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世界の多様さに目をみはること。それが外国語学習の一番に楽しいことではないでしょうか。


この文章は自分が大学に入学して第二外国語を選ぶ際の手引きに載っていました。後々分かることなのですが、この文章は私の大学時代の恩師である先生が書かれていたものでした。

自分の大学では、第一外国語として「英語」、第二外国語として、「ドイツ語」、「フランス語」、「中国語」、「韓国語」の中から1つを選択しなければなりませんでした。

個人的には小中とサッカーをやっていたこともあり、「サッカーはドイツが強い」という印象を持っていました。また、当時はスポーツ関係の仕事に就きたいと考えていたので、スポーツが強いドイツは良いなと思っていました。

で、手引きのドイツ語のページを見た際に、この文章と出会ったのです。大学1年生の時って、まだ何も知らない状態なわけですから、「本当にドイツ語を選択して良いのだろうか」というちょっとした不安を持っていましたが、この文章を読んで、「ドイツ語を勉強しよう」と決心できました。

この文章は、自分の背中を押してくれた、自分にとって大切なものなので、10年前のものですが写真に撮って手元に置いていました。

是非とも、noteをやっていて4月から大学に入学する方にもこの文章を読んで頂き、自分にとってベストな選択ができる一助になれば良いなと思って、この文章を公開してみました。


~本文~


世界の多様さに目をみはること。それが外国語学習の一番に楽しいことではないでしょうか。私たちはドイツ語の学習を通じてその楽しさを皆さんと分かち合いたいと思います。

ドイツ語は英語と同じ西ゲルマン語族に属し、英語とは姉妹関係にあるため、すでに英語を学んだみなさんにとって最も親しみやすい言語の一つです。

”Good mornig”は"Guten Morgen!"(グーテン・モルゲン)と言いますし、"What is that?"は"Was ist das"(ヴァス・イスト・ダス)です。

さらには、”house”☞"Haus"(ハウス)、"boat"☞"Boot"(ボート)、"name"☞"Name"(ナーメ)、"butter"☞"Butter"(ブタ―)、などの例にもびっくりしませんか?英語学習でさんざん苦しめられた「綴りと発音の不整合」が、ドイツ語では断然少ないことがお分かり頂けると思います。実際の発声・聞き取りに際しても、一般の日本人にとっては英語よりもドイツ語のほうが容易である、と強調しておきましょう。

「でも、ドイツ語って文法がめちゃくちゃ難しい、って先輩が言ってた!」などというひともいるかもしれませんね。そう、ドイツ語の細やかな文法システムが「ドイツ語=難しい」という誤解を多くの初学者に与えているのは事実です。しかし、それは全くの誤解なのです。この場で詳述する余裕がないのが残念ですが、中級以上に進んでいくと、ドイツ語文法のシステマティックで明快な構図に、「高校で学習したあの雑多で捉えどころのない英文法は、一体何だったのだ?」と驚愕するものです。語順の感覚(自由度)が日本語と似ているということも習得を容易にしていますし、さらには基本語の組み合わせによる語彙の構成原理も魅力で、つまり英語のような膨大な語彙に圧倒されることはないのです。(たとえば英語"refrigerator"の語源が一目で分かるのは、英米人でもよほどのインテリです。ドイツ語なら"Kühlschrank"「冷たいKühl+戸だなSchrank」という、小さな子供でも分かる組み合わせで、「冷蔵庫」です。)

ドイツ語のような細かな文法システムは、実は英語もかつては類似のものを有していました。ドイツ語の文法を学ぶことにより、ゲルマン語として英語の古層が見えるようになって英語の底力がつく、そういう効用も見過ごせません。つまりドイツ語を知って英語がよく分かるようになった、と多くのひとが経験しているのです。

ドイツ語を母語として話す人々は、ドイツをはじめ、オーストリア・スイスなどを含め約1億人です。これはヨーロッパで英語を母語とする人口(約5千7百万人)よりはるかに多い数になります。

明治の開国期から現代にいたるまで、科学技術・医療・環境政策から、文学・演劇・映画・芸術・建築・哲学・心理学・音楽そしてスポーツにいたるまで、ドイツ語圏は絶えず日本に刺激を与え、魅了してきました。なかでもドイツは、EU(欧州連合)の核として、またヨーロッパ一の経済大国として、これからも日本が親密な関係を欠かせない国です。グローバリズムが今後ますます進んでいくであろう現代の世界にあって、英語による文化支配(?)にしっかりと対峙していく、そういう観点でのドイツ語学習も極めて有意義であります。

インターネットのおかげで、実用的なドイツ語を身近に使える機会はみなさんの上の世代よりも格段に増えています。ドイツ語圏で就職、という熊本大学の卒業生も必ずしもまれではなくなりました。なにもそんな中級以上の話をしなくとも、海外旅行程度のドイツ語会話であれば、大学1年間の学習があれば、相当なものが身に着きます。(ドイツは親日国でもあります。たとえカタコトでも、「日本人がドイツ語を話している」ということだけで、現地での喜ばれようといったらありません。)

ドイツ語は楽しい!そして役に立ちます。みなさんがこのドイツ語の世界を自由に羽ばたく人となることを、私たちは願ってます。


「スポーツ」を丸で囲っている…笑


~個人的補足~


個人的に2点補足したいなと思います。

まずは、ドイツは留学のチャンスが広いということです。普通に大学の交換留学制度や留学プログラムを使ってドイツに行くことはできます。それに加えて、今自分がやっている「BFD(FSJ)」、「オペア留学」、「Ausbildung」、「ワーホリ」、「正規進学」などの選択肢がドイツにはあります。旅行でドイツに行くのも素敵な体験です。とにもかくにも、せっかく大学でドイツ語を勉強したのだから、現地に行って実際にドイツ語を話して、自分の力がどれだけ通用するか試すのは非常に有意義な事だと思います。それを可能にする選択肢が多いのがドイツであることを最初に申し上げたいです。

これも追加で紹介☟


2点目は、学費の低さです。これは交換留学や正規留学の際にかかわる話ですが、ドイツの大学は学費が全然高くありません。なので、いつか留学しようと考えていらっしゃる大学新1年生の方は、ドイツ語を選んでおくとお得だと思います。また、ドイツの大学には英語で行われる講義も多数ありますので、英語を用いてドイツに留学することも可能です。その際に幾らかドイツ語を知っておけば、それだけでアドバンテージになること間違いなしです。

個人的には最初は「サッカーが好き☞ドイツはサッカーが強い」という単純な動機でドイツ語を選びました。そこから色々なことを経て、今はドイツにいて、ドイツで森の幼稚園の先生になろうと奮闘しています。結局、何語を選んでもそう大差はないと思うので、何か自分の好きな事と絡めることが出来る第2外国語を選ぶのが一番かなと思います。

なので、「この言語は簡単(or難しい)だから」や「仲の良い友達がこの言語を受けるから」みたいな理由で第2外国語を選ぶのは、ちょっともったいないかなと個人的には思います。やはり、貴重な大学生活の時間を使って勉強するわけですから、自身の見識を深めることが出来そうな言語を、他人の意見に惑わされず、自分で決定して欲しいなと思います。

恩師はドイツ語の授業に際して、文法や単語の勉強はもちろんのこと、ドイツ語の歌、アニメ、詩、書籍、映画、劇、食べ物など幅広くドイツのことについて教えて下さいました。そういう経験を経て、サッカーだけの興味だったのが、いろんな分野への興味に変わっていったのは、とても良い変化だったと思います。

上記で取り上げた文章に載っていたように、「世界の多様さに目をみはること」が、外国語学習の醍醐味だと感じています。大学に入学する18歳前後の人達の中で、日本以外のことも知っている人はあまりいないと思います。「日本的な考え、日本的な行動、日本的な生き方」に凝り固まらず、それら以外のことを知ることで、自分の人生をより自由に、より豊かに生きることが出来ると思います。


最後に宣伝として、トビタテ留学ジャパンについて、過去に書いた記事を載せておきます☟「入学の次は、留学!」という言葉のように、1人でも多くの新入生の方が、留学に興味を持って頂けたら幸いです。


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