【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章リベルタドーレス ~解放者たち~1452.呼び掛ける声
『下にー下にー、はい、到着っと』
ペトラのわざとらしい明るく弾んだ声が終りを告げると、周囲の色彩も同時に光を取り戻していた。
数秒遅れで到着したレイブ達の目の前には林の外の湿地とはまるで違う清廉な泉が美しい水を湛えている。
一見して、ここまでのトレントの林とは趣を違えた美しく荘厳な古木に囲まれた泉の姿は、これまでの人生でレイブが見たどんな池や湖よりも不可思議な神秘に溢れていたのだ