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【エッセイ】ギリギリの人生(700字)

我が家は夫婦揃って持病があるため、必ず医療費が10万円を超える。国民皆健保のかなりの恩恵を受けている。ケンコーなみなさん、ありがとうございます。あと、若かりし頃病院にかからなかった自分にも感謝。

だから禄で生活しているが、行政年度末には必ず確定申告をする。そのほかにもふるさと納税やら寄附金(国境なき医師団)やらの控除も受けられるというのもある。しかし、あまりに薄給のためと高校生の娘がやっと控除対象になったため所得税に至ってはもうほとんど払っていない。あまり還ってこなかった。だからと言って確定申告をサボるわけにはいかない。住民税は貧乏人も金持ちも一律10%なのでこちらの控除のために確定申告しているようなものである。

そんなことを言いたいのではない。医療費控除について。毎年、年度末に必死に妻から医療機関の領収書をもらい、いつもギリギリになるまで入力をしない。今年こそは領収書の内容をこまめに入力し、確定申告の時が来ればPCで必要事項をサクッと入力して終わりたいのだが。夏休みの宿題を8/31に徹夜でこなす小学生のようにいつも3/15のギリギリまで医療費の入力まとめをサボっている。そして毎年思う。今年こそは来年に向けてこまめに入力しよう、と。

しかし、人間という生き物はどうやら行き当たりばったりの性質を抱いているようだ。確実になくなるとわかっている原油は最後の一滴になるまで使い続けるだろうし、永遠の成長という絶対にあり得ない条件のもとに成り立つ資本主義経済という妄想に取り憑かれ、バカみたいに株式投資という壮大なババ抜きを皆でしている。情けない。

かく言う私もその一員なので偉そうなことは何ひとつ言えないのだが。

今年こそは!来年の確定申告のためにこまめな医療費の整理をしよう!


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