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「編集とは」。vol.14...編集長の書き置き。

編集とは。続きです。これまで同様に、月刊誌のさらに情報誌の編集ってことで、具体的な内容になります。

取材相手が企業の場合についての話で、現場での留意点になります。

予め送ってあった質問案を手元に置いて、取材相手の分もプリントアウトを用意します。

上から順番に答えていただきますが、もらった答えでこれは、と思ったポイントや会話の中で疑問を持ったことなど、深掘りして聞きます。

制限時間がある場合には、質問案の中から取捨選択をしていきながら、時間調整をします。

難しいケースは、相手が言葉を長く発してくれない場合ですね。ひたすら待つ場合もありますが、質問者側が少し答えを誘導するような聞き方も必要になります。

ただしこれをやり過ぎると、取材相手が「そうですね」しか声を発しなくなる場合もあるので、気をつけましょう。

逆に相手の話が長過ぎる場合もありますが、時間さえ許すのであれば、長くても悪いことは少ないかなと思います。ただし、脱線話ばかりだと困ってしまうのも確かです。

対策は、なかなか話をしてくれない方には、相手が「いや、それはね、〜」と、話をしてくれるように、こちらの意見を大袈裟に言うというやり方もあります。相手にわざと否定させるやり方ですね。有名な話では、わざと相手を怒らせるようなことを言って、話を引き出すという高等テクニックもあるようです。私にはまだそのスキルはありません。

脱線が多い方には、根気強く付き合うことは前提として、はっきりと「なんだか脱線話の方が盛り上がってますね〜!こちらも別に特集でも組みますか!?笑」とか「この調子だと一晩明ける勢いですが、時間に限りがありますから」とか、こちらも少し大袈裟に、できればユーモアを交えて注意を促します。

インタビューが楽しくて仕方がない、という姿勢を崩さないままで、こちらは仕事で話を聞きに来ているんだということは、分かってもらうようにしたいですね。

最初に、記事ではどういった話を聞きたいのかを宣言してしまう人もいるでしょうし、雑談からいつの間にか核心をつく質問を投げかける人もいるでしょう。

正しいやり方が、決まってあるわけではないので、自分の性格や雑誌の性格も踏まえた上で、質問者たる演技が必要になるでしょう。

ライターの方なら、依頼主である媒体の性格を理解して、その媒体の人間として聞きに来たことを自覚するのがいいと思います。

ライターさんのそういった姿勢や努力は、取材相手や依頼主の編集サイドにも伝わって、評価に繋がるのではないかなと思います。

企業取材の場合には、基本ですが、会社概要を押さえるほかに、業界の簡単な知識(取材先は市場の中でどのくらいのシェアを確保しているのか、一番力を入れている事業は何か、課題があるとしたら何かなど)を、予め勉強しておきましょう。

長い上に、今回は堅い内容になってしまいました。明日は、外注の際の留意点について紹介してみます。

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