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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1444.弟子取り


 仕方があるまい、一旦早送りした観察を巻き戻して確認してみよう。
 気になってたまらないし超倍速で再生すれば、そう長くは掛からんだろう。

 では一旦失礼して……

 ……………………

 迎えたレイブは満面の良ーい笑顔だ。

「ああ、こちらこそよろしく頼むな! 疲れてないかな? お嬢さん方?」

 なるほど…… 結論から言おう、彼等、もとい、彼女たちは一般人ではなくチンパンジーの獣人だ。
 一緒に行動しているのはオランウータンとゴリラの類人猿仲間だったらしい。
 少し小柄で女性っぽくも見えない事もない数人はピグミーチンパンジー、所謂いわゆるボノボちゃん達だったようだ。

 顔と手足、尻尾だけが獣っぽい獣人では一見しただけで見極めるのは確かに困難である。
 ましてや顔色や耳以外が普通のニンゲンだったりすれば判別はほぼ不可能だ。
 揃っておっさんぽい貫禄? みたいな物も纏っているし…… こりゃ間違っても仕方無い。

 しっかりと注意深く見れば、胸の辺りが本気のドラミング向きでないとか、ニンゲンにしては汚れを知らぬ真っ直ぐな瞳のつぶらさとか、やけに両腕が前に出てんな? だとかで気が付くかも知れないがパッと見とかじゃ無理だろう。

 実際バイコーン戦後に里を捨てる決断が下った会議の席で、レイブは堂々とした声を張り上げて提案したのである。

 曰く、

「竜達の窮乏はそのままお前等獣人の利益にする事が出来るんだ! 俺が教えてやるからこの里所属の魔術師を誕生させれば良いっ! 幸いこの商売は超売り手市場なんだぞ? 何しろいなきゃ滅んじまうんだからな! 所謂いわゆるぼろ儲けだって夢じゃないっ!」

 煽情的な言葉には幹部連が返した。
 一体誰がその任を負えるだろうか、と。

 答えたレイブの声はこうだ。

「おっさんが居ただろ! 皺っぽくて頭が薄いおっさんがっ! あいつ等ならピッタリじゃないか? おっ! 後ろにいるじゃんっ! おっさんお前だよ♪ そんな所に隠れていないでさ、ちょっと前に出て来いってぇっ♪」

 ザワザワっ

「え、え? あ、アタシ? ですか?」

「そうだよ、お前以外におっさんなんて居ないだろ! 禿げ散らかしてるんだし今更格好つける様な顔じゃないだろ? ほら早く来いよ、おっさーんっ!」

 レイブの隣からガトが小声で囁いた。

「レイブ…… あの子ってチンパンジーの獣人よ? それに、まだ若い娘さんみたいなんだけど?」

「え、嘘? え……」



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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