本記事は、ラスムセン・コンサルティングが発行しているメールマガジンTHE GAZETTEのバックナンバーを、日本語訳をしながら、コメントを加えながら読んでいくシリーズの一つである。レゴ®︎シリアスプレイ®︎のファシリテーター・トレーニング修了者向けに書いている。
この記事の引用元原文はこちらのPDFから読むことができる。
今号では前号に引き続き、ビジネス・シーン以外でのレゴ®︎シリアスプレイ®︎の活用について紹介するものとなっている。今号では特に大学教育での事例が紹介されている。
この記事から8年が経つが、学際的な活動の重要性はますます高まっていると感じる。筆者の勤務校でも、学部間もしくは学外の組織と連携したプロジェクト教育の数を増やす取り組みが進行している。「イノベーション」が、新しい組み合わせから生まれるという点から考えても、異なる領域の人々の力を結集させるコミュニケーション手法の必要性は高まっている。
適切なタイミングで適切な場所にいること
まずは教員たちがイノベーションの基本通り、異なる領域の教員同士でチームを組んで新たなイノベーション、すなわちレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを活用した授業プログラムを開発していったということが興味深い。
ナノテクノロジーの応用と意味を探る
科学知識そのものではなく、それを使う人間側の行動や倫理問題にフォーカスしたプログラムにしている点が素晴らしい。それらは決定論的な法則の発見ではなく、人々や人とモノの関係性をどう主体的に構築するかという(多少の制約はあるものの)自由論的なデザインの問題であるからである。主体的に構築できる領域だからこそ、イマジネーションが大きな役割を果たすことになり、皆のイマジネーションをつなぎあわせることのできるレゴ®︎シリアスプレイ®︎がピッタリの手法となる。
横のコラムにはこのプログラムを受けた生徒のコメントも以下のように紹介されている。どちらも、レゴ®︎シリアスプレイ®︎の特性を実にうまく掴んでいる。
LSP:汎用性の高いコミュニケーション・リサーチツール
先ほど述べたとおり、人々や人とモノの関係性をどう主体的に構築するかという(多少の制約はあるものの)自由論的なデザインの問題に対する応用力は高い。この最後に出ているテーマはどれも興味深く、一度は実施して、参加者のみなさんと考えを深めたいワークショップばかりである。