「DAN DAN 心魅かれてく」ってなんかおかしくね?
私と同世代の方ならば、記事タイトルの『DAN DAN 心魅かれてく』の文字列を見るだけで往年の名曲が頭の中に流れることと思う。
『DAN DAN 心魅かれてく』はアニメ「ドラゴンボールGT」のオープニング曲だ。
歌っているのはFIELD OF VIEWである。ボーカルの透き通るような歌声が特徴的な、ちょうどいいロックミュージック。ロックなのになんだか物悲しくなるようなメロディーラインがいいよね。
アニメ『ドラゴンボールGT』は舞台が宇宙であり、はるか遠くの銀河を旅する冒険ストーリー。
この曲もそれに合わせてきちんと宇宙的な? 冒険的な? そういう音の要素が随所に散りばめられていて、さすがプロの仕事だなぁと思うわけ。
個人的には「冒険」といえば映画『ネバーエンディングストーリー』も思い浮かぶんだけども、ネバーエンディングストーリーのテーマソングも映画にめちゃんこマッチしている。
本編の内容と音楽をマッチさせるってほんとすごいよなぁ。
▶︎DAN DAN 心魅かれてく|YouTube
ドラゴンボールGTがテレビで放送されていたとき、私は幼稚園に通っていたのだが、アニメの内容はいまでも覚えていて、この曲も必ずセットで思い出せる。
高校生になって、音楽がポケットに入るようになった私はこの『DAN DAN心魅かれてく』もポッケの中に入れて何度も聴いたもので。
おそらくカラオケでも人気の曲であるはずだ。
なんか思い出したように聴きたくなる曲なんだよね、これ。
...
昨日の昨日まで、この『DAN DAN 心魅かれてく』という曲を聴いても、それからこの曲のタイトルを見ても、なんの違和感も感じなかった。だんだん心魅かれてくんでしょ。いい曲だよね、俺も大好きだよこの曲。
だが今日の朝起きて、改めてこの曲を聴き、そしてじっくりと曲のタイトルを見てみる。
……するとだ。
めちゃめちゃに違和感を感じるのである。
もう違和感ビンビン。
『DAN DAN 心魅かれてく』でしょ。
どうでしょう。違和感を感じますでしょうか。
……私がどこに違和感を感じるかというと、
『"DAN DAN" 心魅かれてく』の太字の部分である。
なんでローマ字なんだ!?
普通はひらがなじゃん!
ローマ字にする必要あるか!?
ふつうはせんやろ? 俺なら絶対しないよ?
だってダサいもん!
「だんだん心魅かれてく」ならわかる。なのになぜDAN DANなんだ!? DAN DAN!? 「だんだん」の意味はだれでもわかる。徐々にってことでしょ。なんか気づかない間に物事がゆっくりと進む様子を表すときに「だんだん」って使うよね。でもなぜそれをローマ字にするんだろう?
違和感BIN BINだ。
いま「BIN BIN」って人生で初めて書いた。なんなら初めて「BIN BIN」という文字列を見た。というか『DAN DAN心魅かれてく』以外で「DAN DAN」の文字列見たことないかも。
…
さて、この楽曲、作詞担当はあのZARDの故坂井泉水さんである。
うーん、彼女ならやりかねない。
彼女ならば「だんだん」を「DAN DAN」と表記するというスペクタクルな技巧を脳内からひねり出してきそうな期待感がある。
ちなみに『DAN DAN心魅かれてく』の作曲担当はこれまたZARDのプロデューサー的役割を勤めた織田哲郎氏である。彼をご存知ない方のために書けば、織田哲郎氏の代表作は『おどるポンポコリン』だ(他にも死ぬほどあるけど)。
坂井さんと織田さんの間でいったいどういうやりとりがあったんだろうか。
私なら待ったをかける。
過去の織田哲郎氏のインタビューの中に、ZARDの坂井泉水さんの作詞について語っているものを読んだことがある。
彼曰く、坂井さんの作詞、言葉選びは「めちゃくちゃ普通」なのだそうだ。考えてみると『負けないで』の歌詞もかなりわかりやすいもんね。
ストレートすぎるもん。だけど、ごくまれに坂井さんは常人では浮かばない言葉選びをしてくるらしい。織田さんはそれを待っていたとかいないとか。たしかに『負けないで』の歌詞の中には、
という一文が登場する。たしかに「パステルカラーの季節」なんて思い浮かばないし『負けないで』以外で聞いたこともない。パステルカラーの季節? 春? いつ? ってなるもんなぁ。
なるほど、そう考えると『DAN DAN心魅かれてく』の歌詞もタイトルもなんだか納得感があるような。
要するに違和感を残す工夫みたいなものをあの人たちはわかってるってことだよね。
やっぱプロはちげーっすわ(納得)。
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