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バランスや柔軟性が転倒を予防する

転倒が起こる原因は、つまずいたり、よろけたりすることです。この背景には、年齢を重ねるごとにバランス感覚や柔軟性が低下していくという要因が関わっています。

【バランス感覚を向上させるための方法】


バランス感覚は、耳や脳、視覚、皮膚感覚、自律神経などの様々な要素が相互に複雑に絡み合っています。これらを個別に鍛えることはできませんが、バランスを改善し転倒予防につなげる簡単なエクササイズが存在します。それは、先にご紹介した「目を開いたまま片足立ち」を繰り返し行うことです。

通常、バランス障害のテストでは、目を開いたまま片足立ちは15秒以上が目標とされていますが、バランス感覚を向上させるためには、1分以上続けることを目指しましょう。膝の力を抜いて、左右交互に2~3回ずつを朝夕2回行い、少しずつ時間を延ばしていきます。バランスが崩れる場合は、壁などに手を軽くついても構いません。

もし目を開いたまま片足立ちができるようになったら、次に目を閉じて片足立ちのトレーニングを行います。同様に、15秒、30秒といった目標を目指しつつ、バランス感覚を向上させていきます。

【柔軟性を高めるための方法】



関節や筋肉の柔軟性が低下すると、身体のバランスを崩しやすくなり、また転倒時のダメージも大きくなる可能性があります。特に股関節や膝関節の柔軟性が損なわれると、転倒や骨折のリスクが高まるため、ストレッチ運動を取り入れて予防しましょう。

簡単なストレッチとして、仰向けに寝た状態から片足を曲げて膝を胸の方にゆっくり引き上げる運動があります。両手で膝を抱えるようにして胸に引き寄せ、3秒間キープした後、足を伸ばして元の状態に戻ります(呼吸を止めずに静かに呼吸)。左右の足を交互に、5回繰り返すことを習慣にしましょう(朝夕2回)。

相撲の「シコ」の姿勢も、効果的なストレッチ方法です。足を広げて立ち(足先は外に向け)、手を膝に添えながら膝を両側に広げて徐々に腰を下げます。腰を膝と同じ高さまで下げたら、その姿勢を3~5秒間キープし、足を伸ばして元の姿勢に戻ります(呼吸を止めずに静かに呼吸)。この運動はストレッチだけでなく、太ももの筋肉を強化するのに役立ちますが、足腰に負担がかかるので過剰に行わないように注意し、最初は5回程度から始めましょう。

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