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強制連想記憶法=インフォグラフィック記憶法ののひとつ

3.3.強制連想記憶法

【定義】
覚えなければならないことを、無理やり、強制的にまったく関係ないがよくイメージが湧く、連想できる卑近なものに例えて、簡単に丸暗記してしまうこと。
Dr.Kスーパーフレーズ集(マイナー)という医師国家試験対策の語呂合わせ本に紹介されている方法論です。
実はこの本では「妄想記憶法」という名前で紹介されていますが、名前からその記憶法を類推しにくい、つまり名が体をなしていないので名前を変えました。
別に妄想しているわけではありませんし、この名前は、医学的にも、国語的にも問題があるので、強制連想記憶法とします。
【方法】
語呂合わせは、無理やり言葉の最初の文字を抽出し、ひとつの文章にしたりして、思い出すためのきっかけを作るものです。
一方、この記憶法は「これって、あれと似てる!」というインスピレーションで「Aという特徴」をまったく別だが、すでによく知っている「Bという特徴」に例えて、記憶を助けるという方法です。
アナロジー。「偶然の一致」を大切します。
【具体的な手順】
1.まず、覚えたいことをリストアップする。
2.そこから、一番はじめに、浮かんでくるインスピレーションを大切にする。
3.例える。茶化す。馬鹿にする。連想する。おもしろおかしくする。
猿岩石の有吉弘行が、よく芸能人にあだ名をつけますが、やってることはあの要領です
連想のコツとしては、医学だったら、病名と連想をリンクしやすくすることです。
連想自体がワンパターンになってしまって、思い出しにくいといのは語呂合わせでも陥りやすい弱点です。
なるべく、病名から、連想イメージを想起できるようにすれば、一瞬で記憶するという荒業もできるようになります。
【医学での例】
前述のドクターKからいくつか引用すると
「サラセミアの赤血球はさらしもの」
「髄外造血の赤血球は、外に締め出されて涙」
「Plummer病はプランナー
1.プランナーという仕事は働き詰めで忙しい→甲状腺機能が亢進
2.忙しいので交代なし→自己抗体なし
3.肩こりがひどい→結節性こぶ
4.いつもカップヌードル→123ヨーソ、シンチグラムでHot」
「十二指腸潰瘍は、目下の人で若い人
1.年功序列で目下の若い人(20代から40代)に多い
2.未熟でミスを繰り返す→胃潰瘍に比べて再発しやすい
3.夜遊び好きでいつも空腹→夜間、空腹時、みぞおち痛い
4.堂々と遊びに行く→胃よりも穴があきやすい。特に、球部前壁にあながあきやすい
5.下っ端はいやな雑用が多い→胃に比べて酸性強い」
「出血性腸炎は腕を伸ばした血気盛んな若者」
1.出血性→血気盛ん→若者に多い
2.手を伸ばして、Kの形→Klebsiellaが原因
3.若者は動作が俊敏で元気→発症が急だけどすぐに軽くなる
4.青年→青カビ
5.PC得意→原因の多くはペニシリン
すいません。医学ネタで。
次に、こうして得られた連想イメージを、もちろんマインドマッピングします。
そして、それをICレコーダに吹き込み、3倍速で聞いて、定着させます。
これが私の考える、なんにでも応用可能な人類最強の記憶法です。
連想ゲームしてください。
遊び感覚で言葉遊びしてたら、いつのまにか、全部覚えていたという不思議なことになります。
ここまで説明してお分かりでしょうが、
勉強とは、「ノートに一生懸命に教科書をきれいに丸写しして、写経して、指にペンだこができるまで書いて覚える」
という旧態依然ものから、
「総括と分析の二元性を大切にしながら、理解し、整理しおわったら、言葉遊びで連想し、ICレコーダーで聞いて覚える」
という新しいルーチンワーク、単純作業になりました。必要な能力といえば、机の前に一日8時間、勉強できる能力くらいです。残りの16時間は、睡眠、家事、テレビ、趣味、休憩に使っても大丈夫。
この連想記憶法は、私のまわりの頭のいい友達は(能ある鷹は爪を隠すで、あからさまにはいいませんが)みんなやってます。(ICレコーダの部分は音読でやってるっていうひとや、未だに写経してやってるというひともいますけど)
世界中でひとりでも多くの人にとって、「勉強するとはどういうことか」のパラダイム・シフトをしてほしいと思います。
【要約】
強制連想記憶法とは、覚えたいことを、無理やり関係ないけれどイメージしやすいものに例えて、簡単に丸暗記する方法です。医師国家試験の対策などに使われます。具体的な手順は、覚えたいことをリストアップし、インスピレーションを大切にして、AとBを例えたり、茶化したりして連想することです。この方法は、マインドマッピングやICレコーダーを使って強化することができます。この方法は、新しい勉強方法であり、机の前に一日8時間勉強する能力があれば十分であり、残りの16時間は自由に使えるということです。
語呂合わせ記憶法や強制連想記憶法は、どんな人でもやっているし、もちろん、プロフェッショナル仕事の流儀で出てくるようなスーパードクターもやはり、この方法で記憶し、人の命を助けています。
ただ、恥ずかしいから、恥ずかしい語呂合わせや連想でいつも思い出しているなんてひとこともNHKではしゃべりません。
もちろん、日本人がだけがこの方法で記憶しているわけではなく、アメリカ人もやっています。
たとえば、JATECというガイドラインにのっとり、医者がやる救急のプライマリーサーベイ(最初に死にそうな患者さんにどんな診療をするか)では
ABCDが基本です。以下、Wikipediaより引用。
ABCDEアプローチ
Primary Surveyは、ABCDEアプローチに基づいて進められる。これは、下記の通りのものである。 A:Airway(気道評価・確保と頚椎保護) 気道の確保を困難にする要素。すなわち上顎・下顎骨折、顔面損傷、気道内異物。
B:Breathing(呼吸評価と致命的な胸部外傷の処置) 呼吸を阻害する病態。すなわち、フレイルチェスト(Frail chest)、開放性気胸(Open pneumothorax)、緊張性気胸(Tension pneumothorax)、大量血胸(Massive hemothorax)など。
C:Circulation(循環評価および蘇生と止血) 正常な循環を妨げる病態。ショック、心タンポナーデ、緊張性気胸に留意する。この際、腹腔内出血および胸腔内液体貯留・心嚢液貯留の検出のため、FAST検査が行なわれる。
D:Dysfunction of CNS(生命を脅かす中枢神経障害の評価) 中枢神経系の機能を評価する。意識レベル、瞳孔所見、片麻痺などの所見に留意する。なお、 搬入後、グラスゴー・コーマ・スケールで2点以上の低下が見られた グラスゴー・コーマ・スケールの合計が8点以下である 瞳孔不同やクッシング現象がある
まあ、以上のように、要するに、ABCDで語呂合わせを作って、この順番で確認しようよってことです。
また、救急の当直で以下の病気さえ見逃さなければオーベンが助けてくれますし、自分のミスで患者さんを死なせずに済みます。
TAFな3X;
(Cardiac) Tamponade心タンポナーデ,
Airway obstruction気道閉塞,
Flail chestフレイルチェスト,
Open pneumothorax開放性気胸,
Tension pneumothorax緊張性気胸,
Massive hemothorax大量血胸の英語単語に含まれるXが3つ。
MAP;Massive hemothorax大量血胸,
Abdominal hemorrhage腹腔内出血,
Pelvic fracture 後腹膜出血
【ChatGPT】
上記の9つの疾患名を使って物語を考えて。
ある日、山登りをしていたジョンは、突然の落石に遭いました。ジョンは気が付くと崖から転落しており、全身に大怪我を負っていました。
まず、ジョンはAirway obstructionで、息ができなくなっていました。すぐに救急隊が呼ばれ、気道を確保してくれました。
しかし、ジョンの胸郭にはFlail chestの症状が現れ、呼吸が苦しくなりました。さらに、Open pneumothoraxとTension pneumothoraxも起こり、胸郭が圧迫されて呼吸がますます困難になっていきました。
救急隊はすぐに、ジョンの胸郭を安定化させるために、胸部に包帯を巻き、胸部ドレナージを設置しました。しかし、これだけでは、大量出血が起こっていたため、Massive hemothoraxの治療も必要となりました。
ジョンは全身に多数の骨折も負っており、腹腔内出血や後腹膜出血、さらに心臓にも異常があるという診断も下されました。最後には、Cardiac Tamponadeが発生し、緊急手術を受けることになりました。
しかし、幸いにも、ジョンは全ての治療を受け、生還することができました。これからは、山登りの際には、適切な装備と安全対策をしっかりと考えることにしました。
以上です。
もっというと、セカンダリーサーベイでは
病歴の聴取を「AMPLE」という語呂合わせでチェックします。
Allergy: アレルギー歴
Medication:服用薬
Past history & Pregnancy:既往歴・妊娠
Last meal: 最終の食事
Events & Environment:受傷機転や受傷現場の状況
【ChatGPT】
ある日、妊婦のサラは、家族とレストランで食事を楽しんでいました。最後の食事は、彼女が大好きなシーフードのパスタでした。しかし、食事後、サラは急に息苦しさを感じ始め、アレルギー反応が現れました。
サラは過去にもアレルギー歴があったため、自分が食べたものにアレルギー反応が出たことをすぐに気づき、家族に伝えました。家族は、すぐに救急車を呼び、病院へ運びました。
病院では、サラが過去に服用薬をしていたことや、既往歴と妊娠についても確認しました。さらに、最終の食事の内容や、受傷現場の状況についても詳しく聞き取りを行いました。
診察の結果、サラはアレルギー反応によるショック症状を起こしていたことがわかりました。すぐに薬剤師から必要な薬を処方され、治療を受けることができました。幸いにも、医師たちの迅速な対応により、サラは回復し、健康な赤ちゃんを出産することができました。
この出来事の後、サラは自分のアレルギー歴や既往歴、妊娠状況をしっかりと把握し、食事の際には食物アレルギーに注意を払うようになりました。また、家族全員も食物アレルギーに対する知識を深め、受傷現場の状況なども注意深く確認するようになりました。
以上です。
一方、病歴聴取を救命士さんはGUMBAで覚えています。がんばって生きろってことです。
G:原因(受傷機転)
U:訴え
M:めし(最終食事時刻は腸管損傷や気管挿管時に必要な情報である)
B:病気(既往歴)
A:アレルギー
他にも、胸部の「PATBED2X」の8外傷
Pulmonary contusion: 肺挫傷
Aortic rupture: 外傷性大動脈破裂
Tracheobronchial rupture: 気管気管支破裂
Blunt cardiac contusion: 鈍的心損傷
Esophageal rupture: 食道損傷
Diaphragmatic rupture: 横隔膜破裂
2X Pneumothorax:気胸Hemothorax:血胸
【ChatGPT】
プロンプト:この8つの疾患名を使った物語をつくりたまえ。
ある晩、ジョンは運転中に大型トラックと衝突した。強烈な衝撃で、弾き飛ばされ、気絶してしまった。
気がつくと、ジョンは病院のベッドに横たわっていた。体中に痛みが走り、深刻な状態であることがわかった。彼の肺は肺挫傷を起こし、大動脈も破裂していた。さらに、気管や気管支、食道、横隔膜にも重傷を負っていた。医師たちは、ジョンがこの事故から生き残るためには、すぐに手術を受ける必要があると告げた。
手術は長時間にわたり、緊張の中で進行した。ジョンは手術室で息を潜め、一生懸命に生き延びようと必死になった。手術は成功し、ジョンは一命を取り留めたが、その後も苦しい治療が続いた。
胸腔ドレナージを使い、肺と胸腔の圧力を調整し、彼の体を維持するために人工呼吸器を使われた。さらに、心臓の痛みを和らげるために、強い痛み止めが使用された。しかし、彼の体はまだ十分な回復をしていなかった。彼は、長い間ベッドの上で寝たまま過ごすことを余儀なくされた。
ジョンは、医師たちが自分を救うために尽力したことに感謝し、自分自身を回復させるためにも、命を全うするためにも決意した。彼は、厳しいリハビリと運動プログラムに取り組んで、少しずつ回復していった。結局、彼は完全に回復し、事故から半年後には健康な体で家に帰ることができた。
この経験は、ジョンにとって人生を変える出来事となり、彼は常に感謝の気持ちを忘れず、健康に対する意識を高めた。そして、自分がこの事故から助けられたように、自分自身が他人を助ける機会を探すようになった。
以上です。
しつこいくらい救急の語呂合わせを紹介しましたが、それはJATECが本当にすばらしいガイドラインだからです。
JATECというのは外傷初期診療ガイドライン日本版(がいしょうしょきしんりょうガイドラインにほんばん、Japan Advanced Trauma Evaluation and Care、JATEC)という、救命救急センターを含む救急病院へと搬送された傷病者を迅速に検査・治療するための診療ガイドラインです。
すべての救急医がこの語呂合わせで覚えています。プロフェッショナル仕事の流儀で登場した先生ももちろんこの語呂合わせで診療してます。
日本公式語呂合わせ。
ここまで堂々と語呂合わせを全面に打ち出したガイドラインはありません。
人間の弱みをさらけ出した人類史上最高のガイドラインです。
人間らしいからこそ、すぐに覚えられるし、すぐにひとを救える正しい知識です。
これこそ、学問のあるべき姿だと思います。
救急に限らず、すべての医療、医学はこのようにあって欲しいものです。
たとえば、無月経の鑑別ガイドラインもJATECなみにいい語呂合わせがあれば苦労せずにすぐに覚えられるのになぁ。
ないから自分で作るしかないというのは、産婦人科医の怠慢のなせる業です。
将来、私が専門医になったら、自分の学問分野くらい、JATECなみにいいガイドラインを作ってやろうと思います。
【要約】
JATECは、救急医療で使われるガイドラインのことで、傷病者を効率的に治療するために使われます。このガイドラインは語呂合わせで覚えられるようになっていて、救急医たちが使いやすいように作られています。これは、医療の分野でとても重要なガイドラインであり、将来自分が医者になったら、自分の分野でもこんなに良いガイドラインを作ってみたいと思うという話です。


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