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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1445.取り柄


 こんなやり取り…… 普通ならパニクってワタオロ状態、結局平謝りでお茶を濁す位しか打つ手は無いだろう……

 しかし、そこは言葉の瞬発力と屁理屈を多用した誤魔化しに定評しかないレイブの事である。
 ましてやこの時には、不規則使用の金属板が降ろしていた謎のとばりによる精神錯乱から解放されていたのだ。
 堂々と悪びれる事無く、赤子の手を引き千切り始めたのである。

 曰く、

「おっさん? 何だそれ? 俺が言ってんのはオーサム! AWESOMEだぜ? 素晴らしい、とか、クールだぜ、とか、もうっ最高っ、なんて時に言うだろ? オーサムなオーサム!」

だとか、

「オポッサムって野獣も滅茶苦茶カワイイんだぜ? 有袋類だけどな! 恐らく語源はあの娘みたいにカワイイって意味から来てるんじゃね? きっとそうだよー」

「か、カワイイ?」(ポッ)

だとか、

「ポッサムって料理もあるみたいだぜ? 豚肉の包み料理だったかな? 君みたいに素敵な女性ならペトラやダダ坊の肉なんかいらないけどねー♪ そのままで充分美味しく頂けちゃうもんなっ♪」

「えー、やっだー♪」(ポポポッ)

とかやって煙に巻いたのである、元気になって本当に良かった。

 こうして失礼な発言を誤魔化したレイブであったが、その場で他の類人猿も一緒に習う様に頼み込む事も忘れていなかった。

 理由はここまでの流れ的に、二人きりになったら口説かざる得なくなってしまった事と、万が一逆に襲い掛かられでもした場合、命のやり取りまで発展しそうな彼女の膂力りょりょくに気が付いてしまったからである。
 具体的には照れ臭そうに身をよじっている彼女の足元で、破壊不可能な筈の魔石が粉々に砕け散る様を目撃したことであった。

 戦いを避けたレイブは決して臆病だった訳ではない、今では無い、達観した倫理観と冷静な戦力分析能力によってそう判断したに過ぎない。
 そんな感じで霊長類、類人猿で別名ヒトニザル御一行様(全員年頃の♀)が揃って魔術師修行に入った、という訳だったのである。

 多少苦しい言い訳と場当たり的な誤魔化しから始まった学び舎編ではあったものの、これが意外な成果を見せ始めている事には正直驚くしかない。
 魔解施術すら受けていない素のまま生のままのなんちゃって授業で、エイプ達は誰一人想像だにしなかった結果を残したのだ。

 それは、粉薬のユーカーキラー(ギレスラの鱗を使った為只の作業手順の確認)も、強壮剤になるアキザーキラー(パダンパとダソス・ダロスの血液で正規品作成まで確認済み)、ニンゲンとドラゴン、豚猪には無害なオヤツ、しかしモンスターには致死性の毒としても使えるタンバーキラー(バイコーンの魔石とムスペルホームセンターの奴を豚猪二頭が充填してエイプが加工し確認後、皆で美味しく頂きました)まで、滞りなく作り上げてしまったのである。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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