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詩(3) 夏は滑走路のごとく

夏。
まるで日光で熱せられたアスファルトのごとく、熱を帯びる。

それは、
かき氷をガリガリ。
冷麦をスルスル。
すいかをシャリシャリ。

それは、
夏草の香り。
汗の匂い。
汗と整髪料が混ざった香り。

それは、
アブラゼミ。
冷房の機械音。
アブラゼミの最期の一音をかき消す音。

それは、
浴衣。
生足にサンダル。
浴衣が擦れる感触。

それは、
花火。
一瞬見える鎖骨を汗がなぞっていく。
屋台で買った水風船が爆ぜる。

まだまだ夏は停滞している。
飛行機が滑走路を飛び立つごとく、熱風が舞う。

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