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第2話 日向三代の巻

【いっしょに〝記紀〟を旅しよう!】第2話  神話  日向三代ひむかさんだい

   多くの人にに読んでもらうためにはタイトルが重要という記事を見たので少し挑発的なタイトルにしてみました😁

  まぁ、昭和の初期なら本当に日本人誰でも知ってたんじゃないかと思うんですけど、今は学校では教えないし、本も読まないし、マスコミで扱う事もないから、知らない人がほとんどでしょうね。

記紀きき〟の神代じんだい最後に描かれ、その後人代じんだい神武天皇じんむてんのうにつながっていく話し。神武天皇から見て、ひいおじいさん、おじいさん、おとうさん 三代の話しです。

 神武天皇のひいおじいさんは瓊瓊杵尊ににぎのみことと言って、天照大神あまてらすおおみかみの孫です。この瓊瓊杵尊ににぎのみこと天照大神あまてらすおおみかみから三種の神器さんしゅのじんぎや稲穂を授かって高千穂峯に降り立ちます。これを天孫降臨てんそんこうりんと言います。

ちなみに天照大神あまてらすおおみかみの子とは、素戔嗚尊すさのおのみこと誓約うけいをして生まれた天忍穂耳尊あめのおしほみみのみことです。そして天忍穂耳尊と高皇産霊尊たかみむすひのみことの娘 栲幡千千姫たくはたちぢひめとの間に生まれたのが瓊瓊杵尊ににぎのみことです。

霧島神宮きりしまじんぐう 主祭神 瓊瓊杵尊ににぎのみこと


霧島神宮 ご朱印


 瓊瓊杵尊ににぎのみことは、大いなる山の神 大山祇神おおやまつみのかみの娘 木花咲耶姫こなはなのさくやびめと結ばれて兄 海幸彦うみさちひこ火闌降命ほのすそりのみこと)弟 山幸彦やまさちひこ彦火火出見尊ひこほほでみのみこと)が生まれます。弟の彦火火出見尊ひこほほでみのみことが神武天皇のおじいさんです。


山幸彦こと彦火火出見尊ひこほほでみのみことは、兄 海幸彦から借りた釣り針を無くしてしまいます。困り果てた山幸彦は 塩土老翁しおつつのおじに教えてもらって 海神わたつみ豊玉彦とやたまひこのところに行って助けてもらいました。そしてその娘 豊玉姫とよたまびめと結ばれて神武天皇のお父さん鵜草葺不合尊うがやふきあえずのみことが生まれるんですね。

青島神社 主祭神 彦火火出見命ひこほほでみのみこと 豊玉姫命 塩筒大神
青島神社 ご朱印
島へは歩いて渡れます。


 でも、ちょっといろいろあって豊玉姫は海に帰ってしまいます。代わりに妹の玉依姫たまよりひめが来て、鵜草葺不合尊うがやふきあえずのみことはおばである玉依姫と結婚します。そして生まれた4兄弟の末っ子が神武天皇です。長男は彦五瀬命ひこいつせのみこと、次男が稲飯命いなひのみこと、三男が三毛入野命みけいりのみことです。

後に兄弟揃って塩土老翁しおつつのおじに聞いた「四方を青山に囲まれた東の美しい国」へ旅立ちます(神武東征)。

鵜戸神宮うとじんぐうご祭神 鵜草葺不合尊うがやふきあえずのみこと


鵜戸神宮うとじんぐう ご朱印


 ざっとそういう話しで、つまり、 天照大神あまてらすおおみかみ素戔嗚尊すさのおののみこと高皇産霊尊たかみむすひのみことの血をひく天上界の貴公子 瓊瓊杵尊ににぎのみことが、葦原あしはら瑞穂みずほの国を治めるべく降り立ちます。それから三代に渡って山の神、海の神ともつながって、人皇初代 神日本磐余彦天皇かむやまといわれびこのすめらみこと神武天皇じんむてんのう)が誕生するという展開ですね。

神代紀の神統図(日本書紀主文)中公クラシックス 日本書紀Ⅰ 井上光貞監訳より引用


私の説明ではあまりに雑なので、神話についてもう少し詳しく知りたい方は↓

※「日本書紀」「古事記」で、登場する神や人物に使われる漢字や読み、内容も一部違うところがありますが、私の記述は基本「日本書紀」に従っています。


追記

古語拾遺こごしゅうい」に、天孫降臨で瓊瓊杵尊ににぎのみこと高天原たかまのはらの神聖な稲の穂(種)を持たせたとあります。

昔から神武東征とは水耕稲作を各地に伝えた伝承だと言う見方があります。

神武天皇が奈良の橿原宮で即位されたのを「日本書紀」は紀元前660年とします。奈良盆地に稲作が伝わったのは現在わかっているのが紀元前500年頃。御所市ごせしの秋津・中西遺跡で確認されています。 この遺跡を見下ろす山すそには第二代綏靖天皇すいぜいてんのう葛城高丘宮かつらぎたかおかのみや伝承地もあります。

橿原考古学研究所付属博物館展示パネル


水耕稲作を大和に伝えたのは神武天皇だったのでしょうか?
次回はいよいよ神武東征お船出の巻です。お楽しみに〜!



 




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