2023年12月16日、突如として放送された『プロフェッショナル　仕事の流儀　ジブリと宮﨑駿の2399日』は、大きな反響を巻き起こしました。
　『君たちはどう生きるか』の制作期間を、6年半以上も撮影して作られたこのドキュメンタリーは、圧巻の内容でした。

　放送後一ヶ月はU-NEXT等で視聴することができましたが、現時点では視聴する手段がなく、残念ながら再放送も予定されていないとのことです。

　宮﨑駿監督は、これまでも多くの密着取材を受け、ドキュメンタリーとして記録が残っています。その中でもDVD・Blu-rayで発売されており、現在でも視聴することができるものについて紹介いたします。

1. 『もののけ姫はこうして生まれた。』

　『もののけ姫』の制作過程を追ったドキュメンタリーです。DVD3枚組みで、6時間40分と長尺です。宮﨑駿監督だけでなく、鈴木敏夫プロデューサーの宣伝会議や、音楽レコーディング、アフレコ風景など、映画が出来上がるまでの軌跡を存分に知ることができます。
　制作はテレビマンユニオンです。入手は困難ですが、書籍版も存在しています。

2. 『プロフェッショナル　仕事の流儀スペシャル　宮崎駿の仕事』

　『崖の上のポニョ』の制作過程を追ったドキュメンタリーです。制作担当はNHK『プロフェッショナル　仕事の流儀』ディクターの荒川格さん。以降、宮崎監督のドキュメンタリーの大半は、荒川さんによる取材によって作られています。

3. 『ポニョはこうして生まれた。　〜宮崎駿の思考過程〜』

　『崖の上のポニョ』が生まれるまで、宮﨑監督のイメージボード制作から密着したドキュメンタリーです。DVDだと6枚組み、脅威の12時間半という壮絶な内容です。現時点で、宮﨑監督の創作活動に最も迫ったドキュメンタリーと言えます。
　残念ながらDVD等の生産が終了しており、中古価格も高騰しているため容易には視聴できませんが、必見の内容です。

4. 『プロフェッショナル　仕事の流儀　特別編　映画監督宮崎駿の仕事 「風立ちぬ」1000日の記録/引退宣言 知られざる物語 』

　『風立ちぬ』の制作過程から引退会見までを追ったドキュメンタリーです。2013年に2回に渡って放送された『プロフェッショナル　仕事の流儀』を1本にまとめた充実の内容になっています。

5. 『夢と狂気の王国』

　『夢と狂気の王国』は、2013年11月に劇場でも公開されたドキュメンタリー映画です。『風立ちぬ』の制作過程を、監督の砂田麻美さんが取材して作られた作品です。
　映画として構成されているので、他のドキュメンタリーとは一線を画しています。

6. 『終わらない人　宮﨑駿』

　『風立ちぬ』を経て引退した宮﨑監督の、ジブリ美術館用の短編作品『毛虫のボロ』制作過程を追ったドキュメンタリーです。番組終盤、新たなる長編企画が始動する瞬間も捉えらえています。それが後に、『君たちはどう生きるか』であることが明らかになり、引退の撤回を図らずとも宣言することになりました。

　この他にもドキュメンタリー作品は数多く存在します。後日、番外編として紹介させていただきます。