サチ

昭和の日本が元気だった時代の経験を元に小説を書いています。 創作として読んでいただける…

サチ

昭和の日本が元気だった時代の経験を元に小説を書いています。 創作として読んでいただけると幸いです。 携帯電話も無く、連絡手段と言えば家電か手紙、葉書しかなかった時代でした。 今の世の中でこんなことしたら大変なことになる様な描写も多々あります。

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  • トランスミッションⅠ

    • 103,107本

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  • 【小説】クお白チ 【第一期】

    前に挙げた物を構成を少しばかり変え、マガジンにしてみました。

  • 【小説】月明りの妖女

    体験談を小説形式で書いていますが、あくまでフィクションとして読んでください。

最近の記事

【小説】クお白チ 106【第一期】

二人でいるところを見つかったらまずいので、キスをしてラブはすぐに帰らせた。正門の左側にある『○○○女子高等学校』と書かれた銅製の看板の溝を指でなぞった。学校を見ようと思って顔を上げようとしたけど、すぐに顔を下ろした。看板のある塀に寄りかかって、しゃがみ込んだ。ポケットから鞄に入れ替えてあった9個の石をまた並べた…穴は空かなかった… 目の前に親方の車が止まった。懐中電灯を持って下りて来た親方が 「終わったか」 「終わったね…」 「廃材処理を確認するから一緒に来い」 「疲れちゃ

    • 【小説】クお白チ 105【第一期】

      「おにいさんごめんなさい。私達じゃ分からない苦しみなんですね」 「いや、いいんだよ。怒鳴ってごめん…」 「でも、私の前で思ってる事を言ってくれてよかったですよ」 「ラブの前だから言えたのかな…」 「少しは悲しくなくなりましたか?」 「ラブに言ったら気持ちが楽になったよ」 「お仕事してても、ご飯をたくさん食べてても、みんなを笑わせたり、いじめたりしてても、おこってても、笑ってても、泣いてても、強がってても、弱くても、みんな、私の大好きなおにいさんですよ」 強がってても、弱くても

      • 【小説】クお白チ 104【第一期】

        クッキーと白とチビは俺が怪我をした時に泣いた。ラブは泣かなかった気がする。好きとか恋とか愛とかがあってもそういう事ってあるんだろうか… 「ラブは俺が怪我をした時に心配してた?」 「してましたよーあたりまえじゃないですかー」 「一回も泣いた事ないよね?」 「さっき言ったじゃないですか。死ななければいいんですよ」 「あぁ、そうなのね」 「天井が落ちそうになった時は部室でたくさん泣きましたよ」 「戻ってきて泣きそうだったしね」 「私達がいない時に天井が落ちたら、救急車を呼ぶ人がいな

        • 【小説】クお白チ 103【第一期】

          ラブは身を起こして、樹のテーブルに座ってしっかり足を閉じ、右手で胸を隠した 「手を下ろして、そのままにしててくれないかな」 「…はい」 曇り空で少し早まった夕暮れの中、ラブの体から光りが出ているのではないかと思った。両腕と首から上だけ日焼けしてるのに、白にも劣らない真っ白で、針を刺したらパン!とはじけてそのままラブがどこかへ消えてしまうんじゃないかと思う位に張った肌…細いのにテニスで鍛えられたほどよい筋肉……酔ってしまいそうな均整の取れた曲線…その裸体はとても美しかった 「い

        【小説】クお白チ 106【第一期】

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        • 【小説】クお白チ 【第一期】
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        • 【小説】月明りの妖女
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        記事

          【小説】クお白チ 102【第一期】

          この子が欲しかった。なんとか理性を保っているのに、相手は壊しにかかってくる。頭が変になりそうで、欲しいと思っている事を振りほどく 「18歳になって、ラブに彼氏がいなければね」 「今すぐここでお願いしますよ…」 「ここでって…」 「おにいさんと一番想い出の多いここがいいんです」 すごい大胆なアプローチだと思った 「チビを彼女にしちゃうかも知れないんだよ…」 「チビ先輩と会うんですか?」 「明日ね。そういう約束になってる」 「明日はお休みなんですか?」 「明日、明後日休みをもらっ

          【小説】クお白チ 102【第一期】

          【小説】クお白チ 101【第一期】

          いつものLOVEと書かれた手提げからラブがなにかを出す。○ョージアとアルミホイルに包まれたなにか 「おにいさんこれ食べてください♪」 「作ってくれたの?」 「これ作ってたら遅くなっちゃって」 「そうなんだ」 アルミホイルをといたらピザトーストが出てきた 「チーズがダメなの知ってるだろーほんとオオボケ女だな…」 「酷いですよー食べてから言ってくださいよー」 「チーズがダメなの!」 「一口でいいですから、食べてみてください。お願いしますよ」 「そーおっ…」 いやいや口に運ぶ。チー

          【小説】クお白チ 101【第一期】

          【小説】クお白チ 100【第一期】

          タイルにしゃがみ込み、タバコを出して火を付けた。大きく吸い込み、息を止めてからおもいっきり吐き出した。みんなの匂いは消えはしなかった 恥ずかしそうにマドレーヌをわたすクッキー。妖艶な美しさで俺を見つめるおしゃべり。透けるような肌と八重歯を見せて笑う白。悩みを打ち明けて涙を流すチビ。心を癒す優しい声で語りかける小鳥。返事も出来なかったムック。爽やかな笑顔とさらに爽やかな芳香の香。そして俺が未だに待ってるラブ…みんなの顔が頭の中をグルグルと駆け回る…気が狂ってしまうと思う位駆け回

          【小説】クお白チ 100【第一期】

          【小説】クお白チ 099【第一期】

          彼女達が俺にくれた最後の一日をみんなで大いに楽しんだ。楽しみのあとに大きな苦しみが来るのを待っているかのようだった。楽しい時間を早く終わらせ、苦しい時間が来るのを早くしてしまおうと思った…なぜそう思ったかは分からない…時計を見ると4時40分を過ぎていた 俺「5時に親方が来ちゃうんだよ。だからみんなこれで解散」 「………………」×8 俺「しょうがないだろー俺にだって都合があるんだよー」 香「また会えますよね…」 俺「俺が会いたいから会えるさ」 ム「みんなでどっか行こうね」 俺「

          【小説】クお白チ 099【第一期】

          【小説】クお白チ 098【第一期】

          俺「もう一個やってみる?」 白「次はなにをやるんですか?」 俺「今度は小鳥が主役かな」 小「えー今度は私がターゲットですかー」 俺「香が自爆しただけで、俺はターゲットにしてなかったろ」 小「いじめませんよね…?」 俺「香だっていじめてないじゃん」 香「私的にはいじめられた気がしてます…」 俺「まったく誘導してないのにいじめられたって言われるのはいやだなぁ」 小「私も自爆しちゃいます?」 俺「あぁ、それはないと思うよ」 チ「この人最初になにをやるか言わないんだよ…」 俺「まだ言

          【小説】クお白チ 098【第一期】

          【小説】クお白チ 097【第一期】

          俺「みんなに頼みがあるんだけどさぁ…」 チ「なにさ?」 俺「セーラー服で暑いかも知れないけど窓を開けずに入り口の扉も閉めて教室にいてくれないかな?」 小「また意地悪するんですか?」 俺「意地悪じゃないよ」 香「教室でなにしてればいいんですか?」 俺「好きな事してていいよ」 白「おにいさんは来ないんですか?」 俺「10分位したら行く」 チ「なにするのさ?」 ラ「教えてくださいよー」 俺「チビとラブはここにいていい!いっつも口答えするやつは知らないよ…」 ラ「あ゛ーーーーー!分か

          【小説】クお白チ 097【第一期】

          【小説】クお白チ 096【第一期】

          差別の事を話そうかどうしようか迷ってた。クッキーも白も悪気はない。このまましまい込んでしまえば、それも時間と共に流れて行ってしまう事だ。俺が感じた事であり、彼女たちにはまったく関わりのない事。謝りたい気持ちを我慢する… お「サッちゃーん。どうして黙ってるのぉー」 俺「ちょっと考え事をしてたんだよ…」 チ「また泣きたいんでしょ」 俺「みんなが帰る時に、また泣いちゃうかもな」 「………………」×8 おしゃべりのしゃべり方を真似して 俺「みんなぁーどうして黙ってるのぉー」 「あはは

          【小説】クお白チ 096【第一期】

          【小説】クお白チ お知らせ

          今まで1日2話更新でしたが、今日から1話更新になります。 更新時間は19時30分です。 こちらの都合で申し訳ありませんがよろしくお願いします。

          【小説】クお白チ お知らせ

          【小説】クお白チ 095【第一期】

          俺「なにがよかったんだよ?」 ク「秘密でーす♪」 俺「まったくどいつもこいつも…」 小「サッちゃんちょっと目を閉じててもらえませんか?」 俺「いいよ」 目蓋を閉じると全員でゴソゴソやってたと思ったら、木のテーブルにカタン、カタンってなにかを置いていく お「目を開いていいよぉー」 目を開けた瞬間、我慢していたものがプツンと切れて、涙がいっせいにわき出してくる。押さえきれなかった…下を向いて嗚咽を我慢するのが精一杯で、なにも言えなくなってしまった… チ「我慢しなくてもいいんだよ…

          【小説】クお白チ 095【第一期】

          【小説】クお白チ 094【第一期】

          コンビニで弁当を選んでた。食欲が無かったのでハムサンドとタマゴサンドとコーヒー三本買って、学校へ戻った 入り口を入って下駄箱の前にあるすのこに座って、下駄箱を見上げる。俺はチビとラブの下駄箱だけは知ってる。ラブの下駄箱の真ん前に座っている自分に気がつく…また石を取り出してさっきと同じ様に並べて、ハムサンドを口にした。クッキーと白の事を思い出す。クッキーに悪気がないのは分かってる。親友…そう呼べる友達を持った事がない俺には無縁の世界。俺さえいなければ、俺さえ感じなければそのまま

          【小説】クお白チ 094【第一期】

          【小説】クお白チ 093【第一期】

          独りで裏庭に座っているのが寂しくてしょうがない。胸の穴は大きく広がり、虚無感と罪悪感が襲ってくる。立ち上がり、鞄まで行ってピンクのハチマキと首に水色のタオルをかける。暑くないのでタオルの意味はない。どうにかして仕事頭にしようともがいているだけだ 校舎のどこにいても彼女達を思い出し切なくなってくる。中庭に出てみよう 裏庭よりはかなり広い中庭。裏庭と同じ樹が植樹されている。校舎の壁沿いに花壇があるが、花はしおれて雑草が生えてる。一段低くなったところは五色石が敷かれているので、それ

          【小説】クお白チ 093【第一期】

          【小説】クお白チ 092【第一期】

          「さっきなんであきらめようとしたの?」 「おにいさんが迷ってるから苦しいんじゃないかと思って…」 「ラブも苦しいの?」 「昨日も寝てません…」 「俺と同じだね」 「眠れなかったんですか?」 「みんなと別れるのが辛くてね」 「最後まで笑ってたじゃないですか」 「あの時が一番苦しんでたよ」 「我慢してたんだ…」 「泣いたらカッコ悪いだろ」 「そんな事ないですよ」 「今日もラブが来てくれたから大丈夫だよ」 「私でよかったんですか?」 「ラブがよかったの」 「なんで私なんですか?」

          【小説】クお白チ 092【第一期】