見出し画像

全てを捨てて自分の価値を創り出す

ニュージーランドにワーキングホリデーとして訪れてから、約4年の年月が経つ。この4年は自分の人生を変える物語としては、たくさんの出来事があったと思う。

辛いことも嬉しいことも全部含めて、今まで自分が積み重ねてきたものが今の自分になっているのだろう。
今回は、新しく歳をとると同時にニュージーランドの永住権を得て、過去の経験や経歴を全て捨てて新しく鍵屋としてのビジネスに挑戦することに決めた。

成長の手助けとなったバリスタライフ

いわゆる典型的な試験英語や中学英語のみで、会話も全く成り立たなかった当初はかなり会話に苦労した。
書き言葉を知らずに、メールでもテキストでも話し言葉で失礼な文章を送っていたのは、今見返してもよくなかったなと思う。

それなりに暮らすのに不便がないレベルの英語まで成長できたのは、バリスタの仕事を通じて成長できたのは間違いない。
バリスタでコーヒー作りと同じくらいお客さんとも話すことが多い仕事柄で、ネイティブの使う言葉や言い回しを覚えるいい機会になる。
会話が弾むとやっぱり楽しいし、一番英語力の成長を感じられる部分でもあった。

真剣にコーヒーの味と向き合った4年間は今でも楽しい思い出ばかりで、正直バリスタを辞めた今でもバリスタの仕事はたまにやりたくなる。そんな今はおうちバリスタとしてコーヒーを家で楽しんでいる。


自分という存在の価値について悩む

バリスタの仕事は楽しかったけれど、どうしてもwin-winな関係を感じられずにいた。これは店の方針にもよるだろうけれど、自分の最善と店の最善は異なることが多く、自分というものを失いがちになっていた。そんな時、私はふと思ったことがある。

  • もっと相手が求めているものと対等な仕事がしたい

  • 自分という価値を知りたい

  • もっとたくさんの視野を持ちたい

そんな思いが頭の中でぐるぐると数ヶ月にわたってかけ巡った。
今の給料は本当の自分の価値なのかがわからず、特に生まれ育った国でない場所を舞台に自分は何者になれるのだろうかと考えた。

その結果、自分の好きなことから離れてみるという選択肢を取ることに決めた。

がむしゃらに我を忘れてしまう

現状から抜け出すために転職活動で何十時間という時間を使い、何回もCVを作り直しては企業に送った苦い記憶ばかりが残っている。
オフィスの仕事を選んだものの、実際はそれが本当にしたいことかもわからないのに、無駄に時間を費やしている風にしか思えなくなった。
むしろ、ただ現状を抜け出すための理由で、本心的な理想の人生を追い求めているものではなかったと思う。

ただ、それが悪いというわけではなく、自分の本質に気づくいい機会だもあったと今ではわかる。
日本ですら就活をしていたわけでもないので、「何事もうまくいかない時があるということ」「自分を見直す」という意味ではポジティブな時間でもあった。


自分の意思と縁とタイミングの巡り合わせ

「ニュージーランドに来るきっかけ」
「ニュージーランドに居残るきっかけ」
「バリスタを辞めて鍵屋のビジネスオーナーになるきっかけ」

これらは本当に親と話していても、時間と巡り合わせのタイミングで成り立っていると心から思う。
ビジネスを始めるきっかけは、確かに自分から飛び込んだことが大きな決め手ではあるけれど、出会った縁とタイミングが違えばきっと今も以前と変わらない生活をしていたに違いない。

ビジネスの話もストレートに決まったわけでもなく、チャンスをつかめない寸前まできて、再度話が回ってきた。
おそらくあの時の自分の必死さと勢いは、他のことを忘れてひたむきに「やりたい!」「これほどいい機会はないのではないか!」と色々な思考はなくシンプルだった。
この時の感情はうまく表せないけれど「Excited」「Why not?」と過去一ポジティブだったことだけ覚えている。

一時は周りの反対意見もあったけれど、最終的にはみんな「自分の意思が固まっているのであれば応援する」「無理せずに頑張って」と声援を送ってもらえた。

「0からスタート」は「物語のスタート」と同じ

飲食しか携わったことがなかったので、正直車の鍵に関してはほぼゼロ知識で言葉を覚えるだけでも必死だった。
外国で住んでいる人ならばわかると思うけれど、業種が違えば専門用語は覚え直しになるし、日本語ですら知らない言葉の集まりで毎日「?」ばかり。

最初は同じ質問を何度もしたし、1つのことに対して10の質問は生まれてくるから頭を抱えるし不安が募るばかりでしかなかった。
ビジネスを始めてから今でも日々わからないことはたくさんあるけれど、成長の瞬間と捉えられるようになったのはビジネスを始めて約1ヶ月が経とうとする今だからこそ。

小説の物語が始まった時は登場人物について描いて知ってもらうように、何もなかった私が0から始めるようだなと思った。

自分で創り出す「自分の価値」

ビジネスを始めてちょっとした頃にハプニングが起こって、若干の鬱状態に涙が溢れてくる毎日も過ごした。
毎日がエラー&トライで、悔しくて涙を流すことも達成感で嬉しい時などもあり、とにかくビジネスをする上でメンタルのコントロールが一番大変だと痛感。

仕事内容は今までとは違って、お客さんを助ける仕事にあたるのでやりがいはとてもある。
医療のような助けるとはまた違うけれど、SOSに手を差し伸べるという意味ではWin-Winな関係性が保てられるなと思う。

仕事の中で気づいたことは、自分の価値を無意識に下げてしまうことがあるということ。
そこの判断をもっとできるようになると、本当の自分の価値を生み出せる状態と言えるのだろうな。

財産すべてを使って新たな挑戦に挑んだことは、とても自分に満足しているし、苦労と緊張とワクワクで毎日が満たされている。
自分の時間も取れるようになって、正直思い描いていた以上だと思うけれど、これからが勝負どころになってくるはず。


これからどんな未来を自分で描いていこうかな。
未来の自分に期待と自分で物語を書き足していく先が楽しみだな。

この記事が参加している募集

最近の学び

ご支援いただいた分は海外移住への未来の投資とコーヒーの技術向上に使わせていただきます。