時代は味方。
ビートルズが活躍していたのは1960年代のことで、彼らは時代の代弁者だった。
第二次世界大戦後の鬱屈とした世界の雰囲気、東西冷戦、ソビエト連邦、それから白人と黒人の対立、南アフリカのアパルトヘイト、とにかく人種の壁。
ビートルズのルーツは黒人ミュージシャンによるロックンロールであり、ポール・マッカートニーもその影響を公言している。
鬱屈とした世界情勢の中で、綺羅星のごとく現れたビートルズの4人は、すったもんだありながら世界に影響力を持つ4人として活動し、その影響力は音楽シーンにとどまらず、文化にまで到達した。
ジョン・レノンはビートルズの解散後のインタビューの中で「ビートルズは別に特別なことはしていない。1960年代という時代の後押しがあったのさ」みたいなことを言っている。
これを思い出した私は「そうか」と思った。
時代である。
いまは2023年、つまりは2020年代と言える。この時代を意識していない自分がいることに気づいた。時代だ。
1960年代には1960年の風が吹いている。70年代、80年代、90年代、00年代、10年代も同様。確実に時代の風潮というかなんというか、大きな揺らぎがある。
いまは2020年代、この時代にはどんな風が吹いているんだろう。どんな揺らぎがあるんだろう。
いつか書いた「ときめく」という古語の意味は「時流にのって栄える」である。ビートルズもそうだった。あいつらは時代の波に乗ったんだ。時代の風に乗ったんだ。
ノーベル賞、芥川賞、オリンピック、なんでもいいんだけど、後世に名を残す発明や作品群、記録はほぼ例外なく時代を捉えている。
小室哲哉は歌詞の中で「時代が追いかけてくる」と言ったけど、追いかけるのではなく、引っ張るようなものを作りたい。むずかしいけど。
ジョン・レノンは「ビートルズは1960年代の船頭だったのさ。みんなこっちだ! ってね」と語っている。
何が言いたいかというと、このnoteだってなんだって時代の産物だし、私たちは時代という大きなムーブメントの小舟に乗っているに過ぎない。
そういや、こうして毎日文章を書いているけれど、これを「時代」という大局観でみたとき、何を意味しているんだろう。
過去の流れを調べれば、これからどう変化していくのかが見えてくる。時代の潮目、時代の風向きってやつだ。
表現者、創作者をきどっているところがあるから、時代を先取りした、というか、時代を踏まえた何かを生み出していきたいものだよ。
自分の中の何かをただ書き殴っているだけでは、それこそ時代に置いていかれてしまうからね。
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