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ミラーレスの時代をつくった名機 〜 OM-D E-M5で撮るシアトル

前の投稿がこれまで(2022年1月27日現在)に最も多くの閲覧をいただきました。ありがとうございます

今回10年前の写真をあらためて確認して、もしかしたら私の用途では、もうこれ以上新しいカメラなんて要らないのかもしれないと感じています。じゃ、もう買わないのか、というとそうでもないのですけどね

ミラーレスの歴史に残るカメラ

私自身が最初に買ったカメラということで特に印象が強いのかもしれませんが、今回写真を見返してみるOlympus(当時)のOM-D E-M5(初代)は、現在のミラーレス一眼の隆盛の大きなきっかけになったカメラじゃなかったかと思っています
SONYのα7がいきなり35mmフィルムのフルフレームで登場したとき(そしてその驚異的な高感度性能)にも驚きましたけど、同じか、それ以上のインパクトだったのではないかと

それまでミラーレスといえば「小型でコンパクト」「なんとなくオシャレな感じ」「でも本格的に撮るならレフ機」といったイメージだったんじゃないかと思うのです。いわばコンパクトカメラからのステップアップ用のカメラ(当時Nikon D300を使っていた私のイメージなんですけどね)
E-M5はそのデザインや動作の快適性、もちろん画質なども含めて、「一眼レフから移行できるミラーレス」として登場し、受容されたカメラではなかったかと思うのです

「必要十分」

2012年当時、私が主として使っていたのはNikonのデジタル一眼レフでした。交換レンズもあわせると、旅の最中に持ち歩く機材は絞り込んでも5kg近くに
一日歩き終わるとバッグをかけていた肩がヒリヒリ痛むし首も凝ります。楽しくリラックスするための旅でくたびれ果てていては本末転倒ですよね
コンパクトカメラだけを持っての旅行も何度か試しましたが、二度三度と同じ場所に行けるわけではなく、都度多少の心残りもありました

そこへE-M5の登場です。手許にはFマウントで使っているレンズにおおむね相当するレンズの重さを比較したスプレッドシートなんかも残ってます。性能のだいぶ違うものをむりやり置き換えているものの、6種類のレンズで4kg超が1.6kg弱になる、といった計算をしていました。荷物半減!
それまでメインのデジタルカメラは、D1、D2HそしてD300とNikonの一眼レフを10年以上使い続けました。しかし、私の用途である旅行先でのスナップや記録ならば、そもそも重装備のハイエンド一眼レフは不要だったのだと思います
他に選択肢が少なかったから、ということもありましたが、持っていて気分が良いとか、気持ちの良い操作感といったことよりも、必要十分な機能画質とコンパクトさや軽さに、E-M5との出会いによって私自身が大きく舵を切ったのでした

人をダメにするカメラ

私は重たいカメラを振り回していたわりには腕力に乏しく体幹も脆弱でしたので、ちょっと条件が悪くなると手振れ写真を量産していました。まあ、いまでもそのきらいはありますが
せっかく良いシーンが撮れたと思っても手振れてしまっては台無し。手振れの嫌らしいところは、あとから修正して救える程度であっても、なんとなく「ごまかしちゃった感」が残るところですね。私の中では構図の失敗をトリミングで救うのよりもだいぶ残念感が強いです

E-M5は私にとっては初めての「ボディ内手振れ補正機能」のついたカメラになりました。それまでにもいくつかのレンズが手振れ補正機能を備えていて重宝はしていましたが、これはレベルが違いましたね
カタログ上は5段ぶんの効果とありますし、実際によほど油断しなければ少なくとも3段ぶんは安心してシャッター速度を落とせます。125分の1秒から3段だとなんと15分の1秒で、これくらい安定するとそれほど明るくない室内での撮影が(旅行では非常に多いです)怖くありません

ただ、あまりに優秀な手振れ補正は人をダメにする側面もあります
2021年になって、私は手振れ補正機能のない、しかも高画素のカメラを使い始めたのですが、案の定です。もう60分の1秒以下では、ほぼ100%の手振れ率。まるで小学生が振り回しながら適当にシャッターを押しているかのよう
高画素だと微細なブレも見事に写ってしまうということでもありますが、それにしてもひどい。ずいぶんとダメになっちゃったものだなあ、と思いつつ、マニュアルでシャッター速度を高めに設定しています。やっぱり体幹鍛えなくちゃ

E-M5 markIIへ

私の用途では理想に近かったE-M5ですが、たったひとつの弱点は、その後多くのカメラに搭載された、無線によるスマホとの連携機能を持たないことでした
2012年当時はまだ珍しい機能だったのが、数年のうちに当たり前になっていったのです

それ以前からPENシリーズのアクセサリーとして「PENPAL」という無線アダプタがあり、Bluetooth通信でスマホに写真を送ることはできました
ただ、サポートする通信規格の関係で、Android端末でしか使えなかったのですね。私はこのためだけにiPhoneを使えずにいました

E-M5が2015年にE-M5 markIIとしてリニューアルされたとき、待望のWiFiによるスマホ連携機能が追加されました。待ってました、というところです
他にもいくつかの改善点はあったものの、このスマホ連携機能を決め手として、私にしては珍しく発売直後に買い換えました(だいたいは半年くらい迷うのです)

このmarkIIは、購入後7年目を迎えるいまでも現役です。昨年末(2021年)シャッター幕が閉じっぱなしになるという故障に見舞われましたが、無事修理を終えて、荷物を軽量化したいときなどはメインのカメラのままです
E-M5とmarkIIとで、撮影できる画質にはそう大きな差はありません。RAW現像ならばなおのことで、その意味では写真機としてのデジタルカメラの(私にとっての)進化は、もう10年も前に完成し止まってしまったのかもしれません。とはいいながら、きっと新商品には心が騒ぎ続けるのでしょうけれど(文頭と同じ内容で締めくくってしまった…)

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