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そこかしこに堅がいた

ふと振り返れば
いろんなところに堅がいた。

という過去一、二を争う
どうでも良い話。

1

はじめの堅はセカチューと共に。

この時私にとって堅はまだ
「平井堅」であった。

中学3年生
北辰という統一模試の帰りがけ
指定席のない映画館の最後尾
立ち観をしながら
クライマックスに合わせて響く堅の声
「 〜 」

文字には表すと少し違う
そんな心を昂ぶらせる挿入。

私の周りではセカチューは大人気で
未来くんの真似して遊んだり
田圃道を歌いながら帰ったり

当時付き合っていた人が
ヒロインと同じ名前なことを
少し特別に感じてみたりして

そんな幼き日と共に思い出される堅。

よくよく調べると
もっと前のドラマで知っている曲もあったのだが
音楽を単体で楽しむ習慣がなかった私にとって
これが初めにしっかりと認識した堅。

好きな曲はピアノで弾く。
これも弾いてみたけれど
これはピアノではないなと思った。

あーでも今また弾いてみたい。

今でも瞳を閉じれば
静寂を破る堅の声を頭の中で再現できる。

淡く印象深い堅の芽生え。

2

堅~season2~は高校生

私の通う学校では
受験生になる時に
女クラと男クラが1つずつできた。

私は女クラではなかったが
仲の良かった子、予備校が同じ子が女クラに多く
なんだかんだ放課後は一緒にいる機会が多かった。

彼女達はギャルだった。
良心的なギャルである。

そして激しかった。
良心的な激しさである。

学校自体が地味なので
あくまでその中での範囲での話である。

そんな中でなぜ堅がやってきたかと言うと
理由はよくわからない。

女クラグループの1人が
ある日堅のCDを持ってきて
放課後の教室でかけていたのである。

『歌バカ』
というアルバムだ。

女クラというのは
だいたい男クラのようなもので
彼女達のお気に入りはStrawberry Sexだった。

受験期の変に真面目で自由な高校生というのは
退屈でプレッシャーのかかる日々に
グレることはなく
それでも毎日何か面白いことを探していた。

そのコンテンツの一つが
堅のStrawberry Sexだった。

多感なお年頃である。

正直これに関しては堅ではなく
友人の声で「Strawberry Sexー!」と歌う声が
頭の中で再生される笑

こちらは全然文字で書ける記憶である。

そんなバカな青春と共にあった
堅セカンドシーズン

堅が堅になった。

3

なんだかんだ楽しかった受験生も終わり
大学時代は勉強に部活にバイトに遊びに
それなりに忙しくも充実した日々を過ごす中
カラオケという楽しみを覚えた。

私の世代は高校からガラケー × iPod
大学ではスマホ × iPod
という時代感で
iPodのサイズが進化を見せた。

大学時代はスマホがあったものの
ダンスをしていたこともあり
軽量なiPodが優勢だった。

常にポケットに入っていたので
一度洗濯機に入れてしまい
iPodにくびれを作ったこともあった。

それくらい音楽が身近になったが
大半はダンスの曲選びに洋楽を聴いていた。

それ故私のJ-POPのインプットは
TVから流れてくるものか
ドライブ中にかかる曲か
カラオケで人が歌う曲か。

ちなみに洋楽は歌えない。

大学の友人は良い意味で真面目な付き合いで
ワイワイやるのは専ら地元、高校、バイト先。

そんな中バイト先の仲間とのカラオケで
3回目の堅が訪れる。

POP STARのMVを見たことがあるだろうか?

堅がしっかりPOP STARなのだ。
訳のわからない昭和レトロを感じるMVで
テルマエロマエみたいな顔立ちの堅が
堅のままPOP STARをしているのだ。

謎の動物も出てくる。

比較的最近の曲だと
新宝島?のMVに同じ匂いを感じる。

シュール。

それに私たちはハマった。

暇だったのかもしれない。
なんでもないことが楽しかった。

しかしこれこそまさに
POP STARの戦略だったのか?
と今では思う。

まんまと夢中にさせられた。

君の好きなとこもよく歌っていた。
後輩が。
良い歌だと思う。

メロディーもなんだか泣けるし
歌詞もかわいくて
堅が歌うとちょっと切ない。

しかしながら最後に白いカーテン越しに
綺麗な女性と追いかけっこしている堅を見ると
ちょっとおかしくなってしまうのだ。

この頃から
徐々に平井堅も聴くようになった。
やっと。

0

Desperado
思いがかさなるその前に…
君の好きなとこ
は今でもたまに聴くし

いとしき日々よを聴くと
JIN-仁-を思い出して泣ける。


JIN-仁-の音楽は泣ける。

POP STARも素敵な歌詞だ。
でもこれはやっぱりちょっと笑う。

そして堅はやっぱり歌がうまい。

良い歌はずっと良いし
人の心に届く歌はずっと心に残る。

好きな歌や歌手を問われた時に
パッと浮かぶのは堅ではない。笑

というより
相変わらずあまり日常で音楽を聴かず
好きな歌手はパッとは出ない。

それでも気付かぬうちに
堅がこんなにもいろんな思い出と共にある。

多分新しいものがなくても
これまでみたいに
心に残る音楽と
たまに日常に聴こえてくる音楽だけで
私は十分満たされる。

これからもそうやって何度となく
優しくおかしく思いだすんだろうな。
と思って少し堅が好きになる。

そんななんでもない
堅の話。

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