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ファンシー愛好家のぼくが、禁書房を全否定しない理由

はじめに

この記事ではいわゆる「中野ブロードウェイ四階炎上騒動」に言及しています。
特に今回は性質上、店内画像を取り扱っているため、気になる方は注意してください。
普段は「Spank!」全面擁護派として話していますが、この記事では「まんだらけ 禁書房」(以下、禁書房)の良い点や価値について言及するため、不快になりそうだと感じたら自衛してください。自衛もヲタクの嗜みです。

この記事は後編です。前回までのあらすじ

向かいにできてしまったが故に様々な物議を呼んだ「Spank!」と「禁書房」の「中野ブロードウェイ四階炎上騒動」。

前回は中野ブロードウェイの「そもそも」の姿を紐解きつつ、実体験を含めながらSpank!が誤解されている部分にツッコミを入れたり、客層を検証したりしました。

しかし、前回の最後に述べた通り、ぼくとしては禁書房も楽しみなテナントのひとつだったのです。
そして、一概に「ポルノショップは隠そうが隠さまいがどこにあろうが建ててはならぬ」といって誹謗中傷している方々のことは、ぼくとしてはお門違いだと考えています。(お気持ち)

そして、片側の誤解だけ解くのはぼくの美学に反するので、今回は「禁書房が取り扱うポルノ」について、ポルノ以外のサブカルチャーと絡めつつ書いてみることにします。
正直、上手く表現できてるかは分からないです。蕁麻疹出てるので。
ただ、かいてないとやってらんないんですよ、蕁麻疹だけに(笑ってね)。

ただ、ぼくとしてもどうしても擁護しきれない「ゾーニング問題」以外の問題点があるので、そちらについても問題提起させていただきたいのです。
ぜひ、どの立場の方にもこの記事はフラットな気持ちで読んでいただきたいです。

そもそもまんだらけ禁書房はどんな店か

さすがにまだ現地に行けていないので、中にあるものの詳しいラインナップまではぼくも把握しきれていないため、まずは公式ホームページを参考にすると、

なつかし作品から最新作まで。
あらゆるジャンルのアダルトDVD
VHSを中心に、関連書籍やグッズ等
広く・深く取り揃えております。
(公式ホームページより引用・以下、画像にリンク貼ってあります)

ということが公式ホームページに記されています。
いや、ロゴ写真こええよ……(笑)。

つまりは新しいアダルトDVDを取り扱いつつ、昭和のアダルトビデオや自販機本、カストリ雑誌なんかを取り扱うのが基本と推測されます。
問題になっている通路に面したディスプレイの下部なんかを見ると、昭和以前の古い本も取り扱ってそうな感じです。
グロテスクなんかは有名だから売れてしまったんでしょうね、別の画像ではなくなってました。

(まんだらけ禁書房Twitterより引用)

中にはラブドールの展示や、天井から吊り下がった液晶ディスプレイがあります。
手元にソースがないので確認はできませんが、アダルトビデオの映像を流している、というツイートも見かけることがありました。サンプルとかなんですかね?
棚自体も写真で見るだけでもかなり圧があるので、現地で間近で見るとすごい迫力だろうなと思います(小並感)。

(まんだらけ禁書房Twitterより引用)

禁書房が取り扱う商品の価値についての考察

ぼくもそこまでアダルト文化に詳しい訳では無いですが、正直禁書房の取り扱っているものに価値がないかといえば「ある」と思います。
価値というのは、この記事では
「他のカルチャーにも影響を与えている歴史的、文化的」な価値のことであり、
「ポルノ的な、性欲をかきたてられるという意味での価値は人によって違うし、その魅力はちょっと筆者もわからないので何も言わない」
ということを念頭に置いていただくと助かります。

さて、そういった意味での価値ですが…。
例えば、アダルトVHS。
ぼく(22)と同世代か、それより上の世代にはお馴染みの「ビデオデッキ」を普及させた立役者のひとつとされているのが、実はアダルトVHSなんですってよ、奥さん、奥さんじゃない人も。
アダルトビデオのWikipediaを参照すると、





AVの誕生

1975年にベータマックス(ソニー)が、1976年にVHS(ビクター)が発売されると、1981年に「日本ビデオ映像」から発売された『ビニ本の女・秘奥覗き』と『OLワレメ白書・熟した秘園』が発売された[16]。

1981年に一般家庭へのビデオデッキ普及率が10%を突破する[17]と、次第にアダルトビデオも普及し始め、映画用のフィルムカメラを用いた大がかりな撮影システムが必要なく、重量20kg程度のビデオカメラが開発されると、参入障壁の低さから制作に参入する小企業も出現した。[18][* 3]。

(Wikipediaより引用)



という記述があります。

もちろん、アダルトVHSを見るためだけではなく、録画などにも使われる媒体なので一概にすべてがアダルトVHSのおかげ、とも言わないですが、
ぼくたちが今YouTubeで昭和の番組やCMを見ることができるのは、
「視聴者が録画したVHSを残せるようになったことによる副産物である」
と考えると、歴史的な価値がないとは言えないし、個人的には感謝すら感じます。後世にテレビ遺産を残してくれてありがとう………。(盛大なお気持ち)

それから、自販機本
自販機本と言うと馴染みのない人もいると思うのでざっくり言うと「自販機で売ってたエロ本」です。
この自販機本というものは漫画だけでなく、様々なカルチャーに影響を与えているようで、
特に「Jam」、後の「HEAVEN」という有名な雑誌は、パンクやニューウェーブなどの音楽ジャンルのイベントを行い、バンドを取り上げ、前衛芸術だったり、芸能人のゴミを漁った内容を掲載したりしていたということがWikipediaやそこから飛べる記事のスキャン画像から見てとることが出来ました。

あまりにも内容が膨大かつ過激すぎるため、引用は割愛させてください…(笑)。
今の行にまとめるのが精一杯でした(お気持ち)。
とりあえずHEAVEN関係で「天国注射の昼」という音楽ライブ映像はフルで見ました。すごかった(小並感)。

また、つい最近話題になったオリンピックの「小山田問題」でも改めて名前の挙がった、「鬼畜系」カルチャーにも同雑誌は多大な影響を与えていたともされています。

一応言っておきますが、JamとHEAVENはめちゃくちゃ特殊な例だと思います。
他の本でサブカルチャーに影響を与えたといえば、
ロリコンカルチャーに影響を与えた「少女アリス」とかも有名ですが、正直Wikiを見くらべるぶんにはHEAVENのヤバさを越えられないというか…(‪笑)。

というわけで、自販機本は良い面や悪い面を色々コミコミで、様々なサブカルチャーに影響を与えたもので、
いい面はもちろん歴史的価値がありますし、
悪い面もある意味、「そのジャンルが好きな人」には歴史的価値があるものになっている、と言えると考えています。
今の文化で言うと、ZINE(個人が制作した雑誌のこと。二次創作や漫画小説などではない、同人誌のようなもの)に近いのかなぁ、と推察しています。

個人的なお気持ち(笑)としては、こういった自販機本文化はZINEの先祖の姿のひとつであり、販売形態はZINEの新しい形になる可能性もあると考えていて、
興味はあったため、Twitterで告知された当初は「禁書房に行って探してみようかなぁ〜。」と思っていました。

自販機本関連のWikipedia記事はかなり複雑に色々書いてあるので、読み物としての読み応えは抜群です(謎の宣伝)。
なぜかリンクが貼れなかったため、各自でWikipediaは探してください。(本当に日本語版WikipediaのURLを日本語にした奴は重罪だと思う…。(お気持ち))

まとめると、
「アダルトコンテンツにも様々なものがあり、それぞれサブカルチャーに影響を与えていることがあるため、ポルノ知識を抜きにしても、一概に歴史的価値がないとは言えないとぼくは考える」
という感じでしょうか。

文化的側面で見て価値があるわけで、別に実用を求めてない人もいるとは思うんですね。(新作に関しては内容含めてわからんわ、ごめんなさい。)

なんでまあ、一概に「自慰したい人のためのショップ」というのは短絡的で、意味合いとしては、確かに他のまんだらけと変わらない「コレクターズアイテム」になっているのではないかと、ぼくは考えます。

撮影イベントも行われると書いてあったので、そういう意味では「店舗の価値」も人によってはあるのかなぁという印象です。

しかし禁書房、頭隠さず尻隠さず。

というわけで、ポルノを抜きにしてもそれなりに歴史的な価値はありそうだなぁ、と例の通路側ディスプレイの写真を眺めていたんですが、

(まちこ先生さんのTwitterから引用)

ん…なんか変だぞ…?

…おや!?!?

ぼくは気がついてしまったのです。
取り扱ってる商品の中に、
「パッケージから性的な意味ではなく権利的にまずそうなもんあるやんけ…!?」

なんのこっちゃ、という方が多いと思うので説明しますが、丸をつけたふたつのパッケージ、とあるロゴに酷似していまして…。
それがこちらです。

右上丸部分の拡大写真。タイトルは「Super III Secret」かな?厚さ的にVHSかと思われます。

で、これが「新日本プロレス」のロゴ。
瞳孔はないですが、鬣などはかなりそっくり。というか、右斜め下の鬣の真ん中線まで同じ。

ぷ、プロレスって半裸でやるイメージだから、そのビデオかな…(笑)。

これが左下丸部の拡大写真。タイトルは「吉田書房 若い花」だと思います。(若い花は合ってるはず)

で、これが大阪万博(EXPO'70の方)のロゴ。
な、何が違うんだ…。ていうか、そもそもどういう内容なんだ…(コンパニオンさんの写真とかか…?)

というわけで、少なくともふたつ「これってプロレス団体や万博運営の権利的に大丈夫なのかなぁ。」と疑問を抱いてしまう商品を見つけてしまい、
「ディスプレイは法律の範囲内という人がいたけど、このロゴの権利は…?」
「あと、ロゴパク元が基本全年齢対象だから、紛らわしいったらないぞこれ…」
となってしまったわけです。

つまり何が言いたいかって言うと、
「見た目の問題云々とかいうより、それ以外も権利上問題はないのかなぁ」
という疑問です。

上記のロゴの件もそうなんですが、中古のポルノビデオを取り扱う特性上、
ある程度は引退されたポルノ俳優、女優さんが出てくる商品もあると思うんですよね。
そういったものは再販OKなのかなぁ、とか、
昔のテレビ番組の特集番組なんかで引退した芸能人の一部にモザイクかけられているように、
引退した出演者本人がソフト自体を流されたりすることを拒否してる場合が仮にあるとしたら、
どういう風に確認して取り扱っているんだろう、とか。

目に見える権利問題だけでなく、プライバシー的な意味での「目に見えない権利問題」もこの店舗はその特殊性故に抱えてそうだな、と思った次第です。

あと、これはどのまんだらけ店舗にも言える気がしますが、
「地震対策」として、あの赤い棚は大丈夫なんでしょうか…?
まあ消防法などの範疇に入っているからあのまま営業できてるのだと思うので、これは個人のお気持ちだと思ってもらって差し支えないのですが、

南海トラフ地震が来たらあの棚は倒れるだろうし、あれ見るからに重そうだし、頭の上まであの棚があることを考えると、下敷きになって重軽傷を負う人は出ると思います…。
最悪、頭の上にアダルトビデオが降ってきて死ぬとか、ちょっとぼくはいやだなぁ(爆)。

さいごに

今回は禁書房について補足したいこと(価値について)と、
ゾーニング問題の話題に埋もれてしまった
「こっちの方がまずくね?」
的な権利問題についての疑問について文にしてみました。

個人的には、中古ポルノ取り扱いというのはアイデアとして面白いなぁと思うので、

権利問題(特に、目に見えているやつは、遅かれ早かれ問題になる気がする。)の透明化であったり、

・出演者側の許可的な意味で
・取り扱いしていいものなのかとかの部分を
・どういう風に確認しているのか

をまんだらけ側が提示してくれたらそれがある意味まんだらけ側にも自衛になるんだがなぁ、と思う次第です。

また、これはほぼ話と関係ないですが、
ぼくは大阪万博のファンで、万博というものがひたすらに大好きなので、この「吉田書房 若い花」(だと思う、潰れて読めんが)はすごくムカついたし、悲しくなりました。

なんならテクノブレイクの壁や、禁書房ホームページの裸のチャンネーの写真よりつらいものがあり、記事を書き終えようとしているこの両腕が今まさに蕁麻疹ぶり返してモゾモゾしているところであります。

この蕁麻疹、もしかしてやばいもんアンテナに使えるかな?上手く付き合ってこいつを妖怪アンテナに仕上げたいものです。

おわり!!!強制閉店!!!!!!!


おまけのサブカル北枕〜ふたつの大阪万博〜

先程も述べたように、ぼくは万博ヲタクです。
詳しいとまではいかないですが、大阪にふたつめの実家があるため、そこに行く時に万博公園に行ったりもしています。

2025年に、また大阪万博が実施されるそうです。
正直、EXPO'70のような規模、近未来的展示にはならなさそう。
テーマも生命やSDGsなど環境的な要素が強く、テクノロジー賛歌に近かったEXPO'70が好きなぼくは、ちょっと寂しかったり。

ただ、現代人が「近未来」と言って想像するものって、正直今のテクノロジーとあんまり変わらない気がするんですよね。
人間洗濯機なんて一般家庭においては場所をとるだけだし、テレビ通話なんてスマホで出来る世の中ですし。
リニアモーターカーくらいはまあ、想像するかなぁというくらい。

ただ、EXPO2025の「生命」というテーマにおいて、太陽の塔はかなり重要だと思います。

実は太陽の塔って、あのガワだけが作品じゃなくて、中にもうひとつ作品があるんです。
それが、「生命の樹」というもの。

こんなオブジェなんですが、内容としてはこの樹の周りに生物の模型があり、下は古代からいる生物で上に行くにつれて人間(現代)に近づいているというかんじのもの。

これ、次の万博にもピッタリじゃないですか? 
ぜひ、万博に行く人は生命の樹も見てみてください。
内部見学には予約が必要ですが、見る価値は絶対あります。
デカくてすごくて感動して涙が出ました。

おわり!!!!強制閉店!!!!!!

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