見出し画像

塩の道(秋葉街道)の県境区間を走った記録

前段の話
昔信州では塩が貴重だった。そんな塩を太平洋から運んでくれた人たちがいた。さぞかし大変だったに違いない。
当時の塩の道は、今の国道152号(秋葉街道)とほぼ同じルートだという。当時の人たちの苦労を偲ぶため、品川から新幹線に乗り、浜松経由で秋葉街道を北上し信州に帰郷することとした。

水窪までは公共交通機関
まずは新幹線に乗車し、浜松駅へ。この日のために買ったサロモンのTRAIL BLAZER 30を持って降り立つ。
このバック、トレイル用に開発されただけあってすごく走りやすかった。がっちりホールドできるから走ってもバックが揺れない。30Lの大容量だから荷物がたっぷり入る。それでいて軽い。おすすめである。

浜松から遠鉄で西鹿島駅に移動し、そこからは水窪タクシーの乗り合いバスで水窪駅へ。公共交通機関で秋葉街道を辿る方法は多分これしかない。
まあ普通に水窪駅に行く場合、豊橋から特急伊那路に乗ったほうが早いだろう。

スタート
水窪駅の真下にある水窪タクシーの営業所で乗合バスを降りた。ここがスタート地点。ここの標高は200m。兵越峠の最高地点は1200mだから、今日は1000m登る。軽い登山である。
まだ街の中だが、最初から上り坂だ。

ひたすら登る
序盤から緩やかな登りが続く。進むに従い道は狭くなる。そんな道をひたすら登っていくと、
むむ!この先通行止め!
・・・見なかったことにして進もう。

青崩峠との分岐を過ぎたら、急に道が立派になり、高速道路と見紛うトンネルが姿を現した。

ところが中は真っ暗。ヒエー、出口はまだかあ。1300mもあるんかーい!

いよいよ兵越峠へ
トンネルの先からは人里離れた奥地に入り込んだ。
そして峠の入り口で、だいぶ前から表示が出ており知ってはいた、「通行止」の事実が現実味を帯びできた。
引き返すならこの辺で引き返したほうが無難である。ここからは厳しい峠道。通行止め地点は長野県側に大分下った所らしいから、もし通れなかった場合、そこから引き返すのはショックが大きいだろう。

安西先生
今水窪駅に引き返せば飯田線で楽に帰ることができる。
しかし、塩の道の県境区間を走るという目標を断念することになる。
諦めかけたその時、「諦めたらそこで試合終了ですよ」という安西先生の声が聞こえてきた。

遠州から信州へ
よし行くよ、安西先生!
峠に入った途端、傾斜が急になった。本格的に山の中だ。こんな所によく舗装道路を通したものだ。

峠のサミットとなる県境にやって来た。とうとう信州である。


まだまだ険しい峠は続くが、時折眺望が開けるようになった。峠の信州側では気持ちの良い紅葉狩りができた。

土砂崩れ地点
とうとう通行止め地点にやって来た。土砂が道を塞いでいたらどうしようかと心配していたが、思ったよりも大したことなかった。
貧弱なバリケードを軽く跨いで通過した。

ゴールへ
その先はすぐに人里となり、民家がチラホラ見えるようになって来た。
ステキな山里だ。住みたくはないが。

そしてとうとう到着、ゴール地点の道の駅遠山郷である。感無量だ。
いやー、大変な道程だった。昔はもっと道が悪かっただろうから、塩を運ぶ人はさらに大変だっんだろうなあ。

バスと電車で家路へ
ここからは路線バスで飯田駅まで行き、そこから飯田線でバックホーム。
長い旅路だった。あずさで普通に帰るより、金額は2倍、時間は4倍掛かった。
まあでも貴重な経験ができた。
ランの記録
走った距離は26.5kmだった。時間は3時間17分も掛かってしまった。とにかくアップダウンが激しく険しい道程だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?