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0808|小さなお店|その4

お店をはじめることが決まったあとだったと思う。神戸のカフェハルでAntennaというバッグのブランドの展示があった。神戸にある百貨店の催事を案内するための垂れ幕を再利用(アップサイクル)して作られたバッグたち。

スイスのFREITAGフライタークが有名だけどあれはターポリンで、こちらは布。そしてターポリンと同様ではないけど撥水性、耐久性もある。

布の質感、カラフルな色合いと組み合わせ。メンバーにパタンナーさんがいてオリジナルのデザイン、しっかりとした縫製。

意味をギリギリ持ちそうで持ち得ない、絶妙にトリミングされた漢字やカタカナ、数字・英字・記号がとてもいいアクセント。デパート催事の垂れ幕って、その文字情報しか意識しないから色味とか覚えてなかったけど、こんなに鮮やかなんだ〜見て、触って、とっても楽しい気持ちになった。

ふと「お店に置きたいな」と思った。いやいや、期間限定のお店だし。どんなお客さんが来るかもわかんないし。「気になっているんです」とだけ伝えてお店を後にしたけど、やっぱり後になっても気になるから結局置かせてもらうことにした。

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販売の基本があるなら、まず商品が良いものであること。
その点、Antennaのバッグは充分、魅力的だった。デザイン、素材も縫製もばっちりだ。
次に、売れる適切な場所、マーケットがあるかどうか。
これは完全にわたしの設定ミス。インバウンド客はまだ少なく、そもそもあまりスキーリゾートで動きそうなものではなかった。
今だったら(もちろんその時でも)店頭在庫を同時に通販で売ることもできたかもしれないなぁ


最近、その時自分用に購入した、きれいなブルーの小さなバケツ型バッグを久しぶりに使っている。たまたま立ち寄ったお店の人がそれを見てどこのものか訊かれ、Antennaさんに連絡してみた。残念なことに今はもう、作っていないそう。一気に月日の流れを感じた。

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