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自然農に惹かれて

子供のころから生き物が好きだった

虫や観賞魚、植物が家にあふれていた

その流れで獣医師になった

今も自然の中にいると心が穏やかになるし、自然が大好きだ

妻と共通の趣味はガーデニングだ

週末は川遊び、釣り、キャンプ、そして畑に行くことが多い

そんな僕なので、自然農に惹かれるたのは必然だと思う

では、なぜ慣行農法(一般的な農法)ではなく、自然農なのか?


その前に、自然農とは何か?

厳密な言葉の定義は置いといて、簡単に言うと、農薬や肥料などの人工物を使わない農法のことだ

でも、一部の肥料は使う その畑に生えた雑草から作った堆肥などだ

その他、酢も使うし、籾殻や米糠も使う

僕がやろうとしているのは、厳密には自然農とは言えないかもしれないけど、どんなものか分かっていただけただろうか?

自然農を実践している畑では、自然の循環が生まれる

草が枯れて、土壌微生物の働きで分解され、作物が利用できる形の栄養となる

害虫とされる虫を食べてくれる益虫がいて、その益虫の天敵となるヘビや鳥がやってくる

小さな生態系がよみがえり、適切なバランスが保たれる

その状態がなんとも言えずいい感じなのだ ワクワクし、心が躍る

自然の循環を感じ、その中に入って、自然とつながっている感覚になる

だから、作物が育たなくても苦になりない

自然農をやっているそのプロセス自体が楽しい

肥料過剰な状態の畑で育てる作物には害虫がつきやすくなる

言い換えると、無肥料の畑で育つ作物には不自然に害虫が大量発生することは少ない

とは言え、やっぱり害虫がいなくなる訳ではなく、対策が必要だ

先人の知恵を借りて、害虫被害を最小限にする努力をする

決して根絶させようとはしない

例えば、ウリ科の作物は苗が育ってまでの間にウリハムシに食べられてしまいやすい それを行燈で守る


無肥料で育つのか?という疑問も湧くだろう

畑の土がいい土になるまでは、雑草堆肥などを入れて耕す必要がある

自然農では除草剤を使わないので、畑にたくさん草が生える

その草を刈って畝に敷くのだ

その草はゆっくりと土に還り、天然の肥料となる

草を敷くことは他にも色々な恩恵をもたらす

表土の乾燥を防ぐ

雨の跳ね返りで葉の裏に土がつくことを防ぐ

生物たちの棲家になり、多様な生態系を生む

地熱を適度に保つ

などなど


とは言え、草刈りは大変だ

その他、自然農では色々と手がかかる

なので、農作物を売って生計をたてるのは難しいだろう

自給自足、育てる喜び、自然を学ぶ、リフレッシュ、、などを目的にすることが多いと思う


畑に行くと自然からエネルギーをもらう感覚があり、不思議なくらい心が安らぐ

無心になって草を刈るのは、瞑想をしているような感覚になる

焚き火を前に、ボーッとしている時に近い、心地いい感覚になる

僕が畑に通いたいと思う大きな理由の一つがこれだ

それを僕の周りにいる人達に伝え、体験してもらいたいと思う

自分が動物病院を開業して、開業獣医師時代の前半は身体を酷使してボロボロになり、後半は人の問題に悩まされて鬱っぽくなってしまった

仕事って何? 人生って何?

ということを考えるようになり、迷った挙句、会社を売却した

そして今、お金の不安などあるけれど、自分の決断は間違っていなかったと思う

自分と似たような苦い経験をした人の助けになりたい

僕のように会社を売ったり、仕事を辞めるという選択もあるが、他にもいろいろな選択があるはずだ

慌ただしく過ぎていく日常から一歩引いて、頭を空にして、気持ちをリセットしてみるのもいいと思う

言葉で伝えようとしてもなかなか伝わらないし、むしろ逆効果かもしれない

一緒に畑で身体を動かすという体験が何かのきっかけになるかもしれないと思う

焚き火会の次はこれを形にしていきたいと思っている

子供連れでも来てもらいたいし、周りを気にせず、畑での時間を楽しんでもらいたい

今、借りているのは家庭菜園なので、人を呼んで一緒に作業をすることが難しい

まずはそれを実践するための畑を探さないといけない

いい場を作りたい

また、次の夢を追いかけよう


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