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資本業務提携の報告とこれからのこと

こんにちは。
レイヤードの代表の毛塚です。
本日、メディカル・データ・ビジョンとの資本業務提携、およびメディパルホールディングス、FFGベンチャービジネスパートナーズとの資本提携を発表させてもらいました。

レイヤードは創業25年目の会社ですが、今回初めての資本提携(資金調達)となります。

思えば、2021年の後半ぐらいから調達に向けて動き始めてから完了するまでおよそ1年以上かかってしまいました。私自身今まで調達経験も無ければ、資金調達になれたCFOがいるわけでもない中で手探りで進めて来ましたが、こうやってやっと報告ができるところまできて、まずはホッとしてます。

今日は、今回の資本提携に至るまでの経緯や、これからレイヤードが目指していきたいことについて私の思いを書き留めておきたいと思います。

資金調達の理由

レイヤードは1998年に医療向けデジタルサイネージの事業で創業し、いまはWEB問診やクリニック向けIVR、PRMツール(医療版CRM)など多数のプロダクトをクリニック向けに展開しています。

おかげさまで、いまでは約3,000以上の医療機関で弊社サービスを利用いただき、総アカウント数は合計4,000を超えました。
特にコロナ禍以降の2年ぐらいは事業スピードも上がってきて、毎年の導入数も増え、かつ年に1つ以上は新しいプロダクトをリリースしています。

私達は基本的には医療向けのVertical SaaSのビジネスです。SaaSビジネスは最初にプロダクトの開発やカスタマーサクセスの体制構築のための投資が先行します。
今までは、既存事業からの収益を次の新事業に投資する形でコツコツと積み上げて来ました。でもこの数年のヘルステック・医療DX領域の盛り上がりや、大型調達をする競合の出現とともに、自分たちも少しずつ大きな領域にチャレンジできるようになってきて、更にステップアップするためにしばらく赤字を許容してでも投資規模を増やす選択をすることにしました。

三社との資本提携を選択した理由

今回の資本提携では、資金面での援助ももちろんあるのですが、それ以上に私達がこれから進めていきたいビジネスを一緒に支援してもらえるパートナーと組みたいと思っていろいろと動いてきました。

メディカル・データ・ビジョン

メディカル・データ・ビジョン(MDV)はDPC対象病院の4割以上を顧客に持つとともに、医療データ利活用のリーディングカンパニーです。
私達のWEB問診Symviewは今までクリニック向けに展開していましたが、今後は病院での活用も広げて行きたく、MDVと共同で病院DXに取り組んで行きたいと思っています。また将来的にはMDVの持つ医療データ利活用のノウハウを貸してもらいながら、私達の持つ問診データ等の医療データの利活用にも取り組んで行きたいと思っています。

メディパルホールディングス

メディパルホールディングスは日本最大の医薬卸グループです。全国のクリニックに販路を持つとともに「デジタルを活用したビジネス基盤の強化」を成長戦略に据えています。メディパルと協力しながら全国のクリニックのDX化を支援できる体制を作るとともに、私達のプロダクトの一層の拡販に取り組んでいきたいと思っています。

FFGベンチャービジネスパートナーズ

ふくおかフィナンシャルグループは九州を地盤とした地銀トップのグループです。レイヤードも創業以来福岡を本社としてきて、地方創生も私達にとっては一つ重要なテーマです。FFGと一緒に福岡を盛り上げていきたいと思っていますし、福岡の会社って元気だよねと東京から注目される未来を一緒に作っていきたいと思っています。

調達で感じたこと

調達環境が冷え切っている中での調達でしたが、正直、初めての調達だったので、これが大変だったのかはよくわからないです。1年もかかったのは、大変だったというよりも、どちらかというと私自身が悩んだことで周りに迷惑をかけたり待たせてしまったことのほうが多かった気がします。

最初は知人にいろんなVCを紹介してもらって話したのですが、VC業界の常識とかが全然わからなくて苦労しました。途中で連絡帰ってこなくなったり、会ったことものないのにおたくは一度検討したからと言われたり(どこか他社と勘違いされたのか…)。もちろんすごく真摯に丁寧に対応頂いたVCの方も大勢いらっしゃいます。いまでも何が正解なのかはよくわかってないです。VCのスタンスとしては(VCによって違いはあると思いますが)実現可能性は低くても当たればムーンショットになる会社を探していて、私達はむしろ事業を長くやってるがゆえに現実的な事業計画になってしまって、VCとしては面白くないと何回も言われました。

それなりに事業トラクションもあり、着実に数字を積み上げてきたこの会社よりも、なんの実績もないのに事業計画だけはヤンチャな(でも実現可能性はかなり怪しい)スタートアップのほうが高いバリュエーション(企業価値)がつくことに今でも忸怩たる思いもありますが、結果としていまはこれでいいんだと思ってます。
私達は医療の領域で、かつ保険診療の領域でビジネスをしていて、全国のクリニックにプロダクトを提供して、それを使ってくれている多くの患者がいる。
だから私達が一番大事にするべきなのは会社・サービスの持続可能性だと思ってます。もちろんストレッチはするけど、ちゃんと持続可能性を担保した上でのストレッチであるべきだし、チャレンジしたけどうまく行かなかったから仕方ないよね、とサービス終了したりたくさんの人に迷惑をかけることだけは絶対にあってはならないと思ってます。

ということで、途中から医療の領域の難しさや大事にすべきことを理解してくれて応援してくれる事業会社を中心としたパートナー探しに切り替えることとなり、結果として時間がかかってしまいました。
でも、時間をかけたことで、改めて自分たちが何を大事にするのかを考えるきっかけになってよかったと思ってます。よく資本だけは後戻りできないと言われるので。

これからのこと

こういう考え方は古いのかもしれないのですが、エクイティであろうが私の中では借金だと思ってます。
起業の失敗大全という本の中でも、起業の失敗として下記と定義されています。

ベンチャーの失敗とは、初期の投資家が投資した金額以上の資金を回収できなかった場合、あるいは今後も回収できない(回収の可能性が低い)場合を指します。

「起業の失敗大全」トム・アイゼンマン著 

今回投資してもらったからには、事業シナジーでも貢献しつつ、しっかりと投資した金額の何倍にもして返せるようにするのが、社長として絶対守るべき責務だと思ってます。うまくいかなかったけどナイストライ、なんて言葉では絶対に終わらせない。
そして何よりも、投資されたお金を使ってちゃんと事業とサービスを成長させて、医療機関と生活者にいまよりもっと良いサービスを届けること。結果として収益が上がって従業員の給料も上がること。
そのためにも今まで以上に1円を大事にしないといけない。人のお金を預かるというのはそういうことだと思ってます。

今回、レイヤードの事業に魅力を感じて社内を協力に推進してもらったMDVの中村さん、応援頂いた岩崎社長、こんな小さな会社のオフィスに来社頂き期待を寄せて頂いたメディパル渡辺社長、短い期間で社内を推進頂いた依田専務はじめ佐藤さん、田中さん、可能性を感じて最初から最後まで伴走頂いたFFGの太田さん、本当にありがとうございました。

ちゃんと結果をだして、数年先には「あのときのレイヤードに投資をしたのは素晴らしかったね」と言われるよう、メンバー一同頑張っていきたいと思いますので、これからもぜひ一緒に伴走をよろしくお願いいたします。

そして、かかりつけ医の推進をやってるレイヤードの事業や、調達してこれから新しいチャレンジをするレイヤードのことを少しでも面白いと感じてもらえるならば、ぜひとも一緒にチャレンジする人をお待ちしております。

これからのレイヤードも、変わらずワクワクしてもらえるような仕事をしていきたいと思ってます。

2023年1月16日
レイヤード 代表取締役 毛塚 牧人



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