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連作 風だから(十首)

繰り返し叩かれて強くなる鉄のようで君から引き出した色

野良猫のような訛りを聞きながら急勾配の坂道を往く

ハンガーにコートを掛ける体温を残してくれない雪解けの君

水星の有刺鉄線のような眼で髪型変えたと尋ねてくれる

君だけが知っていればいい癖のこと終末みたいなルーフバルコニー

雨だって駆けだしていくうれしさで君の怒りに揺れる手を見る

好物が似ていないのがほんとうに他人って感じ パフェのさくらんぼ

手のひらが寄せては返す波ならば一億年後も笑わせている

なにもかも知ってはいない君のこと免許更新をするように知る

これからのことばかりだね風だから君が傷つく言葉だけいう




リハビリ代わりに、久しぶりに三首以上の連作を詠んでみました。
割と自分が好きな短歌を詠めたんじゃないかと思います。
二首目と十首目が自分の中で好きな短歌です。
これからもちょくちょく十首くらいの連作を詠めたらなと思っています。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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