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夢。夢は、つまり危険なのだ、私にとっては。

首都圏や関東圏での緊急事態宣言が私たち地方にも多大なる影響を与えるのをご存知ですかね…。

さて、久しぶりにエッセイを。

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寝るときに見る夢のことは私にとって、他愛もないものであると同時に、特別なものでもある。

明石家さんまさんの「生きてるだけで丸儲け」という言葉が大好きで、人生の一大事となった病の床でもさんまさんを訪ね歩いて、私は夢の中を彷徨っていた。夢の中でのそれは、私の中で完全に現実だった。

夢は、つまり危険なのだ、私にとっては。

現実世界と夢の中の世界が、交錯して訳がわからなくなってしまいそうになる。まだ分からなくなってはいない、かろうじて。その実感は救いだ。

夢遊病ではないが、デジャヴが頻繁に起きているような夢の見方をするので、現実との境が曖昧な感覚とその余韻が残る、という目覚め方をしてしまう。

そう、これは一種の病に違いない。

そしてすぐに忘れることが曖昧さに拍車をかける。自分で言ったり書いたりした言葉もすぐに忘れてしまう。

同時にしばらく前のことを鮮明に覚えていたりもする。その鮮明さから現実だと思い込んでいることが、実は夢だった、なんてことはないと祈るばかり。

記憶とはなんと頼りないものか。

だからこそ、嫌な思い出も、素晴らしい思い出に塗り替えることができるのかもしれない。

退院後に拠り所にしたのは、茂木健一郎さんの脳科学の本だった。脳は、永遠に探求を続けるミステリーそのものだ。

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