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取り組むべき課題について考えることとレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッド

 全員で何らかの課題を解決しようとすることは大事であるが、「何が取り組むべき課題か」を考えず、なんとなく課題として設定しているのであれば、それを考えてみる価値がある。

 なぜなら、実際に、課題といっても、人によって理解やとらえ方が異なるからである。例えば、「離職問題」は、ぱっと文字を見ただけだとかなり明確な問題のように感じられるが、人によって問題である離職とそうでない離職が人によっては区別されていたり、離職する人に与えた影響よりも離職によって職場に残っている人達への影響のほうが人によっては重要だと考えることもある。

 そのことは、課題のとらえ方は多様であるということとともに、組織や社会における課題は単独で存在するではなく「課題群」として存在しているということでもある。

 そして、システム的な観点に立てば、各課題は連動している。

 それは厄介さの源にもなりうるが、一つの課題への取り組みへの効果が、連鎖的に他の課題の解消にも影響が出る可能性があるということである。
 逆に、ある課題への取り組みが他の課題を悪化させるという場合も可能性としてはある。

 要するに、ある課題に取り組む前に、「課題群」を認識し整理していくことは、遠回りのように見えても結果的に効果的かつ効率的となる可能性がある。

 これらのことを踏まえ、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドを通じて、課題についての考え方をモデルで表現していくことにはいくつもの価値がある。

・課題についてのモデルとその説明を聞き比べることによって、ある課題が人によってどう異なってとらえているかを可視化できる。

・課題についてのモデルについて詳しく見る(質問で追加で考えを引き出すことも含む)ことによって課題のなかの要素(課題を生み出す原因や結果)も整理しやすくなる。

・モデル同士の視覚的な共通点などを手掛かりにすることで、「課題間の相互関係性を整理する」という、もともと抽象度の高い議論を全員参加型で検討する場を生み出せる。

 課題は常に移り変わっていく。そのため、1回のワークショップでの分析結果や取り組み案で、その後は全く課題が無いという状態は作ることはできない。しかし、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドのワークを通じて、課題というものにどう向き合えばいいのかという基本的な考え方を理解することができる。そのワークに参加することは、その後の様々な場面にも大いに役立つであろう。

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