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試合7日前にポジション変更。さぁ、どうする。

こんにちは。

今回はイギリスに来て初めて迎えた試合について、
試合7日前にとんでもない流れがありましたので、
書き残したいと思います。

私のポジションは「ロック」と言うボジションで、
背番号は4番、または5番です。
スクラムでは前から2列目におりますが、
見事に全方位から他のポジションの選手に囲われているため、
普段観客の方からは見えないです。


この写真のように前の選手のお尻に頭を強く挟まれているので、
外の音はあまり聞こえません。

主に、
スクラムで前の3人を全力で押す。
ラインアウト(外に出たボールを再投入する際の’’大人の高い高い競争’’)
サインを出したり、高い高いしたり、されたりする。


プレー中はボールを持ったらDFをぶち破るボールキャリーもしますが、
どちらかというと運動量でグラウンドを駆け回り、
泥臭い、目立たないプレーをずっとする

「縁の下の力持ち」

です。(自分で言うの恥ずかしい)

試合観戦に来た私の兄(目立つタイプ)はいつも試合後に言います。


「お前出てた?」


出てるわ!!!!!!!
ボロボロじゃ!!!!
分かる人には分かるねん(多分)!!!!


て感じのポジションです。
私はこのポジションをラグビーを始めた頃から13年間やってきました。



そして今回イギリスに来て、
ある日ヘッドコーチに呼び出され。
質問されました。



「フロントローに興味ないか?」


私「、、、、え?」


目がテン。メガテン。所ジョージもびっくり。

フロントローはちなみにここです。


最前列!!!!!
男子ラグビーの有名な選手で言うと、
笑わない男の稲垣選手、具くんなどです。



びっくりした理由としましては…
⚫︎このポジションはとにかく大きい人がする(100キロとかそういう話)
⚫︎経験がものを言うので、ベテラン揃い
⚫︎危険なので最初から選手登録しないとできない専門職
⚫︎私はこの国でタイニー(ちびっこい)と言われるほど小さい



とそんなことで驚きすぎたのですが、
あまり詳しくは書けないけど、色んな理由を説明してもらいました。



とりあえず答えは



「断る理由はないです。どうなるかわからないけど、やってみます。」



いやこれに限る。カッコつけた感じに聞こえるけど、
「嫌です!」「怖いです!」とか
そんなこと言うものでもないし。


少し真面目な話、
ほんの、ほんの少しワクワクした自分もいました。
この歳になって、この国で、
新しいポジションに挑戦できることもそうそうない。

これまでと違った視点でラグビーを楽しむことができるかも。
やるなら積極的にやってみよう。
始める前から何かを判断するのはもったいない
とりあえずやってみよう。

そういえば13年前もそうやってラグビー始めたなぁ。
とか考えながら、答えました。

何か始めるきっかけやチャンスは、割とものすごく小さくてさりげない。
それを掴むも逃すも自分次第
なんだろうと、私は思います。


ただ、答えた後も少し怪我をしていたこともあり、
すぐに取りかかれないまま。


ついにやってきた、Ealing Trailfinders Womenのシーズン初戦。


それまで、スクラムの姿勢は練習していたものの、
試合の7日前。


「1番で考えてる。明日スクラムを実際に組んでみよう」



へ?!
後1週間で?!



実際、試合の5日前に人生で初めてフロントローでスクラムを組みました。



連続で15回くらい組むと言ういきなりのハードワーク。
感じたことのない痛みと違和感が私の首と背中を襲い、
その日の家までの帰り道、家に着くまでに
Amazon UKでこちらを注文しました。




必死!!!!笑


でも時間がないけど、自分のできることはしないとと。

その日から、練習前の時間にジムで姿勢や体幹トレーニングを。
スクラムコーチと連絡を取り合って教えてもらいました。
ジムに行くとたまたま男子チームのフロントローの選手がいて、
色んなアドバイスをもらえました。



立ち止まっていても何も変わらない。
行動を起こせば何か見えてくるし、
思いもしなかったことだって起こり得る
んだなぁと。


それでも不安95%くらいで臨んだ初戦でした。


チームのSNSで配信されたメンバー発表の画像はこちら



あかん!!!
セーラームーンのポーズは全く緊張感ないやないか!!!

あの写真どのタイミングで使われるかドキドキしてたら…
ここかい!!!!!!


とにかくみんな「ユービーライ😁」(You will be alright)
て言うけど、

「どうなるかわからない」と言う種類の緊張は初めてで、
これもまた新しい経験でした。
そんな時こそシンプルに、
ただスクラムのキーポイントだけ考える!!と、
腕に書いた渾身の一言は


「左うで」

見えづらいけど。
誰も日本語わからんおもて、
左うでに「左うで」って書いたりましたわ。


緊張しすぎて一回も見やんかったけどな。


試合のスクラムはタフで、相手は重いし上手かったけど、
なんとか耐えました!!!!!!!



試合中、Ealing のサポーターが

「イーリン!!イーリン!!イーリン!!(Ealing)」ってコールしてて、


それがスクラムの時一番聞こえてんけど、全部

「キーエ!!キーエ!!」に聞こえてて(ガチ)
すごい力になりました。勝手に。都合の良い耳。


試合後に知った衝撃は、


私のスクラムの目の前の相手は、
元イングランド代表の大ベテランだったこと。



試合前に知らなくて良かったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!


多分前から聞いてたら怖気付いてた。
いや、その前にそんな有名な選手自分で知っとけ。


試合後は、普段からこちらでお世話になりまくっているご家族と話したり、フランスでの男子W杯観戦のまま足を伸ばして観戦に来てくださった方とお話をして。


とても幸せな気分で試合を終えることができました。

この記事を書いている試合2日後もまだ、
首と背中が痛くて寝返りできない状態だけど…


新しい国での新しい挑戦はものすごくタフで、
でも仲間に支えられて、
なんとか乗り越えることができました。


まだまだシーズンは始まったばかり。
どんどんレベルアップできるように頑張ります!!









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