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読書note③ 『火星年代記』

【タイトル】 火星年代記
【著者】    レイ・ブラッドベリ
【ツール】  audible
【読了日】  2022年11月

オススメ度 ♡♡


前回読んだ『華氏451度の流れで、同じ作者の代表作を読んでみた。

火星に地球の人間が少しずつ移住を始める時代(設定はなんと2030年代!もうすぐ!)、その中で起こるいろいろな出来事が、短編のように日付と共に一話ずつ綴られていく。
全て「火星の上」の出来事だけど、それぞれの物語は関係があったりなかったりする。

そして読み終わった瞬間、「えまって、終わり??」 って声に出たぐらいの唐突な終わり方。
あれ、あの話はなんだったんだ。。結局、火星人はどうなってんだ。。
時間と空間の絡み合いが複雑で、最後まで全体像が見えないまま放置されたような感覚だった。

 でもたぶん、この本は全体像を頭で理解しようとしちゃいけないんだなと。

短編の詩集を読むように、情緒的な文章の世界にその都度引き込まれて、そのまま薄ぼんやりと記憶に溶かし込んでおけばいいんだと。

そう思えるぐらい、情景や感情の表現が詩的で美しい。
個々のストーリーはどれも哲学的で示唆に富んでいて、単なるSF小説と呼ぶことはできない気がした。

1950年に書かれたこともあり設定が古いのと、ちょっと好き嫌いが分かれそうなのでオススメ度は低めだが、個人的には結構好きかも。

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