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レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを使って「マイクロストレス」への対処を行う

2023年8月号のハーバード・ビジネスレビュー日本版の特集は「マイクロストレス」である。

 この特集の先頭に掲載されている「マイクロストレス その正体と対処法」という論文によれば、日々の些細な出来事の中に潜み、なかなか目につきにくく、瞬間的には乗り越えられるストレスを「マイクロストレス」と呼ぶ。

 圧が強力で目につくストレスならば強く自制の気持ちが働き対応しやすいが、「マイクロストレス」による影響は、行動における変化も小さいがそれであるがゆえに繰り返し生じる。少し機嫌が悪い感じのまま、会う人会う人に接すれば、嫌な雰囲気が波紋のように広がっていく。
 その状態が改善されないまま、小さく積み重なっていけば、多くの人々の心身の健康を蝕んでいくというわけである。

 このように油断ならない「マイクロストレス」であるが、上記の論文ではさまざまな対処法が紹介されている。

 そのうちの有力な対応策の一つは次の文章に表れている。

 生活上のマイクロストレスを軽減するには(発生源は目立たない場合があることを認識しつつ)、それがどこで生じているのかを特定し、その波紋を追跡・理解し、はねのける効果的な方法を考え出すことが必要になる。

「マイクロストレス その正体と対処法」『ハーバード・ビジネスレビュー日本版 2023年8月号』より

 このマイクロストレスは見つけにくいため、改めて振り返り、生じていたかもししれない小さな心の動きをはっきりと捉えなければならない。

 この小さな変化をはっきりと認識するために、微妙な感覚や感情を色や形で表現してもらうことから始めるというアプローチがある。レゴ®︎ブロックなどはそれに向いている。そのレゴ®︎ブロックを使って内観を表現するレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドは「マイクロストレス」の問題を扱うのに役に立つかもしれない。
 また、レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを使って自分の状況について作った作品は「一段高い視点にたつ」のを助けることで、誰(何)からどのようにストレスを受けているのか、整理するのに役立つだろう。

 ただ、「マイクロストレス」についての表現が、同じグループの参加者になりそうであるなら(例えば、同僚や上司が同じグループに参加しており、それらが作品の作り手にとってストレス源であった場合など)、オープンな参加の場にしたり、社内でも利害関係の極力小さい人々でグループを組ませるなどの工夫をすることが必要となるだろう。

 この論文では、他の人と多様なつながりを持つ形で生活を設計しようと意識することも「マイクロストレス」の有力な対処法として推奨されている。そのきっかけとしても、利害関係の極力小さい人々でグループを組ませるのは良いだろう。レゴ®︎シリアスプレイ®︎の魅力のひとつは、作品を通じて相手のことがよくわかるので初対面のひと同士でも仲良くなりやすいということにあるのだ。

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