料で公開させていただく文章は、こちら(無料)↓ に書いたアメリカ留学中に会ったドイツ人との価値観の違いで消耗したときに書いた、僕自身に向けた価値観の違う人と衝突したときに読む指南書となります。この出来事以降、価値観の違いで苦しんだ時に、自分が正しいのか間違っているのかわからなくなったときに度々読み返してきたもので、自分の中で大事なものになります。

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    • 続・続・大学二年の夏休み(アメリカ留学#14)

       マックス(ドイツ人のシェアメイト)と喧嘩した。積もり積もった不満が爆発した結果だった。  マックスは大学3年生で、同じビジネス専攻だった。彼の英語はチャイ(インド人のシェアメイト)と同様に流暢で、同じ留学生として尊敬に値する英語力だった。当時の僕の英語力はまだまだで、授業の内容は理解することはできたが、スピーキングとなるとネイティブに大きな遅れをとっていた。だからといって腐っていては仕方がないので、開き直ってわからないものは正直にわからないと言うようにしていた。「小中高と

      • 続・大学二年の夏休み(アメリカ留学#13)

         チャイ(インド人のシェアメイト)と喧嘩した。夏休みが始まって大体一ヶ月ほど経った頃だ。事の発端は彼が予定を変更しようとしたことだった。大麻好きのシェアメイトYが、寮内で大麻を楽しんでいたことが大学側にバレて退去させられた後、残された僕、チャイ、そしてマックス(ドイツ人のシェアメイト)は交流を深め、近々お酒でも一緒に飲もうと計画していた。僕は授業もバイトもないので、いつでもフリーだったが、チャイは夏期講習があり、マックスはインターンシップ(何処で働いていたかは忘れた)があった

        • 大学二年の夏休み(アメリカ留学#12)

           留学開始から一年が経った。無事二学期の授業を修了した僕は、約三か月もある長期夏季休暇を日本ではなく、アメリカで過ごすことにした。これは夏休みを利用して、アメリカ内を旅行するだとか、アメリカでバイトや夏期講習を受けるためだとかが目的の滞在ではなく、ひとえに英語力向上のためだった。    理想とはかけ離れていたが、僕の英語力はそれなりに向上していた。環境への慣れもあったかもしれないが、渡米当初に比べて、大分英語が聞き取れるようになってきていたし、返答もいくらかスムーズになってい

        価値観の違いで消耗した時の為の確認書

          留学はやっぱりストレスたまる(アメリカ留学#11)

           留学を始めてから一年たたない頃は、日々ストレスを強く感じていた。なんていうか自分の居場所はここではないのではないか?という思いが漫然としてあったからだ。異国の地で、大学にいるアジア人は全体のおよそ5パーセント。白人、ヒスパニック系、黒人の順に割合は大きい。彼らと見た目が違う。単純なその違いが異物混入感を僕に抱かせた。  僕は別に見た目の美醜について言っているわけではない。アメリカにも当たり前だが見た目がいい人もいるし、そうでない人もいる。だが共通して醸し出す独特な雰囲気が

          留学はやっぱりストレスたまる(アメリカ留学#11)

          最高のプレゼンテーション(アメリカ留学#10)

           これは完全に僕の経験なので、他とは違う可能性を否めないが、アメリカはやたら授業でプレゼンテーションをさせる。僕の専攻がビジネスだったので、それも影響しているのかもしれないが、授業によっては二週間に一回のペースでグループワークをさせたり、発表させたりする。  当然、現地の学生と第二言語でそのトピックについてディスカッションしなければならない。そしてそれは想像以上に僕にとってしんどいことだった。この発表を伴うグループワークのことについては、後でまとめて書こうと思っているので今

          最高のプレゼンテーション(アメリカ留学#10)

          アメリカのカルチャーギャップ(挨拶編)

           アメリカに留学してすぐに感じたギャップの一つとして挨拶がある。ここでいう挨拶は初対面のあいさつではなく、見知らぬ人と道ですれ違う時のあいさつのことだ。日本では見知らぬ人とすれ違う時、会釈するのが基本だろう。人によっては「こんにちは」と言葉を足すかもしれない。しかしアメリカではー全くないとは言わないがー会釈はしない。代わりに彼らは顎をクイッとあげる。  運動で言えば全く逆で、こちらが頭を下げるとき、彼らは頭を上げる。こちらが下を向くとき、彼らは上を向く。ほんの些細な違いだが

          アメリカのカルチャーギャップ(挨拶編)

          最初の学期を終えて(アメリカ留学#9)

           留学を初めて約半年、僕は大学で初めての学期を終えていた。教室で隣になった人に話しかける、「お隣いいですか作戦」は大方成功したが、それでも友達を作るに至らなかったのが悲しい現実だった。理由は単純に英語力とコミュニケーション能力不足だろう。英語で会話を盛り上げるのは非常に難しくて、相手が気を使っているのを見ていると、申し訳ない気持ちになった。何か共通の話題や趣味があれば友達はできたと思う。例えばバスケやサッカーなどが趣味だったら一緒にプレイすることができたから、英語力が低くても

          最初の学期を終えて(アメリカ留学#9)

          「I can't speak English」と言うのをやめた(アメリカ留学#8)

           僕がアカウンティングの授業で笑いを起こそうと挑戦した時、静まり返る教室で、唯一笑みを浮かべた男D。互いに初対面の挨拶を終えた後、特に何事もなく別れたそんな彼との再会は、想像以上に早かった。  アカウンティングの授業の翌日、僕はスペイン語の授業に出ていた。どうやらアメリカの大学では(日本もそうかもしれないが)、外国語の授業が必修科目からしい。しかし僕は日本人、つまり外国人なのでそのルールは適用されないと事前に説明を受けていた。ではなぜスペイン語の授業をとっているのか。それは

          「I can't speak English」と言うのをやめた(アメリカ留学#8)

          英語で笑いをとってみよう(アメリカ留学#7)

           会話には笑いが必要だ。それがたとえ愛想笑いだろうと、笑いを生み出す原因を作り出さなくては、会話は盛り上がらない。不幸話や真剣な話は例外だし、ある程度仲の良い友人同士の会話ならば無理に笑いを生み出す必要はないだろう。しかしそれが仲良くなりたて、もしくは初対面だとしたら、笑いを取ることに意味はある。少なくとも僕はそう信じている。  大学初日、最初の授業を終えた僕はその余韻に浸ることもないまま、すぐに次の授業へと向かう。次の授業はアカウンティングの授業。僕の専攻であるビジネスに

          英語で笑いをとってみよう(アメリカ留学#7)

          アメリカ人だって同じ人間だ(アメリカ留学#6)

           長かった夏期講習を終え、僕はついに大学一年生となった。大学のルールで一年生が住む寮は決められていたので、夏の間過ごした寮から引っ越しすることとなった。キャンパス内の寮から寮へと移動するだけとはいえ、キャンパスはものすごく広い(調べたら東京ドーム117個分もあった)ので、端から端へと移動するわけではないが、なかなか大変だった。こんな時普通は車で行う引っ越しであるが、残念ながら僕は徒歩で断行した。キャリーバックにアメリカに来た時と同じものを詰め込み、可能な限りごみ袋にものを詰め

          アメリカ人だって同じ人間だ(アメリカ留学#6)

          「じゃあ、何でアメリカに来たの?」(アメリカ留学#5)

           留学開始から一か月ほどたち、ようやく体がアメリカに順応し始めたころ、僕に人生で初めてルームメイトが出来た。フランスから来た青年で、名前はルーカス(仮名)。ベトナムから来たナムさんと似たような感じで、まだ高校生だという。  僕の身長は日本人の平均よりちょい高いくらいだが、彼の身長はそれよりも高い。すらっと長い手足に、きりっとした目元。ひげなんかもうっすら生えてたりして、どう見ても年下には見えない。これは彼がフランス、それもパリ出身という先入観からかもしれないが、どこか洗練さ

          「じゃあ、何でアメリカに来たの?」(アメリカ留学#5)

          日本人は変態ではない(アメリカ留学#4)

           夏期講習が始まった。教師はれっきとしたアメリカ人だが、内容は中学・高校レベルの英語の授業だ。当然日本語は扱わないため、日本の英語の授業と比べると高度だといえるかもしれないが、そこまで大きな違いはない。軽く文法をやったり、スピーチの練習をしたり、たまにアメリカの歴史について学んだりした。  生徒は僕一人というわけではなくて、驚いたが、日本人の女性が二人、中華系ベトナム人女性が一人、そして中国人男性が一人という構成だった。日本人女性二人は日本の大学に通う普通の大学生で、ベトナ

          日本人は変態ではない(アメリカ留学#4)

          救世主ベン(アメリカ留学#3)

           大学について、関係者と諸々の挨拶を終えて、僕はエドワードにこれから二か月ほど住むことになる寮へと案内された。言い忘れていたが、これは六月の出来事で、大学は夏季休暇中だった。そのため学生を含むほとんどの人がいない。本来なら学期が始まる九月ごろに入学が一般的だが、僕は六月から八月にかけてサマースクール、いわゆる夏期講習を受けるために一般よりも早く大学に来ていた。理由は単純、僕の英語力が入学基準に達していないからだ。  入学するにあたってIELTSという英検のような、というとあ

          救世主ベン(アメリカ留学#3)

          初めてのレストラン(アメリカ留学#2)

           エドワードとのドライブが終わりに近づき、僕の視界には、その後四年間幾度となく訪れる事になる大学の近所の光景が映っていた。日用品から、食品の買い物に使うことになるスーパーマーケット、好みのセンスじゃないけど近いからという理由でお世話になる服屋や理髪店。客が少なくてゆったりと観れる映画館。たまに一人で考え事をしたいときに行くカフェなど、あらゆるジャンルの店が一区画に集っている場所が大学の近くにあった。 「お腹すかないか?」  そうエドワードに尋ねられて、そういえば(乗り物酔

          初めてのレストラン(アメリカ留学#2)

          リアクションのボキャブラリー(アメリカ留学#1)

           アメリカに降り立ち、初めて会ったアメリカ人は事前に大学にお願いして(別途料金発生)空港まで迎えに来てもらった、エドワード(仮名)だった。彼も元々はこれから僕が通うことになる大学の生徒で、卒業後僕のような外国からの留学生をサポートするバイトを大学で行っていた。ヒスパニック系の青年で、当時は日本人以外の人を見慣れてなかったので、実年齢より老けて見えて、やけに大人びて映った。空港の出入り口付近で大学のロゴを抱えていたので、約16時間という長いフライトを終えたばかりで疲れていた僕の

          リアクションのボキャブラリー(アメリカ留学#1)