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花瓶に花を生けるのはムダなのか

これ迄に何度かムダ発見と排除について記載して参りましたが、20231220版の記事で、「仲間と立ち話」について触れました。
https://note.com/kid839/n/nd698964247f9

「仲間と立ち話」は、価値かムダか。

その中で、「仲間と立ち話」は、円滑な人間関係には必要なものですが、仕事の目的と直接関係がないので「ムダ」に分類しました。

この分類に対して「何でもかんでもムダ排除で世知辛い」という考えを持つ方もいますが、皆さんは、どう考えますか。

今回は、ムダ排除と働きやすい職場環境との関係を整理して、更に正しい原価低減の理解を深めることにします。

働きやすい職場づくりの一環で、花瓶に花を生ける、絵画を壁に掛ける、ソファーに座って談笑する、ドリンク片手に息抜き、などなど様々な工夫を凝らす企業があります。

ある自動車メーカーは、子供たちの絵を壁一面に貼り、そこから自由なアイディアを膨らませ、斬新なデザインを生み出しています。

また私がご縁を頂いた中で、食堂に社員の子供さんが描いた「私のお父さん」「僕のママ」「家族のペス」などの絵が貼られ、空気を柔らかくしていた企業様もあり、良い印象を受けました。

これらは全てムダなのか?
そんな筈はありません。

なぜならば、SEQDCの「E環境」の中には労働環境も含まれ、安全に次いで重要な仕事だからです。

しかし、よくあるケースに、「前からやっているから」「前任者が言ったから」「そういうものだと思っていたから」といった、思考停止による、現状肯定型の対応が存在します。

このような場合は、前出の「斬新なデザイン」「柔らかい空気」という目的やコンセプトが度外視され、現状のまま時間が経過している可能性もあるので要注意です。

そこで、前回12/20の記事より以下を再度記します。
https://note.com/kid839/n/nd698964247f9

《仕事=価値+ムダ》

仕事には必ず目的があるので、それをハッキリさせます。
価値は、仕事の目的を達成するために直接的に役に立っているもの。
ムダは、目的を達成するために直接的に役に立っていないもの。

これを参考にして、先ずは前出の子供たちの絵、花瓶に花を生ける、絵画を壁に掛ける、ソファーに座って談笑する、ドリンク片手に息抜きの目的やコンセプトを理解し、更に良い姿に改良することも必要です。

このタッチならば、「~だから変えない」もありだと思いますが、何も考えずに変えないことは、役に立たない割に手間を掛けるムダに繋がります。

つまり、先輩から受け継いだので、毎日「花を生ける」となっては、残念であり、場合によってはムダが存在し続けます。

疑ったことも無く、意味を考えたことも無く、「世知辛いから」と言って、漫然と現状を続けることは、経営面だけではなく、人間が関わる仕事として本当に正しいとは思えません。

目的と手段の考えを再確認し、思い切って現状を否定してみる/違った角度から見てみる/現場をよく観察する/自分が体験してみる/他者にやってもらう/一旦やめてみる、などに着手することで、良い結果に変わることは数多くあります。

このように、物事を見て「疑問を持たない」ことは、改善活動には好ましくない姿で、先入観/決め付け/固定概念は課題解決を阻害する思考です。

一方で意味を理解し、「そういうことか」「だから毎日」「だから花なのか」と腹落ちすれば、「ならば、こうしたらもっと良いのでは」と想像が膨らみ改良が期待できます。

何よりも、このような目的や意味を理解して行う仕事は、楽しく、ワクワクするものです。

それでは、「仲間と立ち話」を使って簡単に整理します。
進め方は、20231220版の記事で示したステップ1~3です。

「仲間と立ち話」の目的をハッキリさせ、意味のある部分と、意味な無い部分に分け、後者を減らすまたは無くします。

これにより、ダラダラと話し続けることは無くなり、自分も相手も会社にとってもプラスになるでしょう。

更に、前回の事例では「言葉の意味を調べる」という「仕事」の中に存在した「仲間と立ち話」だったので、そもそもムダに分類されたということです。

従って「何でもかんでもムダ」と大きく且つ感情的に捉えるのではなく、仕事や作業の目的をハッキリさせて、意味のある部分(価値)と意味の無い部分(ムダ)に分け、ムダを減らすという論理的な進め方をしましょう。

そして、ムダを排除することで、「五方よし」を実現してください。
「五方よし」とは以下の20231205版の記事をご参照ください。
https://note.com/kid839/n/n6996660ddc07

ところで、仕事と作業の違いは説明できますか?
改善活動でココは大事な所なので、考えてみてください。

ポイントは目的目標です。

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