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読書会にチャレンジした

西加奈子さんの「くもをさがす」の読書会に参加した。
参加者は司書さんを入れて4名。1時間ほどの面白い体験だった。

「乳房を失ってしまうことの喪失感」というのは、個人差が非常にあるのだと、今回思い知ったのだった。「くもをさがす」のなかでは、葛藤や紆余曲折ありつつ、乳房を失ったことがある意味ライトに描かれている。読書会をしていて、もし自分がそうだったら耐えられない気がする、という方がいた。

僕の場合は、その喪失感にあまりピンときていない。自分にとって乳房というのは、日常生活に不可欠なものではもはやないからだ。授乳も終え、これ以上子どもを授かる予定もなく、自分の趣味からすると着飾る上で必要なパーツでもない。ただ、もし失ったらそのもと会った場所を見るたびに、すこしぽっかりと穴の空いた気持ちになるのは間違い無いと思った。

それは、去年ずいぶんと痩せた時のことを思い出したからだ。同居解消や引越しのストレスからか、いまより3kgちかく痩せてしまって、もともと豊かではなかった胸は、さらに貧相になった。なくてもいいやと思っているのだが、これほどに頼りなくなると流石に可哀想だった。もし本当になくなったら、その時よりも可哀想に思うのだろうと、体重が戻ってそれなりにふくよかになった胸を見ながら感じるのだった。

1時間の読書会は、楽しくそして刹那的だった。一期一会の出会いに感謝しつつ、人のそれぞれの想いについて考える日だった。

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