寒い、かと思えば、暑い。

汗をかく。布団が汗で濡れる。髪の毛も汗で濡れる。腹が立つ。なんで風邪。

隔離生活だねと言う妻。それに従う私。

寒い、かと思えば暑い。

食べ物や飲み物をファミリーマートで買う。風邪をひいたとき、どんなものを飲めばいいのか、どんなものを食べればいいのかよくわかっていない。適当に買う。プリン、ヨーグルト、おにぎり、全部おいしくない。全然美味しくない。なんで風邪。

自分の体温が何度なのか測っていない。数値化された自分の体温を見た瞬間、症状がそれで固定されてしまう気がして。確実にわかるのは結構体温が高いということ。結構高い。これは結構まずい。

隔離されたホテルで、今日目が覚めたのは、朝の8時。妻にLINEを送る。

「おはよう。体調悪いずら」

「それは心配だなぁ。とにかく水分補給して栄養しっかりとってね」

妻に風邪をうつすわけにはいかないから、隔離されたホテルにいる。朝の8時にそんなLINEを送って、私はまた眠りについた。寒くて暑い。そんな眠り。

目が覚めると時刻は16時だった。
だいぶ寝てしまった。大学生みたいな睡眠だ。なんで風邪。

携帯を確認してみると、妻からLINEが2時間おきぐらいに来ていた。

「大丈夫？　熱はどう？」

「関節痛とか熱はありそうな感じする？」

「意識あるよね？　寝てるだけだよね？」

「おーい、大丈夫？」

私の体調を妻が連チャンで心配することは、結婚後ほぼ皆無であったから、16時に目が覚めた私は、このLINEを見てほくそえんだ。

「あー、ごめごめん。寝てただけ」

寒くて暑くて、絶対風邪。
汗ばむ陽気。おはようの空気。

でも、どうしてこんなに風邪をひいてしまうんだろう。妻曰く「働きすぎ。限界まで働きすぎ。休むことをしなさすぎ」とのことなんだけど、とうの私はそうは思わない。

だって限界まで働いても、体調を崩さない人種がこの世にはいるわけで。となると「働きすぎ、限界まで働きすぎ」と言うのは本来の理由ではない。

では、どうしてこんなに風邪をひいてしまうのだろう。それはおそらく、

体力がないだけなのだと思う。

なんで風邪ひくの。

体力がないから。以上。汗ばむ陽気。

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