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世界を抜け出すこととファシリテーターのふるまい

 レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで現在の状況を作る(作ってもらう)ことが度々ある。

 その状況についてのモデルを観察しているとき、作り手の思考の癖が見え、その思考の癖よってその人の状況が生まれていることに気づくことがある。

 ファシリテーターがモデルの作り手より先にそのことに気づいた場合、ファシリテーターは、作り手に現在の状況を大きく変える方向に舵を切る(切ることができるチャンスがある)ことをどう扱うべきだろうか。

 「思考の癖」という表現は、どのような考え方であってもすべての問題から解放はされないし、何らかの限界が必ずあるということを暗示している。つまり癖を無くすことはできない。癖があるからこそ、本人が満足する状況が生まれることもある。

 同時に、その「癖」を捨てて、別の考え方を取り入れることで、もっと満足できる状況ができてくる可能性もあるし、逆に苦しむことがあるかもしれない。それは抜け出してみないと分からないものだ。映画「マトリックス」で描かれていた世界のように、目覚めることで後悔する可能性がある。

 ファシリテーターのできることとしては、まず、自分の思考の癖が世界をつくりだしているということを上手く理解させることだろう。そのうえで、「変わってもいいし変わらなくてもいい」ということを示すことであろう。

 幸いなことに、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドは、「もし~なら」をレゴ🄬ブロックの助けを借りて参加者に想像させることができる。思考の癖を捨てた先の世界を見てもらって、現在の良さと限界を再考してもらう時間を作り出すことがファシリテーターとしてすべきことなのだろう。

 それ以上の良い介入の形があるかどうかは、現在の私の経験と力量ではわからない。また時間が経てばこの問題に戻ってこれるかもしれない。

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