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3Dセルフ・インタビューの拡張:自己のエッセンスを見つめ問題への対処を考える

 先日、3Dセルフインタビューの11月分を行って、自分の状況から次のステップを考えた。

 この3Dセルフインタビューについて、他国のファシリテーターも含めて、その考え方や方法を紹介したところ、思いのほか好意的な反響をいただくことができた。

 その中に、モデルを作ったのち、もう少しコーチングを参考に問いをそろえてみてはどうか、というコメントをいただいた。
 コーチングを参考にすることで進め方も変化する。そのポイントは2つある。

(1)自分の理想の状態を描いてみる
(2)自分の持っているエッセンス(本質)に目を向け活用を考える

 11月の3Dセルフインタビューのモデルを見直し、(2)について考えてみることにした。
 私のモデルでは「感情」や「アクション」は表現されているものの、自分の中のエッセンスは表現されていないと感じたからだ。この「エッセンス」が現状をより良い方向に展開するためのカギとなるかもしれないと考え直した。

「自己のエッセンスモデル」を作る

 そこで5分ほどで「自分の中のエッセンス」について手を動かし、ブロックで表現してみた(WEBをもう一袋用意)。
 「エッセンス」を言葉としてどう理解するのかについては、なかなか難しいところがあるが、今回は「自分にとって最も大切な思考や行動の基盤となっているもの」というイメージを持ちながら作っている。

自己の中にあるエッセンス・モデル(全体)

 エッセンスなので、このモデルに現れた私のエッセンスを一言で言えば「困っている状況に解決策を提供する」ということである。

 実際に、困った状況に置かれると「なんとかしたい」と自分の知恵と行動を総動員して解決策をひねり出そうとする。それが苦痛というより「好き」なのだ。もちろん、結果としていつも上手くいくわけではない。

 そしてモデルでは、エッセンスを下支えする要素も表現されている。

自己エッセンス・モデル(上部拡大)

・緑の波形:何とか状況に合わせて解決策を出す(エッセンスの核)
・黄色の目玉x2:複数の視点から解決策を考えるようにする
・オレンジのプレート:相手・関係者の声をよく聞く
・黒い棒:より幅広い情報の送受信
・灰色の橋形:人脈をつたって問題解決のヒントを集める

モデルの上部は、エッセンスを支える行動の要素が比較的表現されている。

自己エッセンス・モデル(下部拡大)

・黄色と赤の透明パーツ:レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの経験と知識
・緑のブロック:プロジェクト型教育の経験と知識
・ピンクのブロック:心理学・認知科学の知識
・赤のブロック:組織論の知識
・青のブロック:ビジネスや経済の知識
・黒のプレート:さまざまな領域横断的に知りたいという好奇心と意欲
・オレンジのブロック:文化コンテンツの娯楽(ゲーム・映画・漫画・小説・レゴなど)が好き。
・ピンクの花:意外なこと、思いもかけないことを考えるのが好き。
・白の足:面白そうなことに向けて積極的に動く。

下部には知識や経験に関することが比較的多く表現されている。

エッセンスモデルから3Dセルフインタビューモデルへの示唆

 このエッセンスモデルが、現在、自分の状況の中で、課題だと感じていることにどう影響するのかについて考えてみた。

 11月の3Dセルフインタビューモデルで示された問題は以下の通り。
①より高い視点で遠くを見ることができていない。
②今関わっている3つのプロジェクトの先を見通せていない。
③年末年始のLSPコミュニティへの関わりが明確でない。
④職場から離職者が出て不安である。

 自分のエッセンスモデルによってどのように、こうした問題に対処できるのかを考えてみた。具体的にエッセンスモデルの要素と3Dセルフインタビューモデルの中の問題との関連性を紐のパーツで結ぶように表現してみた。

自己エッセンスモデルと3Dセルフインタビューモデル

①高いところから見る問題に関して:エッセンスの中の自分の知識や経験を改めて見直して、そこから大きな研究計画を構想する(実際に始めている)。
②プロジェクトの先を見通せない問題に対して:基本的には①により解消できるが、「ビジネス知識」と結び付けてプロジェクトの継続・発展可能性を高めたいと考えた(これからビジネスモデルキャンパスに入れ込んで考えてみることにしました)。
③年末年始のLSPコミュニティへの活動に対して:これこそエッセンスを使って今、コミュニティが必要とされていることを考えて提案をする。
④離職者に対して:紐パーツを結べなかった。もっとピンチになったら自分のエッセンスが働きだすのかもしれない。

拡張方法を試してみての振り返り

・3Dセルフインタビューのみに比べ、自己の表現が拡張したので、その分、解決策がより具体的、明確に意識できるようになった

・ワークの追加の時間としてはエッセンス・モデル作りと関係性の考察を含めて30分程度である。オプションとしては十分考えられる。

・エッセンスはそう大きく変わっていかないと思うので、年間目標モデルのように1回作っておき(壊さず)、各回の3Dセルフインタビューのときに引っ張り出して使うという方法もありそうだ。

・紐パーツがあると便利だが、無くても指差し確認でもできる。写真をとってタブレットアプリ等で写真に線や言葉を描き込むという方法もあるかもしれない。

・「エッセンス」のモデルを作るときにどう定義し、イメージさせるか、問いの出し方を工夫したい。

・年齢が若かったり、十分な自己成長投資をしてこなかったり、自分に対する自信が低いと「エッセンス」が出にくいかもしれない。その場合には、外部に解決のリソースや機会を求める思考に切り替えるのが良いかもしれない。そのときは「エッセンス」モデルではなく、未活用リソースやエージェントを探るようなワークのほうが向いているかもしれない。
 ただ、そうなるとWEBではなく最低、Starter Kitぐらいが必要になるかもしれない(ちょっと手軽さが損なわれてしまうのが難点ですね)。

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