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不如帰の歌

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私の身体はこの地上へ縛り付けられているが,歌はどこへだって翔んでいける。この世のあらゆる土地を彷徨い,戻ってきたらその身体が喪われていたとしても。
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記事一覧

ギリシャからこの巷へ

番紅花(クロッカス) 咲けよ久遠の時越えて ギリシャの野にも この巷にも (2024.3.17)

Atori Tsubasa
13日前

冬の死

冬の死を悼む小鳥の歌響き 雪踏む我も変若ち返りけり (2024.3.11)

Atori Tsubasa
2か月前
1

命の芽刈り

FF14のパッチ6.4で追加されたゲーム内採集物に「アブラナ」というものがあった。 これは内戦に…

Atori Tsubasa
8か月前

中東から撒かれた映像を視て詠める

ひととせに 千歳のいのち 刈り重ね 屍のうえに 我等生きゆく

Atori Tsubasa
7か月前
2

吹雪なる

吹雪なる名の菓子割りて餡黒の 雪闇融かす甘さを愛す

Atori Tsubasa
10か月前

地を瞰む

薔薇色に 浮かび輝く夕雲の 闇に沈める 地を瞰む刻 (2022.12.30)

Atori Tsubasa
1年前

記憶に刻む

不忘(わすれず)の山の白雲仰ぎ見て我何故(なにゆえ)に歩むかを識る

強健なる姥百合

歯牙堅く 舌鋒鋭き姥百合が 背筋伸ばして 浮世見渡す

Atori Tsubasa
1年前

雨闇

一面に「首都壊滅」との見出し載る日をぼんやりと想う雨闇

Atori Tsubasa
1年前

今このときに輝く

桷咲きて 早月の木立ち輝けど いづれ散りゆくいのちなるべし 桷散りて 華やぐ日々を想いつ…

Atori Tsubasa
2年前

蕾の頃

栃の花 つぼみの頃を夢に見て 覚めて我が顔身を確かめて

Atori Tsubasa
2年前

贅沢に成る日

「贅沢」に成る日ゆめみて栃の花いまだ幼き蕾ふくらむ

Atori Tsubasa
2年前

ひとりかがやく

この朝に 見初めて愛でる者も無く ひとりかがやき咲く「姫小町」

Atori Tsubasa
2年前

うしろも前も

我問うて 応える聲も無かりせば うしろも前もぬばたまの闇