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はじめての『きんどるしゅっぱん』 前編

インターネットが普及しきった現代はライターにとっては非常によい時代となりましたね。

特に私のようなシナリオライターはソーシャルゲームの流行、というか今やスタンダードなのかもしれないゲーム形式によって多くの恩恵を受けております。

昔なら、なんとかシナリオ大賞とかに応募して、ドラマや映画化されないとシナリオライターなんてマネタイズのしようがなかったわけですので。

物書き全般としても出版をしたければ費用も必要なく、時間と労力のみで電子書籍として発表できてしまうとはAmazon帝国バンザイといったところ。

売れるか売れないかは別問題だがライターにかぎらず自分の表現を簡単に世に出すことが可能なプラットフォームが整えられ、誰もがクリエイターを自称できるなんて素晴らしい時代だと感じる今日このごろでございます。

しかし、WEB上にはコンテンツが玉石混交にあふれ返り、作品はあっという間に消費され、埋もれてしまうんです。

作品を多くの人に知ってもらうためには戦略がなければならず、さらに閲覧/視聴してもらう工夫も必要。それを自分で考えて実行しなきゃならない。

面倒であります。そんな知識までつけなきゃならないのは正直しんどいっす。

そもそも誰かに教わったことや書籍やネットにあるお役立ち情報や実践方法を愚直にやることは苦手というか大嫌いっ子ちゃんの私はコンテンツを発表するまでが自分の仕事だと思ってしまうのですが、そうさせてはもらえません。

そもそも私に費用をかけずにできるプロモーション方法なんて、SNSで数百人しかいないフォロワーさんたちにコンテンツの存在を知ってもらうことくらいなのですよ。やらないよりやったほうがよいだろうが焼け石に水ってもんでしょう。
難しい。とっても難しい。

そういう意味ではクリエイティブを仕事とすることが厳しい現実は今も昔も変わらない模様です。

三文ライターのプライド

創作を仕事とする者として、形としたい題材はアタマの中に腐るほど積み重なっています。常に。

しかしながら、それを実際に形にする意欲があるかはまったく別の話であり、生来ナマケモノの私は山のような資料を買ったり、図書館で借りたりするものの、なかなか準備に取り掛かれません。
いや、取り掛からない。
私、生来のナマケモノでありますゆえに。

妄想を膨らませることは誰でもできるが、誰でもできるそれを実際に形にするのでは天と地ほどの開きがあるのは明らかです。

というわけで、私は重い腰を上げて2万字を目標に
文章を書くことに。

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結論から申し上げれば、先日kindleで販売を開始したこの書籍が無事に書き上がったんだけど、これを書くこと自体にそれほど苦労した記憶はないです。
喉元すぎれば熱さを忘れる的なものか今月中にもう一冊、書き上げられそうな気すらしてきます。

もしも毎日8時間の睡眠をとっても残り16時間が眠く、暇さえあれば惰眠をむさぼる怠惰さを克服できさえすれば、ですが。

とにかく私は書くことしかできない男。
ここいらで一発、世に名乗りをあげておかねばならないのです。

全部で何が何発あるのかは自分でもわかりませんが、それが敷居の低いkindleでの出版であっても行動しないよりはマシでしょう。

これが一応10年、脚本家という仕事を続けてきた私の捨ててはならないプライドであるということが、なんだか物悲しく感じてきます。

第一のハードル・ツールの設定

正直、書くこと自体はそれほど苦じゃないんです。
やり始めるまでは面倒くさいんだけど、やりはじめれば15分しか続かない集中力で作業を断続的に何セットも繰り返し繰り返し、なんだかんだと書き上げられることも経験上わかっています。

が、ハードルとなるのはツールの設定。
この本題とは関係ないのに、やらねばならないことにかける労力が地味に手間がかかるんです、これが。

縦書きと横書き?
字下げ?インシデント?
見出しと目次の挿入?

ゲーム脚本家である私が普段、執筆に使用するツールはEXCELかGoogleスプレッドシート。その状態で納品したほうがシステム側に反映させるのにクライアント側の手間がないというのが理由なので、とても合理的です。

よって私はWordおよびGoogleドキュメント使いのライターじゃないんす。しかし電子書籍出版をするためには、その未知に近いツールとその機能を駆使しなきゃ「商品」の状態にならないんですって。

ネットで調べながら色々と試みてみるものの、なかなか思うようにはいかなくて、 なぜこのようなことに迎合せねばならないのか?と数々の恩恵を受けているマイクロソフト社とGoogle社に八つ当たりに近い怒りを募らせながら四苦八苦しました。そんな自分に酔うようなナルシストになれたら、どんなに楽なことでしょう。

そして、なんとか乗り越えた。
かと思った。
のちほど、このハードルは何度か私の前に立ちふさがるんです。

第二のハードル・表紙の作成

書籍という形にするからには表紙が必要。今回、私が出版する実用書や自己啓発的な書籍はタイトルと表紙が9割という感じです。

出版するからには多くの人の目に止まり、買っていただき、読んでいただきたいのは当然ですし、それが先に繋がらないと意味がございません。

しかも初めての著作だし通常なら気合を入れて採算を度外視してでもデザイナーに発注すべきところなのですが、私にそのような考えはハナッからありませんでした。

なぜなら無名の私の処女作が表紙デザインの恩恵を受けて大ヒットするとは考えづらいわけです。ならば、と自作しました。

デザインのデの字も知らず、Illustratorなどのツールは使えるわけもないし、それどころか絵など小学生以来、描いた記憶もないほど、その分野のセンスを磨くことを怠ってきた人生です。なのでツールは使い慣れたPowerPointでやってしまいました。

モチーフとしたのは世界で最も有名なパンク・バンドが唯一残したアルバム・ジャケット。イエローとショッキング・ピンクならば目立つはずだし、この表紙を見たロック好きはすぐにピンと来るだろうというスケベ根性がにじみ出ております。

これについては、それほど高いハードルではなく要した時間は15分ほど。イメージさえあれば、案外すんなりと進むのだが書籍の内容から想起するイメージを私の技術で具現化するのは困難ですので、もう色と文字で勝負する以外に方法がなかったです。

こういうのを「ミヨウミマネ」というのでしょう。
手の抜きどころなんて本当はないのだけど、今回はこれでよしとしました。

そのうち、ちゃんとしたデザイナーさんに発注した表紙に差し替えて、売れ行きが変わるのかをテストしてみるかもしれません。

次回につづく

まだKindle出版で苦労した点はあるので小分けにいたします。これからKindle出版をされる方々の少しでも役に立てればこれ幸いでございます。

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