見出し画像

韓国ドラマ『未生ーミセンー』

【久しぶりに観て】

最近、BSで放送が始まったので久しぶりに観てみました。
きちんと観たのはもう結構前なので間違った事も書いてしまうかもしれませんが…。

今観ると、出ている方達がかなり豪華な事に驚きます。
主人公の周りの方達も、今では主役をやっている方が多く
そして何より皆さん若い…。。。
という事は、私が昔観た時からかなり年月がたったのだなと感じました。(韓国で2014年放送)
ヒロインというか紅一点の女優さんはつい最近ご結婚されたとか。
主人公に少し意地悪なエリートメガネ君をやっている方は
今ちょうど日本でリメイクされている未満警察ーミッドナイトランナーの本間快君の方を演じています。

未生も日本でリメイクされました。
でも、韓国版を観た時ほど心が動かされなかったんですよね…。
どうしても日本のドラマの方が短いので
カットしなければいけないエピソードがあり
そういった所が個人的には
いいドラマなのにもったいないと感じてしまった要因かなと思います。

【物語の始まり】

主人公は26歳で初めて就職します。
と、言ってもインターンです。
十何名かのインターンが日々の業務やプレゼンなどを行い
最後まで勝ち残るのは1,2人といった感じで
落ちた人は又他の会社のインターンになって
就職先を見つけるようです。
韓国はこんな就職の仕方なんですかね。
争うインターンの仲間はみんな一流大学を卒業している優秀な人材ばかり。
一方、主人公は最終学歴が高卒認定試験
大学にはいっていません。
知り合いのコネでインターンになる事が出来たのですが
周りからはコネ入社と陰口を叩かれます。
そのコネも誰のコネなのかも分からないレベルで
知り合いの知り合いくらいの
はっきり言って会った事も名前も知らないような相手です。

配属された部署の上司に初日に色々と聞かれます。
「大学はどこか」
「(大学は)いってないのか中退か」
「外国語は出来るか」
「今まで就職した事はあるか」
「特技はあるか」
答えは全てNOです。
「今いくつだ」
「26まで何をやっていたんだ」

主人公は自分でも心の中で言います。
「僕は26まで何をやっていたんだろう」と。

【主人公】

本当は何もやってなかった訳ではありません。
プロ棋士(囲碁)になる為、高校へもいかず頑張っていたのです。
日本でも同じようにプロ棋士になる為には
年齢制限があります。
彼はいよいよプロ棋士になる為のランクになった時
父親が突然亡くなり、そのショックで母親が倒れ
アルバイトをしながらプロを目指さなければいけなくなりました。
母親はのちに元気になりますが
アルバイトを辞められる家庭環境ではなく
囲碁の勉強をしながらアルバイトをする生活が続きます。
今まで通り闘えればきっとプロになれたでしょう。
しかし、アルバイトに時間をとられ対局の勉強がどうしても疎かになってしまい
なかなか最後の一勝を掴む事が出来ません。
周りは以前の自分のように
24時間囲碁のことを考えているような相手です。
ましてやプロという狭き門。
結局、勝てないまま年齢制限という終わりを迎えてしまいました。

【夢破れて】

それからは軍隊へ行き、除隊後はアルバイトをする生活。
学歴社会の現代では就職活動もままなりません。
そんな時に母親から言われます。
知り合いに頼んだら一流企業を紹介してもらえたから
明日から行きなさいと。
スーツも持っていない(サイズが合わなくなった)ので
父親のダボダボのスーツを着て出社します。
一目で昔の型だと分かるようなデザインです。
それでも主人公は嫌がる事なく着て行きます。
就職したい気持ちもあったでしょうが
何より母親が一流企業に息子が勤めるのを
もの凄く喜んでいたからだと思います。

紹介されて行ったものの
会社の人はみんな忙しくなかなか話すらしてくれません。
ただ、じっと座って呼ばれるのを待っていました。
そしてやっと呼んでもらい屋上へ連れ出された所で先程の会話です。

まだ初まって少ししか経っていませんが
もう胸が痛くて堪らない。

「僕は26まで何をやっていたんだろう」

この言葉が自分にも突き刺さりました。
別にダラけていたつもりもサボっていたつもりもないのに
気付いたら歳だけ重ねていて
履歴書に書けないことはやっていない事と同じになってしまうのだと
なんか虚しくなった記憶があります。

【秘密にする理由】

彼がプロ棋士を目指していた事を話さないのは
これからは囲碁に頼らないで生きていこうと思っていたから
それともその過去を恥ずかしいと思っていたのか。
多分、前者だと思いますが
あんなにみんなにバカにされても何も言い返さず
ひたすら耐えている姿は観ていて苦しくなります。

そんな観ていて辛い状態からの成長に
私は惹かれていきました。

課長に自分を売り込めと言われた時
主人公は「努力」と答えます。
みんな働く時は一生懸命で努力しているから差は生まれず、そんなものは買えないと言われると
「質と量で違いを見せます」
「26年間何も努力してこなかったので、僕の努力はまっさらで有り余っています」
(こんな感じのやり取りでした)
そう答えて少しだけ課長の関心を買いました。

【物語の魅力】

ここから大卒相手のエリート達と競うのですが
プロ棋士を目指していただけあって記憶力は抜群で
社内の部署の電話番号、上司の電話番号などを2日目の朝には全て覚えました。
なので上司が課長に連絡しなきゃと口にしたら
すぐに課長に電話をかけて繋ぐといった事ができ
少しだけ役に立ち始めるのです。

彼の武器はこの記憶力ですが
それ以上に毎日家に帰ってからも
業務に関する勉強を欠かしません。
貿易などに関する用語などの辞書もすぐに頭に叩き込み
上司達の会話から必要なものを提供出来る様にもなります。
高卒の主人公をバカにしているエリート達を蹴落としてもいきます。

元々、頭の回転が速く賢かったのだとも思いますが
こうした努力の結果、上司たちからだんだんと信頼されるようになり
色んな事を任されるほど認められていくのです。

日本のリメイクはこの成長部分が少し薄かったかなと
韓国版を観ていた私は感じました。
成長する姿、負けていた相手に勝つ姿は
観ていて嬉しくなります。
そして頑張っている主人公を応援してしまうのです。
主人公の成長はもちろん、同期の仲間たちもそれぞれ自分の人生と向き合い頑張る姿に
勇気をもらう事もあるでしょう。

道は誰にでも開かれたものではない。
自分で突き進んでいくしかない。

ちなみにタイトルの未生ーミセンーとは囲碁用語で
孤立した石や捨て石としてされる石の事を言うようです。
捨て石が捨て石ではなくなる姿を描いているからかなと。
ドラマの中で用語の説明も出てきて
未生の反対の意味を持つ完生に化けてやろうという会話があったような…。

【個人的推薦状】

以上、だいたい1話の内容を主に書きました。
最初は観ていて心が辛くなる事もありますが
最後まで観るといい作品だなと思ってもらえると思います。
それくらい自信を持ってかなりの名作ですと紹介出来るドラマです。
もし、ご興味が湧いた方がいらっしゃったら
是非観てみて下さい。
私が今までに観てきた韓国ドラマの中でもトップを争う名作です。
久しぶりに観てそう確信しました。

でも、ヒューマンドラマ?なので観ていて毎回鬱憤がはれるわけではないし
寧ろ耐えて成長していく姿なので好き嫌いは分かれるかもしれません。

ただ、主人公だけではなくみんな色んな問題を抱えてそれでも挫けずに社会の中で生きていく姿は素晴らしいなと思いました。

全て観終わった後はきっと心地いい気分になれるそんな作品です。

いいドラマはいつ観てもやはり心動かされますね。


仮にサポートを頂けましたら大変貴重ですので大事に宝箱にしまいます。そして宝箱を見て自分頑張ってるねと褒めてあげます(〃ω〃) ♪