辻野葵果

辻野葵果と書いてつじのきかです。名前を変えました。毎日投稿中です。短歌の他には、音楽と…

辻野葵果

辻野葵果と書いてつじのきかです。名前を変えました。毎日投稿中です。短歌の他には、音楽とゲーム、占いが好きです。

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連作 春生まれではない(四十首)

まなうらの息のできなさ 恋と愛 悲鳴のようにネイルがずれる ままごとのよう心臓に感情を覚えさせたくなかった夜明け 中指のブラックリングが揺らいでる海の深さで窒息を…

辻野葵果
1年前
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連作 レモンティーよりミルクティー

眠り姫みたいな一日 シーツからぬるくない箇所さがして踊る 両肩に猫が一匹乗るように睡魔は夜でもないのにささやく 誤魔化してレモンティーよりミルクティーみたいな感…

辻野葵果
3時間前
11

連作 ひとつぶのトマト

これ聴いて 安心させるような夜に思い出の中のアラザンが光る 感傷にひとつぶのトマト 部屋中の照明が点くみたいな甘さ はつなつは自分のことしか考えてられない 残る…

辻野葵果
1日前
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連作 黄金郷の入り口

閉じた目のような三日月ひらいたら黄金郷の入り口のドア 宝物庫を守る最後の謎解きのようにあなたが眠ってる部屋 あなたなら不死でもいいよ黄金郷ふたたび滅びるところを…

辻野葵果
2日前
13

今日は眼科で目がしばらくぼやける検査をしたので、短歌はおやすみです。文字がぼやけてほとんど読めないので、誤字があったらすみません、見逃してやってください。明日には元に戻ると思うので、よろしくお願いします。作ったばかりの眼鏡をかけても読めないので、今はかんで変換しています。

辻野葵果
3日前
10

連作 プールと同じ

リハーサルする脳内のしずけさは星だけが降るプールと同じ 何を言えば 何を言ってもつかまってステンドグラスの溶けだした色 ああどうか祈りが届かないようにゆれる木漏…

辻野葵果
4日前
11

連作 夏が陽炎

はつなつと交差するような駅前の横断歩道のえいえんは赤 ぼんやりとしている頭のまま海の方向も知らずに走り出したい たのしいとかうれしいなんて気づいたらかき消えてい…

辻野葵果
5日前
12

連作 創れない箱庭

わたしには決して創れない箱庭を、ゆるされている者だけの特権 すこしだけ苦くて好きではない味のカフェオレ あの日の沈黙の理由 五線譜で乱高下する音符ならわたしの気…

辻野葵果
6日前
13

連作 風が音楽

あたらしく聴くアルバムに弱火ほどの火力の曲を見つけるしあわせ 弱火から中火に変わっていく曲の何千回と聴いても朝日 道をゆくひと そこに吹く四季や海、恋がもたらす…

辻野葵果
7日前
20

連作 生命の色

はじまりがほしい ジュースなら百パーのオレンジジュースのやさしい酸味 はつなつの緑に励まされている再現できない生命の色 夏の海見えないけれどある、ように風が届け…

辻野葵果
8日前
13

連作 画面酔い

画面酔いするはつなつの夜 遮光アイマスク越しの月のつめたさ 手のひらで探るリビングの室温を、人工的な視界のしずけさ 火を知ったばかりの原始人のようひたすらまぶし…

辻野葵果
9日前
11

連作 はつなつはエバーグリーン

はつなつはエバーグリーン さやさやと子供の寝息のような広葉 頼ってもいいというように差し出してくれる常葉のたのもしさ 夏 髪をすくように射しこむ陽光の分け隔てな…

辻野葵果
10日前
12

連作 見えないフェルトニードル

もうずっと見えないフェルトニードルで刺され続けている夜の皮膚 炭酸で焼かれる喉の感覚に似ている 君と話せない夢 薔薇の花みたいに振り向くなんてことない改札を通っ…

辻野葵果
11日前
11

連作 春を抜けてもひとり

切れかかっている照明を消すように四月の椅子を片付けていく 汗をかくことの不快さ 水筒の坂が急勾配になる夏 最後まで自分の味方になることの難易度 春を抜けてもひと…

辻野葵果
12日前
14

連作 Inferno

嘘をつくことだけ下手になっていく聖母マリアの錆びていく頬 どこまでが親切だろうか人間を信じる難易度 Inferno ひとつだけ余った神経衰弱のように人影が南東に向かう

辻野葵果
13日前
9

連作 白いわくわく

左手をかすめる春の白い裾顔をあげればもう五月の芽 夏めいてきたわた雲の近さより白く見えている半袖のシャツ デイリーにこれから書くという白いわくわくを胸に終わらせ…

辻野葵果
2週間前
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固定された記事

連作 春生まれではない(四十首)

まなうらの息のできなさ 恋と愛 悲鳴のようにネイルがずれる ままごとのよう心臓に感情を覚えさせたくなかった夜明け 中指のブラックリングが揺らいでる海の深さで窒息をする 隣室の住人みたいに遠ざかる星 なにひとつ手に入れられない 深々と抱きしめられる 黎明のような毛先でわらってくれるな 君という感情 春の階段を上がった先に靡かない骨 直立のうつくしいひと 頑なな鎧のようで最初の萌芽 落涙の跡をぬぐっていくような低い声から生まれる酸素 リネンでも拭き取れなかった横顔の君をあらわす数

連作 レモンティーよりミルクティー

眠り姫みたいな一日 シーツからぬるくない箇所さがして踊る 両肩に猫が一匹乗るように睡魔は夜でもないのにささやく 誤魔化してレモンティーよりミルクティーみたいな感触 初夏のさみしさ

連作 ひとつぶのトマト

これ聴いて 安心させるような夜に思い出の中のアラザンが光る 感傷にひとつぶのトマト 部屋中の照明が点くみたいな甘さ はつなつは自分のことしか考えてられない 残る数ミリの緑茶

連作 黄金郷の入り口

閉じた目のような三日月ひらいたら黄金郷の入り口のドア 宝物庫を守る最後の謎解きのようにあなたが眠ってる部屋 あなたなら不死でもいいよ黄金郷ふたたび滅びるところを見ててよ

今日は眼科で目がしばらくぼやける検査をしたので、短歌はおやすみです。文字がぼやけてほとんど読めないので、誤字があったらすみません、見逃してやってください。明日には元に戻ると思うので、よろしくお願いします。作ったばかりの眼鏡をかけても読めないので、今はかんで変換しています。

連作 プールと同じ

リハーサルする脳内のしずけさは星だけが降るプールと同じ 何を言えば 何を言ってもつかまってステンドグラスの溶けだした色 ああどうか祈りが届かないようにゆれる木漏れ日の影に隠した

連作 夏が陽炎

はつなつと交差するような駅前の横断歩道のえいえんは赤 ぼんやりとしている頭のまま海の方向も知らずに走り出したい たのしいとかうれしいなんて気づいたらかき消えている夏が陽炎

連作 創れない箱庭

わたしには決して創れない箱庭を、ゆるされている者だけの特権 すこしだけ苦くて好きではない味のカフェオレ あの日の沈黙の理由 五線譜で乱高下する音符ならわたしの気分も曲になったのに

連作 風が音楽

あたらしく聴くアルバムに弱火ほどの火力の曲を見つけるしあわせ 弱火から中火に変わっていく曲の何千回と聴いても朝日 道をゆくひと そこに吹く四季や海、恋がもたらす風が音楽

連作 生命の色

はじまりがほしい ジュースなら百パーのオレンジジュースのやさしい酸味 はつなつの緑に励まされている再現できない生命の色 夏の海見えないけれどある、ように風が届けるパノラマ写真

連作 画面酔い

画面酔いするはつなつの夜 遮光アイマスク越しの月のつめたさ 手のひらで探るリビングの室温を、人工的な視界のしずけさ 火を知ったばかりの原始人のようひたすらまぶしい現代の火は

連作 はつなつはエバーグリーン

はつなつはエバーグリーン さやさやと子供の寝息のような広葉 頼ってもいいというように差し出してくれる常葉のたのもしさ 夏 髪をすくように射しこむ陽光の分け隔てないやさしさがすき

連作 見えないフェルトニードル

もうずっと見えないフェルトニードルで刺され続けている夜の皮膚 炭酸で焼かれる喉の感覚に似ている 君と話せない夢 薔薇の花みたいに振り向くなんてことない改札を通った後で

連作 春を抜けてもひとり

切れかかっている照明を消すように四月の椅子を片付けていく 汗をかくことの不快さ 水筒の坂が急勾配になる夏 最後まで自分の味方になることの難易度 春を抜けてもひとり

連作 Inferno

嘘をつくことだけ下手になっていく聖母マリアの錆びていく頬 どこまでが親切だろうか人間を信じる難易度 Inferno ひとつだけ余った神経衰弱のように人影が南東に向かう

連作 白いわくわく

左手をかすめる春の白い裾顔をあげればもう五月の芽 夏めいてきたわた雲の近さより白く見えている半袖のシャツ デイリーにこれから書くという白いわくわくを胸に終わらせる春