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『くつした』にまつわる訪問での感染症対策

感染症対策は、訪問でも必要であり、手指消毒、手袋、必要に応じてエプロン、ゴーグルをすると思うのですが、忘れがちなところについてまとめてみました。

訪問診療、訪問看護や訪問リハビリテーションに関わっていらっしゃる方ではご存知の方も多いとは思いますが、訪問看護の感染症対策がまとめられています。

訪問看護師応援サイト

http://plaza.umin.ac.jp/houmonkango/qua090.html

また、口腔ケアや嚥下訓練を行う場合は、感染リスクが高くなります。
嚥下に関しては嚥下医学会がまとめています。

診療への注意喚起として、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大している。このウイルスは主として飛沫・接触によって伝播し、感染者の体内でもウィルス量が多いのは鼻腔・咽頭(上気道)である。また、エアロゾル発生手技による院内感染も報告されている。嚥下障害診療において、上気道粘膜との接触を伴う嚥下訓練や内視鏡下嚥下機能検査は、エアロゾル発生手技にあたり、感染リスクの高い診療行為である。医療資源の供給が不安定な現状のなか、医療の場での感染拡大を阻止することは、この困難な状況における我々医療者の使命の一つである。日本嚥下医学会では、「感染傾向が拡大している地域」においては、
「非緊急の」上気道粘膜との接触を伴う嚥下訓練や内視鏡下嚥下機能検査は見合わせることを推奨する。

新型コロナウイルス感染症流行期における
嚥下障害診療指針

 
http://www.ssdj.med.kyushu-u.ac.jp/new/detail/?masterid=113

とくに、歯科医師は感染リスクが高いという報告もあるので、やはり口腔や嚥下に関わる職種は注意が必要です。
The New York Timesの記事
https://www.nytimes.com/interactive/2020/03/15/business/economy/coronavirus-worker-risk.html

そんななか私が気になったのが、つい数日前にemerging infection diseases にpubrishされた中国の病院を調査した論文の中にあった、医療者の靴を介して感染が広がっていたという報告です。
Aerosol and Surface Distribution of Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2 in Hospital Wards, Wuhan, China, 2020
https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/26/7/20-0885_article

となれば、訪問先にウイルスがいた場合、そこで履いていた靴下で次の訪問先に伺った場合、ウイルスを拡大することになります。

科研費の研究報告『高齢者在宅ケアにおける感染予防に関する細菌学的研究-エビデンスに基づいた地域看護』この研究はMRSAに関する報告なのですが、この中では

患者の人体・環境からMRSAの検出があり、看護者の手指・手掌・靴下・予防衣からも患者と同一株のMRSAが検出された。とあります。

よって、MRSA等も看護者の予防衣・靴下から検出されており、1患者毎に予防衣等を交換すべきことが示唆された。

訪問が終わったら靴下をかえるべき!!ということになります。

具体敵な方法として、訪問看護師応援サイトの感染対策の項目には
http://plaza.umin.ac.jp/houmonkango/qua090.html

利用者宅の床に感染源が存在するような場合は、あらかじめ靴下を着用し、訪問終了後に履き替えるなど、感染源を持ち運ばないようにする。
と書かれています。

訪問看護における感染に関する有害事象の実態-管理者を対象としたインタビュー調査から 

こちらの論文には

2重の靴下は、訪問終了時に1枚脱いでから帰る。となっています。

これから訪問に出るときには
大量の靴下とともに出発を

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