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アンソロジーはテーマが命

アンソロジーの元となる作品リストが渡された。174作品の中からテーマとなるものを選ぶとのこと。さすが芥川龍之介。23作品載っていて堂々の第1位なのだった。だが、しかし。ほとんどの文学作品を読んだことがない。作家は知っていても短編小説は未知の世界。いったいどうやって選べばよいのだろう。せめてもあらすじぐらいあれば。しかし、その場でいくつかの作品を選ばなければならなかった。うーんと無音の唸り声をあげ、腕組みして天井を見上げた。しばらくすると、名案ではないだろうが最適解が見つかった。そうだ、仮のテーマを設定して小説の題名からそれに類する作品を選らんでみたら。まずはテーマだ。なにがいいだろう。最近、畑づくりに精を出しているので「食」がいいかもしれない。どんなに作品が古いものでも食べ物をモチーフにしたものは必ずあるはず。リストを眺めると、早速、芥川龍之介の「蜜柑」が見つかる。同様に、岡本かの子の「鮨」と梶井基次郎の「檸檬」がすぐに目に入った。ただし、食べ物の題名はここで終わり。苦し紛れに次点として、井伏鱒二の「鯉」と中島敦の「鶏」、詩歌の作品だが水野葵似の「牛肉とエリンギの炒め物」を候補に入れる。さて、各々はどんな内容の作品なのだろう。アンソロジーを編む。ささやかながらようやく出発点に立ったのだ。

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