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トーク力・観察力を磨きたいなら?会長に挑戦だ!【トーストマスターズクラブ】

自身の総合力を確認できるのが、会長

副会長教育担当を経験した後のボーナスステージ

「失敗してよい場所」に対する誤解・・・なんて記事を書いてたら、どうにもこうにも小姑感がいっぱいで、ちょっと辛い内容になりそうで。

もうちょっと柔らかい内容からいこう!ということで、今回はトーストマスターズクラブの最小単位・クラブの役員の一つである「会長」について、話をしていこうと思う。

敬愛するメンターであり、ライバルである田村直樹さん(注1)にかつて言われたことがある。「会長は副会長教育担当を経験した後のボーナスステージだよ」と。

注1)田村直樹さんは日本支部所属のトーストマスターでスピーチコンテスト世界大会セミファイナル2位まで到達した人。トーストマスターズクラブとは全く別の世界で、ICEE という、とにかく英語を使って交渉や討論や同時通訳や1対1の取材などをやってその人間力を競うという大会(試験)があるのだけど、そこで何度も1位を獲得している。

田村さん曰く「クラブを実質まわしているのは副会長教育担当(VPE)で、最も忙しい役職、最も意義ある役職。そのVPEという役職を一年務めたご褒美として、会長という役が待っている」というものだ。

トーストマスターズクラブの仕組みを知りたければ副会長教育担当を、そして仕組みを知った上で、クラブの神輿・旗振りとしての会長職を行うのが理想的な流れ、という意味。

ボーナスステージの理由:与えられる沢山の「話す機会」

なんといっても会長は、話す機会が多い。ミーティングの開会時の挨拶、閉会時の挨拶、他クラブとの交流、エリア・ディレクターやそれ以上の役職との交流、などなど。

話す機会が多いということは、それだけ磨かれる機会が多いということになる。

トーストマスターズクラブのミーティング(例会)は、会長の挨拶から始まる。ガウベルと呼ばれる木槌のようなもので(縁台や机などを)叩いて開会宣言をする。

(決してハードルを上げるつもりは、ない)アイスブレイクの要素がある会長の挨拶。話す長さはクラブやその状況によって異なるだろうけど、まぁ、数分。前回の例会から今回の例会までに自身に起きた出来事や、思ったことを述べたりする。

・・・ということは、1週間から2週間の間、スピーチとは別に「どんなことを話そう?」などというアンテナを立てておくことになる。

雑談力 up だ。

(決してハードルをあげるつもりは、ない)挨拶をしたあと、ガウベルを叩く訳だけど、その叩くタイミングや間の取り方も、自身のスピーチデリバリーに活きる。

拍手がしやすい・しにくいって、あるのよ。

「あ、話、終わった?もう拍手しても、大丈夫?」→拍手パラパラ・・・→話した会長「あ、ウケなかった orz」→次回へのプレッシャーに。

違うんだよ!拍手するタイミングをちゃんとくれたら叩くのよ!神への感謝や喜びを示す以上に会長に送るよ!話の内容じゃないんだよ!

ここ、留意点。もちろん話す内容が面白かったり興味深かったりすることは望ましいのだけど、「終わりよければすべてよし」で、しっかりと話を終了させて、「それでは、〇〇クラブ第〇〇回例会を開催します!(ガウベルでコンコン)」をして、しっかり拍手を招く流れ、大事。そしてそのあと「今日のトーストマスター(その例会を仕切る司会)を紹介したいと思う」的な流れを作る。

(決してハードルをあげるつもりは、ない)話したことが面白くない感じだったとしても、いい。あなたは挑戦したのだから。そんな時は、こんな形で挨拶を閉めたらいい。「はい、今日の挨拶ネタでは、皆さんを響かすことができませんでした。帰宅したらまた練り直します。メモメモ」(メモをとる仕草)そして、一呼吸二呼吸の間をとって「それでは、気を取り直して〇〇クラブ・・・」とすれば、クラブメンバーは笑顔になってくれる。

「間」が大事。

(決してハードルをあげるつもりは、ない)「今日の挨拶、ダメだった」顔なんて決してする必要は、ない。平然とする練習だと思えば、いい。平然と「あかんかった」とボヤけば、笑いに転ずる確率は、上がる。

さて、無事に例会が終了する。今日のトーストマスター(司会)からバトンタッチして、会長として閉会の挨拶をする。

その時、会長として、どんな視点で例会を見ていたか?という観察力を発揮することになる。

開会の挨拶は、自分の話をすればいい。逆に閉会の挨拶は、その場にいたメンバーの話をすればいい。

スピーチをやらないといけない(=少しでも集中したい 原稿を確認したい)のにも関わらず訪れたゲストに対して真っ先に声をかけてくれたメンバー、急の欠席で空いた役割を即座に快く「やるよ!」と言ってくれたメンバー、例会中の立ち回りで、素敵なフレーズを口にしていたメンバー

なにか一つ「会長 eyes」で見つけて、そこを他メンバーにシェアする。

即興スピーチの練習になるでしょう?

しかも、観察力も磨かれる。

「あれ?〇〇さん、最近、参加してないな」→気軽にメールしてみる
「あれ?〇〇さん、例会中、ちょっと元気なかったな」→例会後にちょっと声をかけてみる

上の二つは、自分が一般メンバーだった時に、実際に声をかけられて、とても嬉しかった瞬間だったよ。「あ、この人は、気にかけてくれているんだ 見てくれているんだ」とね。

会長としての一年が、スピーチで取り上げるトピックを見つけ出す力につながり、スピーカーとしての成長につながる

皆、言うでしょう?

「場数が大事」って。

「次の例会の開会挨拶、何を話そう」「閉会の挨拶、何を話そう」という「必要」が発生し、それを充足させるために、見る観る視る。

物事からトピックを抽出する思考回路が育まれるし、メンバーを観察して良いところを発見する思考回路が開発される。

そして、それらをしっかりと言語化するところで、言語化能力も鍛えられる。

いいことづくし。

副会長教育担当(VPE)で(実際には「辛い」ってことはないと思うけど)大変な思いをしてきたあと、トーストマスターズクラブのことをしっかりと理解したうえで取り組む会長職、そこでの学びは、大きいよ。

それでも辛い時は、ある。それは・・・

物事には光と影があって。

もちろんよいことばかりじゃない。辛いこともあると思う。

自身の生活環境が変わったりとかね。仕事が急に忙しくなったり。体調を崩したり。

それよりもなによりも、辛いのは・・・

他役員との衝突、そりが合わない時

・・・だよね。これは、辛い。

役員会とか開催して、そこで毎回ギスギスしたりとか、最悪だもの。

そういったリスクは、ゼロじゃない。立ち向かい方は、色々とあると思う。

正面衝突する、衝突を避ける、等々。

ただ少なくとも、純粋に「会長職を遂げることで磨かれる能力」は、あなたが会長職を辞めない限りは、独占的に与えられる。

自分自身の学びと成長のために要するエネルギーと、それ以外の項目は、なんとかして切り分けてみよう。

そしてそれを実現させるためには、是非、「メンター」という制度を活用してもらえたら、よいと思う。

あなたが持っている24時間に、会長という要素は一見邪魔にみえるかもしれない。でもそれを通じて得ることができる学びは、これからのあなたの24時間×n をより豊穣にするものだと確信してる。

そして、自分は実感している。

「機は熟した」と思ったら、いや、「まだかな」と思っていても、「やってみたい」と思ったのなら、挑戦してみよう。

「失敗してもよい場所」だからね。



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