自分にしかできない仕事でなければ意味がない。CRAZY WEDDING 山川咲が考える現代の結婚式とは。

「企画でメシを食っていく2019」、今回のテーマは「結婚の企画」。

ゲスト講師は完全オーダーメイドのウェディングで業界に革新をもたらし、2016年に毎日放送「情熱大陸」に出演。現在は起業家として「CRAZY WEDDING」の新ブランド「IWAI」に携わる山川咲さんをお迎えしました。

出来そうなことをやるのはつまらない。

「最初に企画した体験は何でしたか?」とモデレーターの阿部広太郎さんからの質問が飛びます。

山川さんの企画の原体験は高校の文化祭実行委員。出し物のどんぶりを作っているか、今結婚式をつくっているかの違いで、やっていることはずっと変わらないと笑顔で仰っていました。

いつもその根本にあるのは「出来そうなことをやるのはつまらない。未知の物をつくりたい」という気持ちだそうです。

コンプレックスの強い子供時代。

明るくパワフルな山川さんですが、意外にも子供時代はコンプレックスが強かったそうです。2歳の頃は両親といっしょにワゴンカーで旅していたこと。中3までお風呂は薪を焚いて入るような暮らしをしていたこと。

まわりと自分の違いを知ったときに「自分の何が間違っているのだろう?」「どうしたら認められるのだろう?」と考える日々。

自己否定をしてしまった時期を経て、みんなで一つのものをつくりあげる喜びを知り、「自分には自分の才能がある」と気が付いたのが高校生の時。自分に何かの力があるのなら、どこまでいけるのか試したいという思いがパワーの源になります。

信号待ちで気絶するくらい、がむしゃらに働いた駆け出しの頃。

業界で選ぶのではなく、どの会社であれば自分がいきいきと働くことができるかという目線で就職活動をした山川さん。7業界で8社内定をもらい、最終的に、ベンチャーの人材コンサルティング会社へと就職。内定を貰ったその翌日から、社員側として面接の場に出ていたというから驚きです。

寝る間も惜しみ、がむしゃらに食らいつく日々の中、赤信号を待っていたら気絶することもあったのだとか。しかし、どんなに辛くても、自分にしかできないことが目の前にあるのに、それをかたちに出来ないのが嫌で、入社したその日からやりたいことを見つけつづけていたそうです。

「伸びる時に、どこまで伸びられるかが大事」

だからこそ、若手の頃に、出来るようにならないことで悩むのはもったいないというお話もありました。

人生を懸けた会社を退職、そしてCRAZY WEDDINGへ。

ではそれだけ会社に懸けていた山川さんが、退職することになったのは何故でしょうか?

きっかけは2011年、妊娠・流産を経験し時短勤務から戻ろうとした時のこと。

上司からまた0からのキャリアになると言われ、目が覚めたそうです。経営者の気持ちで一生懸命働いていたのに、一従業員に過ぎなかったのかと。3月11日の東日本大震災とも重なり、同年退職します。

「人生を探求し、もがき続ける私の人生だからこそ、アウトプットできる事業がしたい」人が成長したり、自分のことを好きになったり、大事な人との関係性が良くなることに価値を見出す山川さんが、一番適していると考えたものが結婚式でした。

クレイジーな結婚業界が、クレイジーじゃなくなるために。

講義がはじまる前、「CRAZY WEDDING」という名前に尖った印象を感じていました。普通ではないクレイジーな結婚式を提供するのかなと。しかしながら、その真意はもっと深いところにありました。

自身の結婚式をつくりあげていく際、楽しかった半面、これはこうなんです、という決まりごとが多く結婚業界はクレイジーだと感じたそうです。

あえて「CRAZY WEDDING」と名乗り、最も本質的でユニークで美しい結婚式をつくろうと決意されました。いつかそれが結婚式のあるべき姿に変わっていって、クレイジーじゃないと言われる日を夢見て…

(ふ、深い!かっこいい!)企画生の心が、山川さんの心に惹きつけられていくのを感じます。

またコンセプトづくりにおいては…

「なぜ結婚するのか?」

ここにすべてが詰まっているというお話もありました。

「みんな自分の人生を探していて、どう生きたいかを知りたいと思っている。結婚は自分を知ることでもあり、相手を知ること。その部分を言語化してコンセプトをつくっていく」これが山川さん流。

「結婚式は自分でお金を出すから本気になるし妥協しない。だから良いクリエイティブができる」とも。未知の物を作りたいという気持ちがここでも原動力になります。

念願の「情熱大陸」その後の暗黒時代

2016年「CRAZY WEDDING」の卒業を決意したタイミングで、念願の「情熱大陸」の出演が決まります。しかしテレビで輝く自分とは対照的に、卒業後の暗黒時代は壮絶だったと言います。

その後の事業が上手くいかず、友人のSNSでの充実した投稿を見るたびに嗚咽して泣くほどの辛い日々。そんな中一筋の光となったのが妊娠でした。

一度流産を経験したからこそ、妊娠・出産を経て人生はとんでもなく大変で楽しくて素晴らしいと気が付いたそうです。

その後、新たに手掛けた「IWAI OMOTESANDO」は、人生を祝うことを考えつくされた結婚式場。きらびやかな中にいると特別感を味わえる結婚式ですが、そのままで素晴らしいからこそ、あえてシンプルにという考えは、山川さんの出産の経験も影響しているのではないでしょうか。

結婚ではなく人生だという概念を伝えたい。

今回山川さんからの課題は…

『年間入籍者約60万組中、結婚式を挙げない約30万組の方々がいます。(※この60万組に事実婚とLGBTQは含まれません)その人たちが挙げない理由は、経済的な理由、と今のスタイルの結婚式は挙げたくない、というのが50パーセントの理由だそうです。この人たちや、LGBTQ・事実婚の方々も含むみなさんが挙げたいと思う次のスタンダードになり得る結婚式を企画してください。

また、結婚式とは違うであろう、その結婚式に変わる名前も考えてください。また、その結婚式には今の何の要素が残ると思いますか?内容、価格帯、マーケティング方法、そしてそれが世の中の新しいスタンダードになる理由も教えてください』

でした。

まさに今の日本、そして山川さんが直面しているリアルな課題だと感じました。講評の中でも企画生の様々な意見や質問、結婚の価値についてが飛び交います。

山川さんが考える結婚式に必要なモノは以下とのことでした。

1.自分の人生を振り返り受け入れる
2.互いに想いを伝えあう
3.周囲に祝福してもらう

「ずっと手抜きをして生きている人なんていない。みんな何かに向き合っています。この人生じゃなければこの人と結婚しないということを言葉にし、相手に伝えること。また結婚式を通して自分を全肯定することもできまする。そしてそうさせてくれた相手に対してきちんと思いを伝えることが大事だと思うんです。」

また、

「”結婚式”おめでとうではなく、結婚を迎えた今日までの人生すべてにおめでとうと言いたい。”結婚”という点ではなく、”人生”という概念を祝う日だということをみんなに伝えたいと思っています。しかし結婚式という言葉のイメージが邪魔して、なかなか届きません。金額が高いとか、準備が大変だとかで人々が結婚式から離れて行っている状況をどうしたらいいか」

なんとかしたい今の状況について包み隠さず語ってくださいました。

最後に「山川さんにとって企画とは何か?」を伺いました。

「自分がこの人生を生きてきたからアウトプットできるクリエイティブ。その時、そのタイミングでの最大限の生きた証。

思わずうなる一同。

実は、中学生の頃からいつか葬儀のプロデューサーになりたいとも考えているという山川さん。自分にしかできないことに全力を注ぎつづける山川さんに、これからも目が離せません!

キャリアハックでの記事はこちら。

次回は犬飼博士さんによる「スポーツの企画」です。お楽しみに!

ライター:市川怜美
サムネイルデザイン:小田周介
写真:加藤潤

▼「企画メシ2019」の「フェスの企画」のレポートはこちら↓

▼糸井重里さんをお招きして開催した「企画メシ」の特別イベントのレポートはこちら↓

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企画でメシを食っていく2019

BUKATSUDO講座「企画メシ2019」にまつわるnoteのまとめです。
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