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嵐の映画を見に行かないか? 【Anniversary Tour 5×20 FILM"Record of Memories"】

映画『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM"Record of Memories"』が絶賛上映中だ。

現場に行った人にも行かなかった人にも、ファンにもそうでない人にもおすすめできると思うので、今回は、自分はファンってわけじゃないよ、嵐に詳しくないよ、という人がこの映画を見に行くことのメリットをしたためていこうと思う。

実際、私もコンサート未経験の人を連れて行ったので一応はその反応を見た経験に基づいて書く。結論から言うと、こんなチャンスはないから気になるなら行った方がいい。


・気兼ねない

これに尽きる(いや尽きてはいけない)。ファンというわけではない、もしくは初めて行くアーティストのライブについて、1番不安なのは「どう振る舞えば良いのかわからない」ということだと思う。

今回の映画は本当に「映画」なので、声を上げたりペンライトを振ったりすることはできない。これは逆に、そういったお作法を知らなくても過ごせるということでもある。全員が後方彼氏面でじっくりと眺めることができるのだ。

ファンである私自身も、自室のテレビサイズはともかく、あんなに現場に近い音量と画面サイズの映像を見ながらじっっっ……としている経験はなかったのだが、これがけっこう良かった。こういうコンサートの鑑賞法もアリだ。

そういう意味では、気にはなるけどちょっと躊躇していたという男性にも良いチャンスかもしれない。実際、映画館には私が入った回には思ったより男性がいた。本編でも櫻井翔はちゃんと現場の男性陣にコーレスの機会を設けてくれるので安心していい。

加えて、ベスト盤のライブなので、基本的に認知度が高くキャッチーな曲しか出てこない。おそらく知らない確率の高い曲(ベスト盤収録外など)が3、4曲あるにはあるが、いわゆるグループの自己紹介ソングのようなものなどなので、ほう、こういうのもあるのか!と思っているうちに終わるだろう。

さらに、MCと最後の挨拶はカットされている。ぼんやりする間も内輪ノリの疎外感を感じる間もないまま3時間駆け抜けるのだ。

また、嵐のナマのコンサートといえば、本来購入難易度日本一レベルのプレミアチケットだ。ファンクラブ会員の友人に誘われただけの自分が1席埋めるのか…と気後れしてしまう人も多かったと思う。というか、私も最初はその一人だった。今回は映画なのでそんなことは気にしなくていい。むしろ見てくれた方がオタクはうれしい(主語がでかいのは許してほしい)。

正直、こんな形があれば見てみたいアイドルやアーティストのライブ、いっぱいある……と思う。このご時勢による配信ライブの増加は、ちょっと気になるけど今まで足を運べていなかったアーティストやお笑い芸人などの現場を気軽に楽しめるという側面もあった。今回はその豪華版だ、というような認識でいても良いのではないだろうか。


・音が大きい

貴方はここしばらくの間、バカでかい音楽を聴いたことがあるだろうか。辛気臭い世の中、時にはでかい音で音楽を浴び、音圧を感じるのはなんだか血液が巡るような気がして健康に良い。

映画館ならなんだって大きい音がするじゃないかと思うかもしれないが、あれは元々小さい音を映画としてでかく再生しているに過ぎない。この映画はライブなので、爆音で聞くために作られた音楽を爆音として聞くことになるのだ。この興奮は代えがたい。


・景気がいい

辛気臭い以下略、景気がいいものを眺めるのも健康にいい。5万2千人が幸せそうにしており、ハッピーで前向きな音楽が流れ、光がキラキラピカピカしている。なんか花火とか炎とかもバンバン焚かれている。なんだか素敵なキラキラした服を着たかっこいい人たちが踊っている。だいたい竜宮城みたいなものですね。

加えて、エンドロールではライブそのものと映画に携わった人たちの名前が流れるので、それをじっくりと眺めるのも一興だ。私は嵐のコンサートを見るといつも”人間の可能性”みたいなものを感じる。この空間を作るのは歌っている彼らだけではない。様々な人が様々に頑張った結果の総合芸術なのだ。


・"本物"を見ることができる

当たり前だが、アイドルもののフィクションの元ネタはノンフィクションなのだ。その本家の方を体感しようと思っても、上記のようなハードルを越えなければならない。しかしその部分の気兼ねがないこの映画を見ることで"モノホン"を知ることができる。見識が深まる。

また、バラエティーやドラマを見て彼らに少しでも好意を持っている人であれば、映画を見ることでそれまでの印象が変化し、よりそういったエンターテインメントを楽しむことができるだろう。個人的には、ライブの相葉雅紀を知らずに彼のバラエティーを見ている人はテレビの楽しみシロをまだ30メートルぐらい残していると言いたい。そういう意味でも、コンテンツのコアの部分を手軽に鑑賞できるこういう機会は貴重だ。


・ドラマがわかりやすい

ここまで書いてきたものの、やはりファンとそうでない人が同じものを見たときに感じるもののどうしようもない差は”ドラマ”の部分にあると思う。アイドルやアーティストがいかにしてここに立っているか。この楽曲をここで歌うことにどんな意味があるのか。ライブのコンセプトは。前提知識としてそういうものが乗っかることで、より積極的にコンサートを楽しめるようになる。

今回に関しては、もう「5人組のアイドルが、20年間活動してきた記念のコンサート」という物語を携えていけばそれで良いと思っている。こんなにわかりやすいコンサートもない。なんなら、挨拶がカットされたことで「これから5人が活動を休止する」という物語を意識する必要性も薄いように思う。初めて見るのなら、長年のご愛顧に感謝、という部分を押さえていけば十分楽しめるような内容だ。それ以上の感傷の楽しみというのは長年のファンたちだけに許されたものなので。それがなくても楽しいよ、ということ。



以上のような感じになる。これはあくまでも、なるべくオタクの自分を差っ引いて、理性的に、わかりやすく、説明しようと試みたものだ。素直な気持ちを語ると、良いものなので見てくれ、と呻くだけになってしまうので……

楽しみが多様化し、コンテンツそれぞれがコアファンを抱えていくスタイルになった時代の変化もあり、これから嵐レベルのマスとコアの両面の支持を得られるアーティストが登場するのは簡単なことではないだろう。もう、特に意識して情報を取りにかなくても曲を知っていて、その上で見たことのないコアの部分を見に行く、という構図自体が貴重なものになるのだ。

そういう意味でも、多くの人にとって珍しい経験になるのではないかと思う。どうです?気になってきました?そろそろ被っていたネコがはがれそうなんですが?見てくれよォ……面白いからよォ……


今日はここまで。ありがとうございました。



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