ファンデーションを塗らないと決めた日。

初めての職場は地方のマスコミで、取材を数年やりました。主導権を握って取材者のお話を聞くことができず、諸先輩から注意を受けては困っていました。
それいじょうに困ったのは、一年上の女性の先輩記者からの「メイクをしなさい」指導でした。
30年前はまだ、女性は仕事場では化粧がマストでした。
月に一度散髪に行き、毎朝眉毛を整え、口紅は塗っていました。ただ、ファンデーションはどんなものも塗ると顔中が痒くなり、湿疹が出るのでできませんでした。
先輩は日々、ハイヒールでバッチリメイクをされていました。
彼女にしてみたら私は日々の女性としてだらしなく見えたんだと思います。
本当に色々試しました。でも、ダメだったし、私は色白でまだシミも皴もなく、塗る必要性を感じませんでした。
塗ってなくても特に問題はありませんでした。
以来、ファンデーションとは縁のない日々です。
コロナと咳喘息で日々マスクを着用するようになり、口紅も止めました。
ついに一度の散髪は継続中です。
自分で日々整えるのは眉毛だけで、画材屋さんで使う柔らかい鉛筆で描いています。
先輩には色々言われ続けました。
それを自分一人の胸にしまい、しれっとノーファンデで表に出続けた自分の肝の太さは少し自慢です。
ただ頑固なだけかもしれませんが。
先輩は転勤先で結婚されたという事ですが、それ以上は知りません。
今でもバッチリメイクなのかな?
春になって新人さんたちの出勤する姿を目にすると思い出す先輩と、私の強い決断です。
はじめての仕事は仕事以前の諸々が大変でした。
先輩以外の皆さんには可愛がってもらえていました。
たくさん、助けてもいただきました。
で、おめーは何を書いていたんだい?という所はもう忘れました。
ただ、書くのは好きです。仕事じゃなくならせたくらい、好きです。
たまに、思いついたことを眉毛を描く鉛筆で書いてたりもします。
こういう雑な所が嫌われたんだろうな、私。

#はじめての仕事

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